2012年2月29日水曜日

??? 奥が深いね。

質問には、「開かれた質問」と「閉ざされた質問」の2つがあるそうです。
これらは、心理学用語なのだそうです。

「開かれた質問」とは、答えの内容を相手に委ねる質問のこと。以下の4タイプがあるそうです。

・導入のための質問(どうして今日ここに来たの?)
・具体例を引き出す質問(具体的に教えてくれる?)
・経過を聞く質問(それでどうなったの?)
・感情を聞く質問(どんな風に感じた?)

「閉ざされた質問」とは、相手が「はい」「いいえ」など、一言で答えられるような質問のこと。

(カレーは好き?)(何歳?)(休みは土日?)という感じ。相手も簡単に答えられるし聞きたいことがピンポイントで聞ける反面、簡単に話が完結してしまいます。


どちらの質問がいい、とかダメというのではなく、どちらも使いようだそうです。

会話を膨らませるには「開かれた質問」が断然いい。
でも、初対面でほどほど互いに警戒心もあるような打ち解ける前には「閉ざされた質問」で会話のテンポを作って、「開かれた質問」を繰り出す、というのも良いようです。

僕は人と話をするのが好きで、初めての人とも案外気軽にお話できるのですが、こう言われればなるほど、無意識にそうしているなぁ、と思うところがあります。


仕事柄、頻繁に初めての人と会い、朝から晩まで一日車の中でずっと一緒、ということもザラにあります。僕自身はあまりないけれど、車の中での無言や、食事中会話が途切れる、という時はなんとも気詰まり。いや、それ以前に、仕事にならない。

提案文書には、エッセンスが書いてあるようで、実は大切なことは書かれていません。
メールもそう。電話だってそう。書きようがないのです。言いようがないのです。

本当に大切なことは、その背景にあるのです。
それはすぐには分からない。

それを知るためには、面と向かって相手の目を見て、間合いをはかり、とにかく話を聞く。質問をしながら聞く。聞く。聞く。

聞いた上で、こちらから色んな球を投げてみる。そうして、さらに間合いをはかる。近づく。おっ、ここまで言っても大丈夫か。ならこれならどうだ。なるほどそう来たか。ではでは。。。


