2013年8月9日金曜日

いろんな年があるから!

電話の向こうで、美瑛の外山さんは努めて明るく話すのでした。

いやー全然雨降らないよ。
まいったねぇ。

美瑛では極端な雨不足のため、じゃがいもが大きくなってくれないのです。

収穫する芋は小玉ばかり。

それでももう少し土の中に置いておけば、まだまだじゃがいもは大きくなるのですが、外山さんはそれを待たずに掘るのです。

なぜなら、欠品できない、という思いがあるから。


宅配事業はチラシを数カ月前から作るうえ、届ける日も決まっている業態です。

それも「美瑛馬鈴薯出荷グループの特別栽培の男爵」と言っているからには、それを届けないとだめなのです。

普通のお店なら、緊急事態であれば別の芋を置いたって問題はありません。

でも宅配事業は違うのです。
外山さん達の、「美瑛馬鈴薯出荷グループ」のじゃがいもを期待して、それが欲しくて注文している人がいるからです。その人達を裏切れないのです。それを外山さんは分かっているのです。

だから、もっと遅らせて掘れば芋は今よりもっと大きくなり収穫量はしっかり増えると分かっていても、外山さんたちは掘ってくれるのです。

まわりの畑では、きっともうちょっとしてから掘るのかも知れません。

でも、外山さん達は自分たちからこの状況を僕らには訴えず、まだ小さいだろうと分かっていながらも掘ってくれるのです。


僕達をつないでくれているエプロンの堀江さんから久しぶりに電話があり、この状況を教えてくれたのでした。

そして、外山さんに電話してくれないべかって、僕に言うのでした。
だから電話出来たのでした。


僕達は状況が分からないと、こちらの要望だけを言ってしまいます。

状況が分かっていても要望は言ってしまうのですが、分かっていて言うのと、何も知らずに言うのでは、そこには差があるような気がするのです。

状況が分かっていれば、要望の仕方や言葉は変わるし、違う発想も浮かんできます。


堀江さんは、「僕らの仕事は産地とお客さんをつなぐ仲人のようなものだから」って言っていました。
さすがいいこと言います。

人と人をつなぐ方法にマニュアルはありません。

とっても大変な時に、その大変さを自分のことのように受け止められる人は、自然と行動しているのだと思います。


いろんな年があるから!

そう外山さんは電話の向こうで言ってくれました。

その一言に、全てが詰まっていると僕は思いました。

大切なのは続けることです。今年も、来年も、その次も、その先も。

大変な年になるとしても、一つでも二つでも、良かったねと笑って言えることを作りたいと思います。




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