2013年6月30日日曜日

自由研究を探しに

夏休みの自由研究のレクチャーを受けに、娘たちと仙台市科学館に行って来ました。

自由と言われると、かえって何をしようかって思ってしまいます。

僕は脇から「果物だったら何か教えてあげるよ」「野菜でもいいよ」って気を引こうとしましたが、あまりなびいてくれません。

今日は試しに、低学年のコースでは「ワラジムシ」の観察を、高学年のコースでは木炭を使った電池づくりを体験していました。

ワラジムシにはドン引きしていました。


彼女たち、これから何に興味を持つのでしょう。

自分はどうだったかなぁ。

少なくとも僕は、野菜や果物にはまっっっったく興味ありませんでしたね。残念ながら。


なんでもいいから、食事も忘れてしまうほど夢中になれるものを見つけて欲しいと思います。



2013年6月29日土曜日

銀山アスパラ三昧② ~おばあちゃんの味~

畑をいろいろと見せてもらって、西塚さんの家へ戻って来ました。

そしてよもや玄関の引き戸をガラッと開けて、まるで自宅のように片桐さんが家の中へ入って行きました。

ここは西塚家です。

おおう。。。

西塚さんに促されてお家へ上がると、家主のようにあぐらをかいて片桐さんが座っていました。
喉が渇いた!氷水が欲しいな!
そりゃあんだけ喋り続ければね。。。

山形市内はけっこう暑かったのですが、ここ銀山地区はとっても涼しい。
いつでも風が吹いているから、山形市内と比べると5℃位は違うそうです。納得です。

西塚さんが麦茶を入れてくれました。
片桐さんは「水でいいのに。。。悪いなぁ。。」と恐縮していました。
見た目の雰囲気とは裏腹な、遠慮深い片桐さんなのでした。


ちょっと休憩するんだと思っていました。

違いました。

ここからが本番だったのでした。


おつまみのような感じで最初に出されたのは。
アスパラのサラダと、アスパラのごま味噌和えでした。

サラダは梅のドレッシングで和えていました。

どちらもさっと茹でたアスパラに和えただけ。

う、うまっ!

アスパラと味噌って、合うなぁ。

突然のアスパラメニューに驚いていると。
山形の夏の味、「だし」。

それも、きゅうりのかわりに、アスパラを使った「だし」でした。

おいしい。。。

うなっている僕に、次から次へとやってくる。
アスパラのチヂミ。

これもうまい。

にらはにらでいいけれど、アスパラもいいな。
アスパラと牛肉の炒めたの。

アスパラを肉で巻いて揚げたの。

どちらもご飯に合う、なんとも悩ましい旨さです。

それにしてもアスパラの柔らかいこと。
どれも西塚家のおばあちゃんが考え、作ってくれていたのでした。

おばあちゃんはかなり有名人で、あの懐かしの食いしん坊バンザイから、最近はみのもんたのなんとかっていう番組にも出ているそうで、とにかく料理がすごい。

でも、今日のアスパラの極めつけはこれでした。
アスパラの味噌海苔巻き。

やっぱり、味噌とアスパラって合うなぁ。

そして、この海苔とのハーモニーですよ。
シンプルな中にも奥行きがあって。的な感じですよ。

止まりませんよ。

僕も。片桐さんも。

片桐さんは話も止まりません。
きざんだアスパラとなめこの汁物。

アスパラって何にでも合うんだなぁ。

おばあちゃんに直接聞くと、

若い人が朝から晩まで一生懸命作っているんだもの、なんとか無駄にしないで、おいしく食べて欲しいと思っていろいろ作ったんだよ。
無駄にしないで、全部食べて欲しい。頑張っているんだもの。