でもまあ、そんな難しいことではなく、日常の会話って無意識にそんなことの繰り返しでしょう。
雑談も一緒。
話して楽しい人。ちょっと残念な人。

そんなところにも、理由はありそうです。

「開かれた質問」「閉ざされた質問」。

奥が深いね。
精進あるのみです。

2012年2月28日火曜日

ドラゴンフルーツ


ドラゴンフルーツ。

見た目は派手だけれど、甘みぼんやり、味も素っ気もない。
トロピカルフルーツは、どれも見た目はいいけれど大概残念な味のものが多く、この果物なんかまさにそれ。

初めて食べた時、どうしても、どうしても完食できませんでした。味がなくて。
「味が無い」って、まずいよりまずい。

ところがところが、そんなドラゴンフルーツでも、サラダにすると、これが意外や意外、けっこうイケる。

あっさりとしたドレッシングがよく合います。
主張のないぼんやりした甘みが、後からふわっとあらわれる。
ボイルしたエビのプリプリ感がずいぶん救っている。

おお、なかなかなかなか。
ついついお代りしてしまいました。

「サラダフルーツ」として、第2のアボカドを目指しているようですが、さて。

さして美味しくないものを、美味しく食べる。
味の無いものを無いなりに食べる。

そんな人の知恵と工夫にほほぉーと感心しつつも、なんでこれをそこまでして売ろうとしているのかなぁ、正直、わざわざ食べなくてもなぁ、とも思ったりして。

まぁ、3玉入手したので、みんなの反応を見てみますか。

いつものサラダを、一味変えて、って感じでしょうか。

たまにはこういうのもいいでしょう。たまには、ね。

2012年2月27日月曜日

はじめまして、僕は。

初めて会ったのに、ずっと前から知り合いだったような気がする。

そんな種類の出会いがあります。

今まで会ったことのある誰かに、単にどこか似ているだけなのかも知れません。

会う前に事前情報が入っていて、親近感を覚えていただけなのかも知れません。

会話の中で、興味関心、共感する部分が似ているからかも知れません。

自分に似ている部分があるのかも知れません。

でも、案外相手もそう思っているかも知れません。

距離感がわかる。
間合いがわかる。

そんな感じです。


年齢や経験、社会的地位や生きてきた環境が全く違う人達と沢山出会う毎日です。

先週末から、たくさんの人と会いました。
明日もきっとたくさんの人と会うことになると思います。

大切なのは、僕がしっかりあることだと思っています。
僕があって、出会いが成り立つと思うのです。

人と会う。

さりげないことだけれど、実は、この上なくスリリングなことなのです。


2012年2月26日日曜日

大漁旗のキーホルダー


南三陸町に2月25日オープンした復興名店街で見つけた、大漁旗で作ったキーホルダーです。
キーホルダーと一緒に同封されていたリーフレットには、次のようなメッセージがありました。


「大漁旗」は新しく船を造った際、大漁、豊漁を願って友人や漁師仲間から贈られる祝いの旗。
ですが、こちらのキーホルダーに使用されている「大漁旗」の船は津波で流失し、今はありません。

漁師の思い入れのある「大漁旗」で何か形を残せたら・・・
そんな思いから、この商品は生まれました。

南三陸町観光協会公式 みなみな屋


さっそく鍵をつけてみました。

いい感じです。





2012年2月25日土曜日

やさしい甘さ

久し振りに南三陸町に行きました。僕は9月10日以来です。

牡蠣の生産者遠藤さんから、またいろいろなお話を聞かせて頂きました。
生産者の皆さんが心を込めて作ってくださった温かい牡蠣鍋をいただきながら。

この海で出来る牡蠣には、「やさしい甘さ」があるということを教えてもらいました。

ここの湾は、海の流れが穏やかなこと。でも決して湾内に停滞し淀むことはないこと。
細い川がいくつも海へ流れていて、山からの多種多様な栄養が豊富に海へ流れていること。

この環境が、この牡蠣の味を作っているんです。
いろんな理由が、この牡蠣のコクというか、やさしい甘さを作っていると思います。

遠藤さんは、穏やかに丁寧に教えて下さいました。

牡蠣鍋、本当においしかったです。


今回も、とてもありがとうございました。

2012年2月22日水曜日


芽が出てふくらんで、花が咲いたら・・・。

この種は、ある果物の種。
育てると、観葉植物のパキラに似た見事な葉が茂る樹となり、いずれ立派な大木となります。
硬い殻に包まれており、発芽するまでに、けっこう時間がかかるようです。


みんな、自分の中に必ず種を持っているのだと思います。

その種がいつ芽を吹くか。

誰にも分かりません。

まわりの水やりも大切。
その水を吸収しようとする自分の努力はもっと大切。
そして、その水やりも、当たり前だと思ったら大間違い。そう思った時点でもうそれ以上吸収はできなくなるのだと思います。

厳しい寒さがあって、それを乗り越えて初めて、柔らかい芽が吹き、いずれ強い樹になれる。

僕が過ごしている今の季節は、逃げない強さを培っている真っ只中の季節。そう思っています。

まだまだ、芽吹くまでには鍛錬が足りません。

日々が頑張りどきです。


君よ 時代を駆け抜ける 明日の旅人たちよ
苦しみの中で 今 君の樹が育っているよ

五年の月日が流れ そして十年が過ぎて
小さな花に気づいたら 愛を知ってほしい
(明日の旅人)

2012年2月21日火曜日

なんともいいあじ

「月の味」って、どんなでしょう。

なんともいいあじ、なんだそうです。


子供たちにせがまれて、枕元で絵本を読んであげました。

今日は「お月さまってどんなあじ?」という本。


よる月を見ながら、「お月さまってどんなあじなんだろう?あまいのかな?しょっぱいのかな?」と思っていたどうぶつたちが、意を決して月に届きそうな高い山の頂上で月を食べようとする物語。カメの上にゾウがのって、ゾウの上にキリンがのって、キリンの上にシマウマがのって、シマウマの上に・・・。

