2010年12月31日金曜日

団らん

少し前に、今年最後の太陽が沈みました。

今日は一日支部応援。
亘理(わたり)という宮城県南の町へ刺身の配達です。

出張に行く、商談をする、企画を立てる、会議をする、振り返る。
すべては、組合員さんのくらしに少しでも役に立つためです。
今、12月31日の18:00です。

これから年末のごちそうを囲んで、それぞれみなさんがいろんなことを思い出したり、豊富を胸に誓ったりするのでしょう。紅白を見たりするのでしょう。

その団らんの場で、自分たちの仕事が少しでも役に立つことが出来ていたなら、これ以上うれしいことはありません。

ぐっと冷え込んできました。
そろそろ退勤の時間です。
今日はこれから奥さんと娘2人と一緒に、僕の実家へ向かいます。

ゆっくり、家族と過ごそうと思います。

1年間大変お世話になりました。
来年もよろしくお願い致します。



2010年12月29日水曜日

せりの根っこ

昭和24年から続く仙台の老舗のおでん屋「三吉」で、ほんの身内で忘年会をしました。


ここのおでんはどれも最高においしく、味噌とたまご、片栗粉を加えたさんまのすりみは絶品です。そして何より、上品で柔らかいのに味がしっかりしていて、でも限りなく優しい三吉のだし汁は、それだけでもう大満足です。
ハタハタ焼もおいしかった。

でも、ここの隠れた名品が、きりたんぽ鍋。
先代のおやじさんが秋田出身だからでしょう、食通の男・中澤さんも「ここのきりたんぽ鍋は秋田の味そのものだべさ」と唸る一品です。
特においしいのが、せりの根っこ。ズリ、ズリというなんとも言えない歯ごたえ、食感がたまりません。

宮城県は、実はせりの出荷量が日本で2番目。面積は3番目と、けっこうな産地なのです。
でも、秋田のそれとは茎の太さ、長さが全然違います。聞けば、一番違うのは、初めから根っこを重視して作られていることだそうです。宮城のせりは、ひょろっと茎を長く伸ばして育てられますが、秋田のは茎は短く、太い。そして根っこがすごい存在感。秋田のせり生産者は、あえて根っこが太く美味しくなる品種を植えているのだそう。今日のきりたんぽのせりももちろん秋田産のせり。
おなじ「せり」でも、地域によって全然違うのですね。


昔から伝わるその土地土地の食文化は、おいしいものを作ろう、と意気込んで作られたというよりは、「一時に集中して出荷される作物を飽きずに捨てずに消化するには」だとか、「豪雪地帯の命を託した保存食」などのように、「くらしの必然」から生まれるんだよ。
東北はまだまだおいしいものがある。食の宝庫だ。もっと知りたいね。
そんな話に花が咲きました。

あと3つ寝るとお正月。

いろんなことがあり、みんなそれぞれ多くの傷を負いながら、雲間になんとか陽光を探していた2010年ももうすぐ終わりです。

鍋の中でほぐれかけたきりたんぽと、静かにおいしいせりの根っこ。


とてもあたたかく、おいしい夜でした。

2010年12月22日水曜日

なつかしい味

「今回届いたみかんは大変に甘く、なつかしい味でした。涙で池が出来るほど美味しかった」

こんな声が組合員さんより寄せられました。よほどの感動だったことがびんびん伝わります。「舌の記憶」だと思います。
「なつかしい味」というと、すぐに思い浮かぶのは台湾バナナ。父が子供のころの遠足の楽しみはバナナだったと聞いたことがあります。他には、夏みかんやプリンスメロン、紅玉なんかも懐かしいようです。印度りんごというのはどんなりんごなんでしょう。まくわうりも一度食べてみたいです。長十郎なしは今でも宮城の特産です。酸味があるもの、甘すぎないもの、あっさりしているものが多いようです。台湾バナナは真逆ですが。


トマトにもなつかしい味のものがあります。
それは甘みだけではない、酸味もあって、何よりトマトの味が濃い。
共同購入でも春先、毎年たくさんの「おいしかった」の声を頂くトマトがあります。
でも、そういうトマトは得てして作るのが難しい。あまり収穫量がとれない。その上病気に弱い。こんな状況もあり、作付は年々減ってきています。でも聞くと、作っている人も新しい品種よりこのトマトが好きだと言います。