おばあちゃんの思いでした。

鮎ご飯。

香りがいい。

こんなのも出てきた。

カリカリしてほんのりあまくておやつみたいだ。

なんだと思うって聞かれても、3つ半食べても分からなかったなぁ。

最後の一口というところでヒントをもらってようやく分かりました。

そば粉を練ったのを揚げたものでした。

片桐さんは醤油をかけていて、娘に見られたら怒られるべなぁなんでも醤油かけてって、と言っていました。

うまいうまいって食べてたらまたサラダを持ってきてくれました。

料理はいかに簡単に作るか。

さっと作って食べられる。それが大事なんだよっておばあちゃんが教えてくれました。

ああそうだ。

このセリフ、美瑛の外山さんの奥さんもおんなじ事言ってた。


今日の最後に出されたのは、アスパラのデザートでした。
アスパラのフルーツサラダ。

アスパラを蜂蜜に浸けたものに、はっさくを和えて。
フルーツはなんでもいいそうです。
みかんの缶詰でも苺でも。


今回はどうしても写真を撮らせてもらえなかったおばあちゃんですが、次こそはと思っています。

だって、また来ると思うから。

その時はすみません、またご馳走になります。
大根についてもいろいろ教えてもらわなきゃないですからねふふふ。


野菜は、素材そのものをそのまま味わう果物と違って、食べ方、用途、使い方、切り方、煮方、季節の食材との組み合わせ、食べる時期と、いろんな要素が必要です。

特に今は、年がら年中、野菜は買えるし。

いつでも買えることが豊かなように見えて、実は必ずしもそうではない気がします。
肝心の「食べる時」が置き去りだと。

野菜の作り方とか品種とかももちろんとっても大切だけれど、実際にどうやって食べるかのほうが、実は生活者にとってはもっと大切。というか、切実。


今回の銀山では、そのどちらもを教えてもらったと思います。
そのまま、今の仕事に直結するなぁと思いました。


そういう意味で。

またご馳走になります。

すみませんあつかましくて。

とってもご馳走様でした。






銀山アスパラ三昧① ~水の恵み。そして通風採光~


山形県尾花沢市の銀山地区に、最高のアスパラがありました。

どうしてこんなに柔らかいのだろう。

根本まで柔らかい。

なんでこんなに甘いんだろう。

その理由のいくつかは、畑にありました。

いままであちこちでアスパラを見て来ましたが、そして今年も何箇所かアスパラの畑を見て来ましたが。

ここはひときわ違いました。

全然違いました。


ここは夏獲り、7月20日頃から収穫するアスパラ畑です。

違うでしょう?


まず、水。

今年の北海道は高温、干ばつで本当に大変でした。

アスパラが伸びきる前に穂が開いたり、生理障害でくねくね曲がっていたり。

高温、干ばつが原因だと産地で聞きました。

でも、ここ銀山では、どんな天候の時でも、水不足はありません。

「銀山」「鶴子ダム」からの雪解け水が豊富で、さらには先人が作った水路が隅々まで行き渡っているからです。

アスパラの状態を見て放水します。


さらには、風。

背後にそびえる奥羽山脈から吹き降ろす風が、暑い夏でも空気をこもらせることなく、いつでも大気を循環させています。

それが生む寒暖差が甘さにつながる。

アスパラの根本、綺麗でしょう?

とっても綺麗に管理されている。

以前見た、同じ立茎栽培の畑は何でもかんでも「生やし放題」でした。

これも風通しを良くする手間の一つ。


そして、太陽。

東から日が昇り西に沈むまでの時間がとっても長い。

それだけじゃなく、アスパラの根本を綺麗にして、出来るだけ畑で日光が当たるようにしています。
畝間も随分と広い。

決して環境だけに頼らない。


畑のすみに、パープルもありました。

趣味程度だけどねって言っていました。

でも、どれも太い太い。

アスパラの太い、細いは、茎に比例するって教えてもらいました。

そうか、出始めとか終わりとかではなく、そもそもの株の力にあるんですね。

西塚孝志さんと、
従兄弟の西塚和喜さん。僕と同い年です。

たった二人で、アスパラだけで12町もの大きな面積を作っています。


でも、ここの凄いのは、これだけじゃありませんでした。

本当に凄いのは、ここからでした。

おばあちゃんでした。


続く。

2013年6月28日金曜日

初物デンジャラス

果物担当の下田さんが持ってきてくれたのは、
樹熟のプラム。

獲ったあとに色づいたのではありません。

しっかりと樹上で色づき熟したプラムです。

かなりうまい。

じゅるうまです。

でも、意外と実はしっかりしています。

それも樹熟ゆえんだそうです。

年間で瞬間しか食べられないので、うっかりと食べ逃すところでした。

ごちそうさまでした。


午後には、JA鶴岡のなめこ部会のみなさんが来てくれました。

なんと、本日初出荷のアンデスメロンを持って。
こちらは食べごろを少し静かに待つことにします。

メロン担当のイケメンの顔が浮かびました。
栗田さんです。

ついでに浮かびました。
デンジャラスです。
ついでですみません。

朝の樹熟プラムではじまり、終わってみれば、デンジャラスでした。

いつものオチですみません。


初物に感謝です。

2013年6月26日水曜日

黄金生姜のつどい at ひまわり集会所


高知からはるばる坂田信夫商店の岩松さんと池澤さんが東松島のひまわり集会所に来てくれました。

今日は「黄金生姜」のつどいです。

みんな続々集まって来ました。
応急仮設住宅の真ん中にあるひまわり集会所は、生姜への期待が否が応でも高まります。

生姜は普段なかなか主役にはなりません。

でも欠かせない食材でもあります。

夏場の薬味として絶対不可欠ですが、最近では冬のあったか食材としての方がお馴染みかもしれません。

なめらかでかつ分かりやすく、時々お国言葉も出る岩松さん。
優しい語り口調にみんな感心しきりです。

太陽の方をむくひまわりのように、みんな岩松さんに熱視線です。

岩松さん、話の途中で掘りたての新生姜を取り出したりと、心憎い演出も織り交ぜながら。
へぇ!こんなに大きいの!