いちばん上にのったネズミがパリッ!とかじった月は、「なんともいいあじ」だったそうです。

そして、どうぶつたちみんなで食べたお月さまのかけらは、みんながそれぞれ、いちばんすきなもののあじがしたのだそうです。


なんともいいあじ、って、なんともいいなぁ。

「おいしい」なんていう表現では全然足りない。
「あまい。すっぱい。しょっぱい。」そんなんじゃない。

もっとこう、じんわりとした、なんともいいかんじ。
高価とか安価とかそんな尺度じゃはかれない。
うまく言えません。

でも、確かにあるね。なんともいいあじ。

子供たちに聞いてみようと本を閉じて目をやると、すでにすっかり夢の中。

なんともいい夢を見ていてくれているといいなぁ。

2012年2月20日月曜日

だっちゃ。

全国各地出張に歩くと、その土地ならではの言葉に触れる機会が多くあります。

生産者のみなさんは基本的にかなりネイティブなので、時々何を言っているか分からない時があります。

なかでもスペシャルなのは青森。
同じ東北と思うなかれ。
分からない。人によっては、7割くらい分からない。

青森のある農協の組合長さんはかなりヘビーで、話している言葉が「しゅしゅしゅしゅしゅー」としか聞こえない。行くまではまさか、大げさなと思っていたのですが、本当でした。職員のみなさんも時々分からないそうです。これも本当の話です。


仙台弁は語尾に「ちゃ」をつけるので、出張先で方言の話題になると、(うる星やつらの)ラムちゃんみたいだね、と言われることがあります。でもそんな可愛いものではありません。少なくとも僕の周りでだっちゃだっちゃ言っている人たちは少しも可愛くはありません。

そんな「だっちゃ」が名前となったご当地ヒーローがいます。
その名も「未知ノ国守 ダッチャー」。

4歳の甥っ子がはまっていて、見せてもらったら、主題歌がかなりかなりかっこいい。



サビの、

ダッチャー んだっちゃだれ ダッチャー んだっちゃだれ
ダッチャー んだっちゃだれ ダッチャー

がすこぶるいい。

「んだっちゃだれ」は、そうに決まってるじゃん!というように、当然であることを意味します。
3回聞いたら、一日中「ダッチャー んだっちゃだれ」が頭から離れないこと請け合いです。

毎週土曜日26:30~、東日本放送で絶賛放映中です。
って、こんな時間に誰が見るのかなと思いますが。

でも、とても宮城愛溢れているなぁと思いました。


昨日(19日)は二十四節気の一つ「雨水」。
暦上では暖かさに雪や氷が解けて雨水として降り注ぐ日だそうですが、春はもうちょっと先のようです。

雪が解けたら、子供たちと一緒にゆっくりふるさと宮城を散策してみようと思います。
だっちゃだっちゃと口ずさみながら。

2012年2月19日日曜日

心ゆくまで。

我が家の果物ボックスに柑橘がいくつか転がっていたので、子供たちと食べ比べてみました。

ただ食べ比べるのは当たり前すぎるので、今日はちょっと趣向を凝らして、「お気に入り度」をメモすることにしました。

子供たち、いきなりノリノリでした。

用意した柑橘は7種類。

いよかん。はっさく。ネーブル。清見。はるか。せとか。グレープフルーツ。

5:すごくおいしい。4:おいしい。3:ふつう。2:あんまり。1:きらい。0:だいきらい。

9歳、6歳、37歳(僕)の3人で、こんな風に点をつけました。

結果はと言うと。

長女が作った採点表。
「曜」が「亻(にんべん)」になっているのはご愛嬌(しっかりしろ)。

全員満点の「せとか」が文句なしの1番人気でした。まあそうでしょう。

とても意外だったのは、2位の「はるか」。

次女は口に入れた瞬間感動して即座に「5」を書き入れていました。よっぽどおいしかったのでしょう、書いた5が消えるぐらいグリグリと花丸書くほど興奮していました。もう1個剥かされました。
「甘い感じがおいしい!」とのこと。