今回産地を訪問し、なかなか作るのが厳しいから、これからその品種限定での出荷は難しいかも、と言われました。けれど、組合員の声からの熱い声を伝え、毎年待っている組合員がいるんです、ということを部会長さんへ熱くお話ししました。
その甲斐あってか、出張から帰ってきた3日後、サンネットには年明けからもこの品種限定で出荷します、と産地からとても嬉しい、ありがたい連絡がありました。部会長さんが部会のみなさんへ理解をいたただいたとのことでした。

今回は部会長さんにしかお会いできなかったので、次回生産者の皆さんにお会いし、皆さんのお話をお聞きしようと思っています。
このトマトを楽しみに待っている人達へこれからも変わらず届けるためにはどうしたらいいか。本当に懐かしい幻のトマトにしてしまわないように。一緒になって考えていこうと思います。

2010年12月21日火曜日

光の並木

毎年仙台では、12月に「光のページェント」というイベントが開催されます。

今回、出張帰りにふらっと寄ってみました。たくさんの人で賑わっていました。

仙台のシンボルであるけやき並木に約60万個のLED(昔は豆電球)をつけ、冬の仙台市中心部を光で彩ります。
イベントが始まって今年で25年。ずっと市民ボランティアが主体のイベントです。今では、3週間で280万人の人がこの光の並木を見に来ます。

よく覚えていないけれど、開始当時12歳だった僕は、初めて見たとき3つ下の弟と一緒に「うわあっ」と声を上げていたと思います。それから毎年、父が運転する車で家族で見に来ていました。

高校生のころは、ページェントの並木沿いにあるコンサート会場で開催されていた「東北吹奏楽の日(クリスマスコンサート)」に出演していました。自分たちの演奏が終わり会場を出ると、目の前は光の回廊になっていました。あの時見たページェントが一番光っていたような気がします。青春の1ページです。もうそのころになると、家族では来なくなっていました。

自分に子どもが生まれてからは、だいたい毎年来ています。
彼女達は、ただ素直に驚き、喜んでくれます。それが嬉しい。
大人になると、目に映るきれいなものでも、斜めから見たり、疑ったりしてしまうもの。
今は、たくさんの「きれいだな」「すごいな」「たのしいな」「うれしいな」を集めて欲しいと思います。

光並木はいつもと同じようにただ静かに揺れるだけなのに、それを見上げる僕たちは、その年年でしみじみいろいろ思い出したり思ったりするのです。

2010年12月17日金曜日

人を呼ぶ、本田さんのにんじん

ただにんじんをミキサーにかけただけなのに、こんなに甘く、雑味もないジュースになるなんて。


それが、本田さんのにんじんジュースを飲んだ素直な感想でした。

熊本のにんじんの生産者、本田さんを訪問しました。
着くなりさっそくにんじんジュースを目の前で作ってくれました。


どうしてこんなにんじんが出来るのですか?品種ですか?
いや、品種は全く普通だよ。時期にあわせていろいろ作っているけれど、日本で一番作られている品種も作っているよ。
えっ!あの品種でもこの味になるのですか?
そうだよ。
・・・どうしてあのにんじんがこんなにおいしくなるのだろう・・・。
それはね、「コップで作るか、バケツで作るか」ということだよ。

そう言って、本田さんは畑へ連れていってくれました。
そして、その秘訣をなんとも朗らかに教えてくれました。


本田さんは土を作ることを、「土にボランティア」と表現していました。
「この辺ではよくよくあることだけれど、自分の代はいいにんじんが取れるけれども、子供の代になったら全然取れない、ということがある。土にボランティアをすることは、次の世代のためなんだよ。私も子供に恨まれたくないからね」そういって、また人懐っこい顔で笑うのでした。

本田さんのすごいところは、作るにんじんが毎年安定的に出荷されていること。
おいしいにんじんは作れても、年によって出荷量が大幅に減ったり、増えたりしたのでは、そのにんじんを待っている人も困ってしまう。だから、派手な宣伝は一切していないけれど、毎年安定的な量を作っているのです。なかなか出来ないことです。特にこの異常気象の中では。

にんじんを作り始めた20年前までは全然別の仕事をしていたそうです。たくさんの試行錯誤を経て今に至るそうです。たくさん失敗したよ、とこれまた朗らかなのです。

そろそろ辞去しようと席を立つと、次のお客さんがいらっしゃいました。
何でも、雑誌の取材だそうです。
がんばっている企業の経営者を紹介する内容の取材だそうで、突然入ったそうです。
4人の取材陣の中に、ちょっとお洒落なおじさんがいました。インタビューする人のようです。