私にも見せて!

黄金生姜の新生姜、引っ張りだこでした。

参加してくれたみなさん、健康に大変関心のあるお年ごろのようで、「冷え防止・・・」「免疫・・・」「胃腸の消化・吸収能力を・・・」「解熱・・・」「血中コレステロール・・・」など、興味津々のようでした。

そして、次から次へと出てくる生姜を生かしたメニューの数々。
宮城のご当地麺、「白石うーめん」におろした黄金生姜をのせて。

高知ならではの「かつお生姜めし」。針生姜を加え、さらにピリリとおいしい。食欲が増します。

新生姜の佃煮。これが、かなりおいしい。

新生姜の浅漬。ガリだけじゃない新生姜。なかなかやります。

みんなに配っているのは、
ジンジャーシロップを炭酸水で割った、手作りジンジャーエール。
うまいっす。底に沈む薄切りの生姜がまたおいしい。

冬はお湯で割ってしょうが湯になります。

みんな生姜尽くしにご満悦です。

ひまわり集会所では手作りの素敵な小物を販売しています。
ここに来るたびに新商品が出来ていて、毎月来る僕もついつい買ってしまいます。
岩松さんも買っていってくれました。

なんとなく僕も嬉しくなっています。自分が作ったわけでもないのに。


今年は、一つ一つを丁寧に、大切に知っていこうと考えています。

それは、伝えるためです。

僕らが知らないことは、人には伝えられません。

畑も見たし、倉庫も見たし、選別の現場も見たし、こうやって、実際に「食べる」いろいろも知ったし。

基本が大切です。

一足飛びは僕には向かないようです。

岩松さん、池澤さん。

みんな、とっても喜んでくれましたよ。

ありがとうございました。






2013年6月25日火曜日

三線の花

6月23日は沖縄慰霊の日でした。

沖縄はずっと前に一度旅行で行ったことがあるっきりです。

でも今年、縁あって沖縄の方と知り合うことが出来ました。

それだけで、少し沖縄が近くなったような気がしました。

今まで慰霊の日についてはあまり分かりませんでした。


知らなければいけないことで、全然知らないことが、たくさんあります。

きっと震災もそうなっていくのかも知れません。


新聞で沖縄戦のことをじっくり読みました。

以前その方が、とても大切そうに「三線の花」を歌ってくれたのを、ふっと思い出しました。


喜びも悲しみも いつの日か唄えるなら
この島の土の中 秋に泣き冬に耐え
春に咲く 三線の花
(三線の花)

2013年6月24日月曜日

何が分かるっていうんだ?

何が分かるっていうんだ?