3位はネーブルでした。

僕がこよなく愛す「はっさく」は、4位。長女が5点、次女が1点という極端さ。一方、グレープフルーツは、長女が0点(涙)、次女が4点。0点が響きグレープは最下位。
姉妹でここまで好みが違うのも面白いもんです。

おかげで彼女たち、ずいぶん柑橘の名前を覚えていました。

おまけに皮むきの面白さにも目覚めたようで、夕食後もいよかんの皮むきをしていました。
必殺「ムッキーちゃん」の取り合いでけんかをしていました。あげく剥くだけ剥いて満腹になり残していました。やれやれ。

なんであれ、興味をもって、おいしく楽しく食べることはいいことです。

明日は長女のリクエストに応えて、はっさくを買って帰らなきゃです。いっぱい剥きたいのだそうです。
娘よ、心ゆくまで、剥くがいい。
父は心で小さくつぶやくのでした。

2012年2月18日土曜日

江上文旦

江戸時代の人たちが食べていた果物が、皇居の敷地内に植えられているそうです。

江上文旦(えがみぶんたん)は、今から3年前に天皇、皇后両陛下が皇居東御苑に植樹された、5つの柑橘の一つということでした。
この前佐世保に行った時にもらってきたのが1個残っていました。

この文旦は、徳川4代将軍の時代から長崎県佐世保の江上地区で作られてきた、歴史のある果物なのだそうで、今はあまり作られていません。
皮が「長崎ざぼん漬け」になります。僕はこのざぼん漬け、あまりに砂糖の味しかしないので、かなり苦手です。

でも、果肉はまあまあ美味しかった。
果肉はきれいなピンク色で、味はと言うと、ほんっっのり甘くて、ほんっっっっのり酸味がある感じ。
果汁がほとんどなく、さのう(粒々)がパラパラとほぐれる感じ。
皮を剥くだけなら楽しいのですが、そして眺めている分には綺麗なのですが、1玉がけっこう大きいので、食べ進むに連れ順当に飽きてきました。

そこで、食べきれなかった残りをマーマレードにしてみました。

皮が気絶するほど苦く(大げさ)、1回だけ茹でた皮をかじると、苦味でしばらく口の中がじーんとしびれていました(本当)。
さらに苦味を取るために、茹でては湯を捨て、茹でては湯を捨てを6回も繰り返しました。それでもけっこう苦かったね。

出来上がりは、ビシッと苦味のきいた、大人なマーマーレードという感じでした。

たぶん子供たちがこれを口にしたらたちまち泣き出すことでしょう。苦くて。
さらにはもう僕の作る一切を口にすることはなくなることでしょう。
信用なんて、簡単に失ってしまうものなのです。

まあ、今回は彼女らにはお薦めはしないでおこうと思います。


その土地に根付くものを大切に残すことと、消費者の需要に応えること(もしくは先取りすること)は、必ずしも一致しないもの。珍しいだけでは長続きはしないもの。でも、無くしてはいけないもの。

キングオブ淡白なこの伝統の果物を食べながら、そんなことを思いました。

難しいところですね。

2012年2月17日金曜日

ココニイルコト。


僕が見上げているのは、真っ青なバナナ。

はるか遠い国、ペルー。

今の仕事に就いてから1年とちょっとの頃、2007年6月に訪れた時の写真です。

赤道から少し南の強い陽射しをバナナの葉がさえぎると、そこは意外なほどひんやりとした場所になるのでした。


現地の人がバナナについて説明してくれている輪からはずれ、僕はいろんなことを考えていました。

自分が今ここにいること。

ココニイルコト。

その不思議。

そして、その理由。


五感で知覚するものすべてが初めてばかりの日々でした。

屋根のない土壁の家が多く並んでいたのは、年間の降水量が仙台の1週間分しかないから、だけではないようでした。
視界の端を素晴らしい速さで駆け抜ける青い動物は、野生のイグアナでした。
ペルーで最もポピュラーな飲み物、インカコーラ。もったいなくて、まだ我が家の冷蔵庫に1本残っています。
ぐるり360度、地平線までが、びっしり星空でした。