いっしょに同行いただいた方皆さんはその人を知っているようでした。
穂積隆信という俳優さんでした。
そう、まさにこの方でした。
「積木くずし」という本を書いた人だそうで、恥ずかしながら僕はそのタイトルしか知りませんでした。穂積さんのことも知りませんでした。とてもおしゃれで気さくな人でした。

人を呼ぶ本田さんのにんじん。

理由は食べれば分かります。



2010年12月16日木曜日

むかん

博多駅で、皮をむいた冷凍みかん「むかん」を買いました。



今年の夏話題になっていたので興味がありました。今の時期はわざわざ冷凍みかんを食べなくてもいいくらいまわりにみかんがあるからか、少しだけしか並んでいませんでした。

聞くと、この「むかん」を作っている会社は、日本で最初に冷凍のたこやきをつくったところだそうで、地元のみかん「山川みかん」というみかんを広めたい、若者にもっと果物を、ということで作られたそう。
皮がゴミにならないし。名前も分かりやすい覚えやすい。


3個380円。サイズは2Sくらい。
仕事の中心が青果なので、食べてみて、なるほど加工品こそ素材が大切だな、と感じました。

夏に食べるにはいいですね。
ちょっと高い気もするけれど。

2010年12月15日水曜日

あずきミュージアム

少し前、小豆を煮たことをこの日記に書いたところ、なんと産地であるJA十勝池田町の方が見てくださっていました。

僕の日記を紹介してくださった方に、JA十勝池田町の大塚さんからうれしいご感想が届きました。

「私も、毎年小豆の受け入れが始まると、ひとすくい持ち帰り、必ず煮て食べています。それまでは、男子厨房に入らずではないですが、料理は一切しませんでした。ただ、小豆を煮る時だけは水洗いから、水漬けして煮ます。火にかけた後は、豆を踊らせて皮を破かないように注意して、弱火でことこと時間を掛け、ゆっくり煮ます。椅子を持ち込んで、鍋の中を覗き込んだり、確かに、スローフードですね。ことこと煮る時間、小豆の煮上がりの独特の臭いも、共有できたのだなと感じました」

先日帯広へ出張に行った際、行程で農協の目の前を通ることが分かり、大変唐突で不躾で恐縮なのですがぜひご挨拶だけでもさせて下さい、とお電話をしたところ、快くお会いしてくれました。

日記を見ていただき、感想を頂いただけでも、そして貴重なお時間を頂いただけでも有難いのに、なんととてもとても貴重なお土産まで頂いてしまいました。

それは、「あずきミュージアム」という本でした。

姫路にある世界に初めての小豆の博物館の本でした。


小豆の歴史、種類からゆで方、世界の小豆、栄養素いろいろ。

「古事記」に五穀豊穣のひとつとして小豆と載っていることも知りました。

「干しいも大学」に通ずる、抑えきれない、熱く静かな情熱を感じました。

一つ一つの作物には計り知れないドラマがあって、そのドラマの登場人物は変わっていくけれど、主役であるそれら作物は受け継がれている。
そんなことを思いました。

目の前の小豆はやさしく、おいしい。
でも、今は昨日よりもっとおいしく感じます。
感情移入。
きっと、なんでもそういうものですよね。

大塚さん、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。

2010年12月14日火曜日

宮城県はどこにある?

宮城県はみんなが思うほど雪は降らないし、夏も暑くない。
とっても過ごしやすくて、米は抜群においしい。海のものも豊富です。
フィギュアスケート発祥の地でもあります。

ここです。
僕はふるさと宮城県が大好きです。

でも、全国的にはとっても地味なのです。
それは、全国各地へ出張へ行くと、痛いほど分かります。

先日訪問した帯広でも、認知の低さを痛感した悲しい出来事がありました。


「宮城県って、あの有名な知事がいるところですよね」
それはたぶん宮崎県です。
宮城の村井知事は、そこまで知られていないと思います。
笑顔のかわいい村井知事。大阪出身です。