今年一番面白くないことがありました。

本当に嫌な気分です。

そして、そんなことに気持ちが乱れることが、さらに苛々します。

「気持ちの体力」の無駄遣いです。


あーいやだいやだ。

見たくないもの見ちゃったよ。


一生懸命やっている人を、その人がどんなに頑張っているかを、なんの事情も知らないでよく言ったもんだ。

自分が何かを言われる以上に腹が立つ。

やってみろって言ってやりたい。


でもまあ、きっとそういうもんなんだろう。

みんな無責任になるんだ。

みんな訳知り顔で。

安全地帯にいればいるほど。


でも、もしかしたら自分もそうなっているかもしれない。

そう思って、くさくさした気分をとりあえずしまうことにしました。

だって馬鹿らしいもの。

これ以上、自分を賢いと思っている人の評論に不愉快になっていることが。



さて。

今流行のツールを、ちょっとの間、横に置いておこうと決めました。




2013年6月23日日曜日

ナイアガラの下で

山形。

初夏の風が吹く中で、まだ小さなナイアガラが揺れていました。

娘たちはナイアガラの赤ちゃんだと喜んで写真を撮っていました。

お願いだから、今年はいい秋になってほしいです。

また娘たちと一緒にここに来て、みんなで出来秋を喜びたいなと思いました。


2013年6月19日水曜日

美瑛からの小包

美瑛から、小包が届きました。

一瞬にして、太陽の笑顔が浮かびました。

北の国からのおすそ分けです。

ありがとうございました。


2013年6月16日日曜日

はじめてのらっきょう漬け

自分がこんなに「らっきょう漬け」になるとは思ってもいませんでした。

だって、らっきょう、子供の頃からずっと嫌いでしたから。

でも、この間たくさん食べたし見たし聞いたし。

実際とっても美味しかったし。

個人的には、実際にらっきょうを漬けることでようやくらっきょうの入り口に立つ、という感じです。


さて、いよいよ鳥取いなばのらっきょうが届きました。

鳥取いなばの藪根さんから直々にいただいたレクチャー通りに、ちゃんと瓶を煮沸して、さらに熱湯に10秒きっかりらっきょうをくぐらせました。

一緒に買っていたとうがらしも試しにひとつ入れました。

食べられるまであと2週間。

でももっと待つともっと美味しくなるらしい。


空腹は最高の調味料、と聞いたことがありますが。

「待つ」ことも、かなり絶妙な調味料のような気がします。


楽しみだ。

あー楽しみだ。


2013年6月15日土曜日

北海道出張日記⑪ シャレオツな感じで。 ~佐川さん~

二日目の朝からずっと運転してくれたホクレンの佐川さん。

700km以上走ってくださいました。

かなりシャレオツな距離でしたね。

ありがとうございました。

ずっと一緒だとその人のいろんな面を知ることが出来て、それも出張の収獲でもあります。



あーもっと書きたい。

うーもっと書きたい。

忘れてしまわないように書いておきたい。。。

こんな真面目な佐川さんが。。。

意外だよなぁ。。。

ちょっとだけ、ちょっとだけ。


実は佐川さん、うまいこと言ってたんだよなぁ。


シャレオ。。。






。。。






。。。。。








でも、もったいないから、我慢しておきます。

シャレオツな感じで我慢します。


佐川さんをはじめ、いつもお世話になっているお取引先さんはみんな、僕達と産地をつないでくれる、とても重要な結節点です。

そのつなぎ方が、人それぞれなだけです。

個性は大切ですよね。


芦別からの帰り道、高速上でガソリンスタンドのあるサービスエリアを見つけ心から安堵する佐川さん。

高速なのに窓が開いているのはもちろんエアコンを止めているからです。


お世話になりました。

今年もいよいよ北海道のシーズンです。

よろしくお願いします。


北海道出張日記⑩ 14年ぶりのはじめまして ~芦別~

芦別。

14年ぶりです。

13年かもしれません。15年かもしれません。よく覚えていません。

ここ芦別には1週間ほど滞在したことがありました。

妻の親戚がここに住んでいて、1週間泊めてもらったことがあったのです。

芦別を拠点に、美瑛、富良野などを案内してもらったのでした。

ワイン工場や「北の国から」に出てきた富良野の喫茶店「北時計」に行ったりしました。

芦別はとても星が綺麗で「星の降る里」を標榜しています。とっておきの星がよく見える場所へも連れて行ってもらいました。

僕が世界一おいしいと思う「横市バター」の横市フロマージュへも連れて行ってもらいました。


今日は、その芦別のかぼちゃの畑へ来ました。

まさか仕事で来るとはなぁ。

また来るとはなぁ。

これも縁ですね。

お昼には道の駅で、以前は知らなくて他ではまったく聞いたことのない芦別だけの「ガタタンラーメン」を食べました。
「ガタタン(含多湯)」は、調べてみるとどうやら随分昔からここ芦別にあるスープなのだそうです。
これは「はじめまして」でした。
かなり熱うまでした。

道の駅の背後には巨大な観音様がありました。

待ち合わせまで時間があったので近寄ってみると、
すでに営業はしておらず、なんとも寂寞とした感じでした。

こんなに大きいのに(以前は世界一だったそう)、「はじめまして」でした。
前は気が付かなかったなぁ。あったはずなのになぁ。


さて気を取り直して今回の目的地へ向かいました。

ここのかぼちゃ畑もいやはや広大です。


昨日僕が降らした雨のおかげでいい具合に地面が湿っています。

今回の出張で「はじめまして」はここ芦別だけでした。

でも、僕がこの土地に縁がありさらには1週間いたことを伝えると、一気に距離が近くなったような気がしました。

そういうもんですよね。


それぞれの土地で、それぞれの考え方とやり方がある。

たくさんのこだわりを、さも当たり前のように教えてくれました。

そこまでやるのか、と思ったことがいくつもありました。

とても勉強になりました。


畑のむこうには、まるで空があるようです。