今年もアクティブに動いていこうと思っています。

あの頃の自分には負けてられないのです。

理由も目的も明快です。

僕のスポンジはまだまだ乾いています。

2012年2月16日木曜日

真心



今から5年前、長崎の坂道で見つけたハートの石畳。

あの時この場所に案内してくれた方と、久し振りにゆっくりとお話をすることが出来ました。

いつもまなざしがあたたかい方です。

親が子を見るようなまなざし。
人生の先輩としてのまなざし。
昔の自分を見るようなまなざし。

そしていつも、大切なことを、一歩引いたところから、かなりさりげなく教えてくれます。
それは、商品企画や眼の前にある作物の特徴などではなく。

もっともっと大切なことです。人として大切なことです。

視点とか、考え方とか。

「物事を見る時は、鳥の目と虫の目で見なさい。何でもそうです」

鳥の目と虫の目で物事を見てきて、何かを得てきたからこそ言える言葉なんだと思います。

そしてそこにあるのは、損とか得とか報いとか見返りなんていう次元から最も離れたところにあるもの。

ご本人はきっと控えめに「老婆心」なんていうのでしょうが。

きっとそれは、真心、なんだと思います。

僕は、また大切なことを教わった気がしたのでした。

2012年2月13日月曜日

ブラバン



少し前、高校のブラバン時代の友人と会いました。
彼はトランペット吹きでした。僕はチューバ吹きでした。

仕事が忙しくてたまらないはずなのに、久しぶりだからと、わざわざ時間をとってくれました。

数年前までは浮き草のような暮らしをしていた奴で、でもいろいろとそれなりに忙しい日々を送っていたけれど、その頃の僕には、なんだか真剣のベクトルがあさっての方向を向いているように見えて、なんとなく、もったいないなぁと感じていました。

今は仕事も変り、精神的にもかなりハードのようですが、浮き草時代に比べればずーっと生き生きしているように見えました。

だから、話も弾みました。

もちろん話題は、37歳の僕らの、今現在のことです。そう言えば今回は昔話なんてしなかったな。たぶん、昔話がまぶしくてしょうがない時は、今の話題に乏しい時なのかも知れないなぁなどと思いました。


20年前に高校3年生が目前だったブラバンの仲間たちは、今、男子も女子もみんな平等に37歳になっていて、結婚したり独身だったり子どもが生まれたり離婚したり再婚したり仕事を変えたりしています。

17,8の僕らには、37歳になる日が来るなんて1mmも想像していませんでした。
今僕が、20年後に57歳になっていることが全く想像できないように。

小学校でリコーダーのテストがあるらしく、あの頃同じ講堂でクラリネットを吹いていた僕の嫁さんが、あーでもないこーでもないと、9歳の娘に教えていました。6歳の娘は横で踊っていました。
彼女も平等に37歳ですが、この前久しぶりにあったブラバンの2年下のクラとホルンの後輩に「全然変わっていませんね!」と言われご機嫌なので助かっています。

でも考えてみれば、その後輩も35かぁ。同じ時の流れに乗ると、時間は止まるのだなぁと思いました。


小説「ブラバン」は、34人の登場人物が、全くバラバラの個性で、40歳になった今と高校生の頃が絡まりながらストーリーが進む、永遠の高校生が主人公の話。

友人と久しぶりに会ったこともあって、まるで自分たちの物語を読んでいるような気持ちになり、いろんなことを思い出したり考えたりしてしまいました。


これからも僕達は、こんな風に、あちこちぶつかりながら、不器用な高校生のまま未熟のまま、歩いて行くんだろうなぁと思いました。

全然明るくなくて、ハッピーエンドでもなくて、山も谷もなくて、爽やかさの欠片もなくて、切なく苦くやるせなくて、最高に愛すべき青春小説でした。

2012年2月11日土曜日

さくらの車窓から

熊本から博多に向かう新幹線はさくらでした。

久留米駅手前、窓から見える風景に見覚えがありました。


CMで見た風景でした。

地震のあとにたまたまYouTubeで見つけ、繰り返し見ていました。
震災とは何一つ関係ないのに、見るたび何故だか嬉しくなるCMでした。




今ではどこも、なんてことない風景でしたが、CMの中では喜びいっぱいの特別な風景です。

あれから11ヶ月です。

そろそろ博多駅に着きます。


2012年2月10日金曜日

ミクロの不思議


何の変哲もなさそうに見えるけれど、実は秘密があります。

デコポンが特別?