でもこれくらいはしょうがない。言われることもあります。そんなに悲しくない。
けれど、もう一人の方(けっこう年配のおじさんでした)に言われた一言は衝撃でした。


「宮城県って、仙台の上ですよね」


・・・・・。
久しぶりに絶句しました。
なんと返事したか覚えていません。


帯広の大きな大きな黄昏の中、僕は、一人ぼっちになった気がしました。


やっと伝わったね。

美幌の産直生産者、一戸さんへ、応援ボックスで寄せられた声を届けに行きました。




たくさん寄せられた声に目をとおし、一戸さんがしみじみ一言。



「やっと伝わったね」



でも、まだまだ。

これからです。

2010年12月7日火曜日

おじさんのやさいですうぷのみました

おじさんへ
おじさんこ年は、たいへんでしたね。
うちでけさのあさごはんのスープのじゃがいもはおじさんのはたけのなんだよ!
きおんにまけないでね!
ひなこより

おじさんへ
おじさんのやさいですうぷのみましたありがとうございました



美幌の一戸さんへの、組合員のお子さんからの直筆メッセージが届きました。
姉妹(弟?)で書いてくれたようです。

利用してくれる組合員さんの名前のむこうには暮らしがある、ということを改めて感じました。
ものを届けるということは、「ものを届ける」ということだけではないのですね。
いつも忘れてはいけません。自分へのメッセージでもあるな、と思いました。

2010年12月1日水曜日

十勝池田の小豆

舌ざわり、味、香り、色。
これらのバランスが小豆の風味を決めます。

北海道十勝池田町は、小豆の栽培限界地と言われており、気候条件から、これ以上北でも、東でも小豆は作れない、と言われています。ぎりぎりの厳しい環境がおいしい小豆を作るのです。それだけではなく、農薬や化学肥料を半分以下にするなど、見えないこだわりもたくさんあります。美味しい理由がいっぱいです。

この前の休み、はじめて小豆を煮てみました。
思いの外簡単でした。
小豆等の乾燥豆を煮ると時間がゆっくりと流れていきます。
一晩浸け置きし、煮るときは水加減にも注意して。
究極のスローフードです。

まずぜんざいにして食べました。その後つぶしてあんこにしました。
娘の誕生日でもあったので、「くるりんもっちー」(もち作りのおもちゃ)で餅を作りあんこ餅にして食べました。


風味がおいしい。
さすが十勝池田の小豆です。
中国産の豆はタンニン(渋味成分)が多いため、「渋切り」が2回必要なので、風味も飛んでしまい、和菓子屋さんからも敬遠されるそうです。国産との違いです。

たい焼き発祥の店であり、「およげたい焼きくん」のモデルにもなった東京麻布十番の「浪花家総本店」でもご指名されている、ここの小豆。

共同購入でご案内しています。
そんじょそこらでは(たぶん)買えませんよ。
自慢の小豆です。

2010年11月29日月曜日

トマトときのこのつどい。

私の担当している委員会で、「メンバーのつどい」がありました。
組合員さん主催の生協のお祭りです。県内各地で年に2回行われます。

参加される方は、誰でもOKです。基本的に無料。一般的には地域の組合員さんが集うのですが、まだ生協に入っていない方も来られます。初夏のつどいでは、バナナをテーマにわいわいしました。

今回は「トマトときのこで産直米をおいしく食べよう!」がメインテーマ。

トマトのカゴメさんと、きのこのホクトさんの全面的なご協力を頂き、トマトときのこのおいしいお話と、おいしい試食と、きのこの収穫体験と、お楽しみレシピと、おみやげと。盛りだくさんの内容でした。
そして気になる参加者数は・・・。過去最高の29人!も来ていただきました。私たちの委員会としては最高記録でした。びっくり。

カゴメの高橋さんからは、トマトのなるほど話しと今夜から使える話をたっぷり教えてもらいました。
ホクトの北村さんと岩崎さんには(なんとこのつどいのためだけに長野から来てくださった!)、かけあい漫才のような息のあったお話で、へぇ~と感心しつつも、どっかんどっかんみんな大笑いでした。

「これからきのこの刈り取りをしたい方、帰ったらむこう3軒両隣にホクトのきのこをおすすめして下さい!おすすめするという方手を挙げて!」と北村さんが言うと、手が挙がる挙がる。
さすがです。

株とり体験も大賑わい。

小さい女の子も興味津々。これなんだ?
大好評の浅漬。
トマトの豚汁。見た目よりずっとおいしいです。

「トマトを加熱するというのが私的にはビックリでした」
「2才の息子がトマトが大嫌いで困っていたのでトマト入りの豚汁は是非作って食べさせてあげたいと思いました」
「きのことトマトの浅漬を食べたら目からウロコでした。さっそく我が家までも作ってみたいと思います。」
「ブナピーを今まで買ったことがなく、今日、ブナピーを食べてみてくせがなかったので、きのこがきらいな娘でも食べてくれると思いました」

意外性に驚いて、おいしくて喜んで、困りごと解決にもなりそうで。そして楽しくて。
みんな大満足してくれたようでこちらも嬉しくなりました。そしてほっとしました。

委員会の皆様大変ご苦労さまでした。
そして、準備にご尽力いただきましたホクトのくさなぎさんをはじめ、両社の皆様本当にありがとうございました。

2010年11月26日金曜日

サンタが街にやってくる!

少し前に、娘がサンタクロースへ手紙を書いていました。

彼女が通う小学校の校長先生が、自費で「サンタクロースへの手紙」を全校児童へ買い与えてくれたそうです。
この手紙は、「日本・フィンランドサンタクロース協会」主催の企画「サンタさんへ手紙を書こう!手紙を書いて、サンタを街へ呼ぼう!」というもの。

この手紙を投函すると、サンタが住んでいるフィンランドの「フィンランドサンタクロース中央郵便局」から国際郵便で、サンタ本人から(!)手紙が届くのですが、日本全国で一番手紙を出してくれた県に、サンタクロースその人がフィンランドから来てくれるというのだから凄い。サンタですよ、サンタ。
ここがフィンランドのバニエミという街にある郵便局だそうです。
毎年150国からここへ手紙が来るそうです。

彼女もなにやら一生懸命書いていました。
そんなみんなの思いが届いてか、なんと、全国で一番手紙を送ったのは、2位の熊本を大きく引き離しダントツで宮城県でした。
仙台の冬の名物、光のページェントの真っ最中に、サンタが街にやってくることになりました。
一番忙しい時期でしょうに。ありがたいことです。

今日で8歳になった娘は、妹と一緒にそのニュースにとっても喜んでいました。
サンタクロースはいつまで彼女たちのもとへ来てくれるのでしょうか。今年も来てくれるという保証はありません。彼女たちにとっては、これからが踏ん張りどきです。

去年の12月24日は、トナカイのためににんじんを、サンタクロースのためにクッキーと水を用意していた彼女たち。

やわらかい心、大切にしてあげたいものです。

2010年11月25日木曜日

リレー

手元のノートに走り書きで書き留めたたくさんの断片は、生産者の思いの一部でした。

去年の7月、JAきたみらいの訓子府(くんねっぷ)地区で行われた「圃場巡回」に参加させていただきました。


「圃場巡回」とは、生産者みんなで、みんなの畑を見て回り、生育状況の確認や病気の発生などを発見、指摘したり、順調に進んでいるところの取り組みをみんなで共有したりする活動のこと。


聞く話によると、一般的に農家の方々はそれぞれに独自のノウハウを持っていて、なかなか他の人へは教えないそうです。でも、ここ訓子府のみなさんは、部会内でそれぞれの取り組みを交流し、部会全体でよりよいものを作ろうと力を合わせているのでした。

圃場巡回のことを聞いて、もっと玉ねぎ、じゃがいものことを、訓子府のことを、生産者の思いを知りたかった僕は、生産者の皆さんと膝つき合わせていろいろ話が出来る機会だ!と思い、一も二もなく「参加させてください!」とお願いし、参加させてもらったのでした。

圃場巡回が終わったあとは総勢80名くらいで大焼肉大会が開かれるのですが、ここぞとばかりに各鉄板をまわって、皆さんといっぱいお話をしました。
そして、聞いたことを忘れたくなくて、ノートにいろいろ書き付けておきました。

・川井さん(じゃがいも)
「減農薬をやり始めたのはたしか平成9年から。他の地区からは、出来ないと言われたんだ。初めは傷んで失敗もあった。でも、さきがけの10人がやりはじめ、出来ることを見せてくれたから、みんな出来ると思えたんだ。」

・佐々木さん(玉ねぎ。初代部会長?)
「減農薬の玉ねぎが出来た大きな理由は、人材が揃っていた。なんと言っても小中さん。訓子府はなんでも最初に取り組んだよ。消費地に期待すること?そうだね。産地でひょうが降ったら、「ひょうが降ったんだね」と分かってくれる消費地になってほしいな。ただの市場流通ではそうはいかないと思うから。」