いやいや。

袋です。

この袋に入れておくと、このデコポン達は夏まで悠々持ちます。
極端に暑くなければ常温でも。
右の袋に入っている葉っぱ。これがずっとしおれないのです。不思議です。

この袋には、目に見えない小さな小さな穴がいくつも開いていて、収穫後も呼吸を続けるデコポンを、窒息させないようにでものびのび呼吸もさせないようにして、冬眠状態にさせるのだそうです。

右と左の袋は、ビニールの柔らかさが違うだけで、性能はいっしょ。

ちなみにこの袋、デコポン専用。
たとえば他のオレンジを入れてもだめなのです。
なぜなら、それぞれの果物で呼吸の量が違うから。

デコポンの呼吸に合わせて、ミクロの穴の数を決めているそうです。

その数は、、、企業秘密なのだそうです。
でも、その穴の数を知っていても、僕らの人生にはあまり直接の恩恵はないので、秘密のままでもよいですが。


人の体は気温が高くなると酸味のあるものを欲しがります。
でも夏の時期は桃、メロン、すいか、なしなど、甘いものがいっぱいで、柑橘類はない。

真夏のカーッと暑い時期にデコポン。
これはたぶん相当おいしいね。

食べる側の変化でおいしさ(おいしさの感じ方)が変わるって面白いです。
こんな時、僕達も動物なんだなぁと思います。
まあ、いつも動物っぽい人もいますが。身近に。いい意味で(←フォロー)。


そんな特殊な袋があっても、肝心なのはやっぱり果実そのもの。
なんでも日持ちするわけじゃありません。
袋だって万能じゃありません。
人が作ったものであって、魔法じゃありません。

それを忘れてはいけないのです。



2012年2月9日木曜日

さくら


いつまでも種を蒔いていられるわけじゃない。

畑を整地するようになることだってあるかもしれない。

今しか種は蒔けないんだよ。

そんなことを、教えられました。

佐世保の生垣さんは、いつも答えを言わない。

来るたびに、そんな謎かけがたくさん増えていきます。


しんとす駅。

さくらがホームへ入って来ました。

佐賀も雪です。

2012年2月8日水曜日

冬のハウスみかん


JAながさき西海。
ハウスみかんのハウス越し、すぐ近くに針尾送信所の無線塔が見えます。

冬にハウスみかん?

ハウスみかんといったら、普通はみかんのない初夏から夏にかけて出てくる高級果実のイメージです。
でも、今、ハウスみかん?みかん、まだ巷にあるのに。

今の時期みかけるのは、ほとんど「青島」という品種のみかん。
甘くておいしいのですが、11月、12月ころに出回るみかん(早生)とはちょっと食感が違う。内袋が厚く口に残る感じがあります。

今時期はそれしかないからあまり気になりませんが、今、時計を逆戻りさせて、11月12月ころのみかんを食べることが出来たら、きっとその違いに驚くはずです。

けれど、僕の時計では、時間を戻すことがちょっと難しい。
そもそも電池切れてるし。

でも、ここでは、その早生みかんを今食べることが出来るのです。
それも、いろいろ理由ありの。

うっっっ。
あっっっ。
うまい。

ああ、みかんってこの味だ、と思いました。

こないだまで、体の一部がオレンジ色になるんじゃないかしら?というくらいたくさん食べていたみかんなのに、今青島を食べ慣れている舌にとっては、このみかんがとてもとても新鮮でした。
もちろん青島には青島の良さもあるし、どちらもおいしいのですが、このおいしさは、食べれば分る。ああなるほどねって。