・林さん(玉ねぎ)
「後継者がいるから責任がある。俺達はリレーだと思っているんだ。上から受け継いだものを、次へ受け継がなければいけない。農家には守るべきものが4つある。財産、土地、血筋、墓守。次へ受け継ぐのが俺達の責任だと思っている」

・斉藤さん(じゃがいも)
「私たちの部会は、自分たちで方針を決める。ルールを決める。自分たちで決めたルールだから、守る。選ばれる産地でありたい」

・林さん(玉ねぎ)
「農薬のカウント(散布回数)の少なさは本当に本当に厳しい。苦しい。でも、安全なものを届けたいんだ。安全なものを安定的な量で。これが大切だと思っているんだよ」


昨日、訓子府の産直じゃがいもの生産者2人(斉藤さん、得能さん)、産直玉ねぎの生産者6人(平田さん、太田さん、及川さん、山本さん、細川さん、須川さん)がわざわざ仙台に来てくれました。玉ねぎの平田部会長から、これからも末永くよろしくお願いします、と言っていただきました。
その言葉を聞いて、去年の7月、バーベキューの煙に包まれてみなさんから聞いたお話を思い出したのでした。

高い、安い。多い、少ない。今年のことだけでは語れない。来年もあるんだもの。そう平田さんはお話されました。ものの売り買い、やりとりだけでは、未来へは続かない。生産者のみなさんは、これからもずっと玉ねぎを、じゃがいもを作り続けていかれるのだと思います。リレーのバトン、しっかりつないでいきたいと思いました。
みなさん、ありがとうございました。

2010年11月23日火曜日

福島、トマトの旅 ~南郷トマトはとってもまいう~

福島県はとってもとっても広いのです。
北海道、岩手に次いで、日本で3番目に大きい県なのです。

今回、日程が厳しかったので、福島県内のトマトの産地を一度に2箇所回ったのですが・・・。
遠かった・・・。

朝8:30に福島市(地図上)を出発。
南会津南郷地区(左下)へ行き、そこからびゅーんといわき市(右下)へ。

南郷は毎年2~3mの積雪がある豪雪地帯。一方いわき市は、雪は年に1度降るかどうかだそうです。同じ福島県内なのに、こうも違うのです。
そんなこんなで、福島市へ戻ったのが、夜の7:30。総走行距離、600km。北海道でもないのに。
運転してくださった福島丸果の新関さん、佐藤さん、大変ありがとうございました。

福島県南会津町の南郷地区は、「南郷トマト」というブランドのトマトをつくっているのですが、実は福島県内ではあまり売られておらず、主に関東へ出荷されているそうです。東北の共同購入では、みやぎ、ふくしまでご案内しています。

南郷地区の特長である豪雪を利用して、「雪室」予冷で電気使用を抑えた予冷庫も持っています。
(画像はJA会津みなみのHPより)
標高が高く、高いところでは標高700mを超える畑もあります。お盆過ぎに一気に気温が下がり、一日の気温差が大きいので、高品質のおいしいトマトが出来ます。特に9月以降がおいしい。共同購入での扱いは毎年最もおいしくなる9月~10月の初めまで。

南郷トマトの凄いところは、選果の厳しさ。
1個1個を特殊な皿に載せ、光センサーで糖度や酸度を計測。まるで果物を選果しているようです。年間で数ヶ月のために、この施設は建てられました。品質向上には一切の妥協がありません。
(画像は以前のものです)
初めて訪問したときは、こんな山の中に、こんな凄い産地があったのか、と思ったほどです。

今年はさすがの南郷地区も暑すぎて、トマトのなりが少なく、大変な年でした。そんな中、優先的に共同購入に出していただきました。感謝感謝です。

新しく作ったというドレッシングを味見しました。
その名も「南会津のトマトたっぷりドレッシング」。
最高においしく、農協の売店でつい3つも買ってしまいました。
スパゲッティにかけてもいけそうです。また、今開発中の商品も味見をさせてもらいました。なんと、みどりのトマトのドレッシング。でも、これが抜群にうまい!
商品化が待ち遠しいです。

迎えてくれるこちらのみなさんはいつもとても穏やかで、環境の厳しさをすすんで語ることはありません。だから、凄いなぁと思うのです。
厳しさは、強さを育む。
ここのトマトを食べると、そしてここの皆さんとお会いすると、いつもそう思います。

まいう~の秘密、ここにあり、です。