この冬のハウスみかんは、普通なら11月、12月に収穫するみかんを、そこでは収穫しないで、ハウスの中で樹にならせたまま越冬させます。より完熟するまで待つのです。

基本的に加温はしません。ハウスは霜や鳥害などから守るためのもの。
だから、ハウスみかんなんだけれど、花が咲く時期も、実が実る時期もみんな露地物といっしょ。ただ収穫時期が2ヶ月以上遅い。

だから、ただでさえおいしい早生のみかんが、もっとおいしくなる。

でも、これ、ただ長くならせているわけじゃない。
ただならせるだけだと、皮が浮いたり、水分が抜けたり、味がぼやけたりと、全然おいしくなくなる。

おいしい状態でこれから出荷出来るのには、いろいろなコツがあるのです。

よけいに長くならせている間に、あんなことしたり、こんなことしたりするのです。
なるほどねぇ。
でも、一番大切なことは、基本中の基本、つまり露地の早生みかんと同じ時期の基本的な作業なのだそうです。

そろそろ出荷の時期です。

ちょっとお高いけれど。
本当のみかん好きに食べて欲しい、そんなみかんです。



2012年2月7日火曜日

同窓会、商談室にて。

山形からの帰り道、わざわざ神戸の原田さんが仙台へ寄ってくれました。

事務所に着くなり、原田さんは携帯で、今別の部署にいる太田さんへ電話を入れていました。

太田さんは、私が今の農産の仕事に就く少し前まで、数十年と農産畑にいらした大大先輩(先輩と呼ぶのはちょっとおこがましいのですが)で、今でも大変お世話になっている方です。

原田さんとは旧知の仲で、今でも連絡を取り合っているそうです。
僕が段取りすべきところ、原田さんが直接太田さんへ電話していて、我ながら情けない。

どこへ行っても名前の挙がる人っているもので、原田さん、太田さん、山形の片桐さん、九州の本川さん、札幌の田中さんはあちこちで名前を耳にします。お二人はそんな存在の方々です。ちなみに青森のO笠原さんの名前も挙がりますが、名前の挙がる意味(ニュアンス)がちょっと違います。


商談室で久しぶりに向きあう二人。

なんと言いますか。

お二人の間に、不思議な空気感がありました。

同窓生のような。戦友のような。

すごいな、と思いました。

これが歴史を作ってきた方々の空気なんだろうなぁ。

今まで会議などでは太田さんと同席することはありましたが、商談室のような場所で社外の方を相手に同席することは初めてでした。ちょっと興奮しました。


僕は内外問わず、たくさんの諸先輩方に、先生に恵まれていると日々感じています。毎日感じています。

自分の成長と、その成長がいずれ誰かの役に立つことが、恩返しになると思っています。

と、頭では分かってはいるのですが。
そう思う都度、今の我が身を振返り、我ながら情けなくもなるのですが。

不束者ですが、これからもよろしくお願いいたします。

明日は長崎です。

2012年2月5日日曜日

ひだまりの果実


いよかん。

あたたかい色です。
なんとなく、ひだまりが似合います。

皮を剥くのが好きなので、ついついむいてしまいます。
でも、実が柔らかすぎて剥いているうちにぐちゃっとなるのはちょっとごめんです。


あるトレンド調査によると、今、果物で人気なのは「食べやすくて」「甘い」ものなのだそうです。

その調査では売れ筋&注目No.1の果物は、「シャインマスカット」という緑皮のぶどう。
「皮ごと食べられて」「種がなく」「おいしい」がその理由。かなりお高いけどね。

2位には「せとか」が入りました。5位が「不知火(デコポン)」。7位「ゆら早生」。10位「肥のあかり」。ゆら早生と肥のあかりは、どちらも極早生みかん。

昔からあるけれど、平核なし柿(庄内柿やおけさ柿の品種)も13位急上昇だそうです。今まで何位か知りませんが。


「食べやすさ」には程遠い、いよかん。
たぶん、圏外なんだろうなぁ。。。
味はいいのになぁ。。。

僕の皮むきの友、その名も「ムッキーちゃん」。

1個350円。いよかん4個とほぼ同じ価格です。
去年、紀ノ川農協で手に入れました。
これで皮むきが一層楽しくなりました。
でもこれ、皮に切れ目を入れるだけで、結局は手で剥くのですが。


剥いたいよかんを、窓際のひだまりに置いてみました。

なんとなく、在りし日の祖母を思い出しました。

そこはかとない哀愁を感じるのは、僕だけでしょうか。


2012年2月4日土曜日

でも、1個300円は、どうでしょうか。


去年仙台駅の近くに出来た「アンパンマンミュージアム」。

買い物スペースや飲食コーナーは入場料もかからないし、おまけにショーも見られるし、小さい子供がいてアンパンマンに親しんだことがあれば、なかなか大人も楽しめる施設でした。


敷地内にジャムおじさんのパン工場(パン屋)があったので行ってみました。

ジャムおじさん仕込みだけあって、本場の顔たちがたくさん置いてありました。

さすがによく出来ていますが、なんとなんと、どれも1個300円。
4人でそれぞれ1つずつ選んだので、しめて1200円也。

・・・。

僕の選んだメロンパンナちゃんは、まあ、おいしかった。まあ普通に。

でも、1200円はちょっとあんまりじゃないのと思いました。
「夢」につけこみ過ぎでしょ、とどこかで感じていました。

ジャムおじさん、あんなに良い人そうなのに、案外したたかだなと思いましたね。
こんなジャムおじさんはイヤだ
普段は見せない、シビアな経営者の一面を垣間見た気がしました。

後で考えてみると、300円がどうというより、(あくまで僕にとって)300円の満足感がなかったのが残念だったんだろうなと思いました。

でも、子ども達が喜んでいたので(そりゃ喜ぶよ)、まあいいですが。

リアルなジャムおじさんのパン工場で、リアルなメロンパンナちゃんをアンパンマンをカレーパンマンをクリームパンダちゃんを買う、ということが一つのイベントであって、パンの値段ではないのだな、と納得することにしました。

でも、それにしたって、ねぇ。

今さらですが、値段って、難しいですね。

2012年2月3日金曜日

ありがとうの傷跡

下の娘と風呂に入っていた時のこと。

手術痕の話しから、彼女が生まれた時の話になりました。

彼女は生まれてすぐに大きな手術をして一命を取り留めました。
僕自身も同じ状態で生まれたので、1才の頃に同じ手術をしていて、傷跡が残っています。
今では医療技術も格段に進歩しているので、彼女の傷跡は僕よりも小さい。でも残ってはいます。

不安いっぱいの母親を産婦人科に残し、救急車で生まれたばかりで目も開いていない娘を抱え、別の病院まで移動したこと。
3人の先生に巡り会い、命を救われたこと。

いい先生と出会って助けられ、たくさんの人に支えられて、今こうして元気にしていられるんだよ。
だからあなたのその手術の痕は、ありがとうの痕なんだよ、と話しました。
僕自身のことを重ねて。

すると娘。

あたしもいつもありがとうっておもっているよ!
だって、ありがとうっておもうと、あかるいきもちになれるから。

親が思っている以上に、子どもは成長しているんだなぁ、わかっているんだなぁ、と思いました。

僕がたくさん聞かされたように、彼女にも、彼女が覚えていないことをこれからゆっくり伝えていきたいと思います。

芯まで温まったのは、いつもより長かった風呂のせいだけではなかったようです。

外は厳しい氷点下。
でも、とても暖かい夜になりました。

2012年2月2日木曜日

また会う理由

いろんな話をしようと。

最近思っていることを話してみようとか。

愚痴、ありそうだからほじくってみようとか。

逆になんかほじくられるのも、それはそれで楽しみだとか。

この前の出張の話をしてみようとか。

誰にも言っていない話を、とっておきの顔で、少し声をひそめて、もったいぶって話そうとか。

昔話に、本当より少しきれいな花を咲かそうとか。

久しぶりに会うからにはと、そんな、いろんな話をしようと思って。

いざ話そうとすると、そんなあれやこれやを、ぽっかりと忘れてしまうものです。

えてして別れた後に思い出したりして。

でも、それがまた会う理由にもなるので、まぁ、良しとしますか。