2012年9月30日日曜日

ころんだら、起きればよい。


台風17号がそこまで来ています。
中秋の名月も、まさに風前の灯です。


先週福岡空港へ向かう飛行機の中で、ずいぶん久しぶりに読んだ本の中に、アシックスの新聞広告が引用されていました。

かなりの長文広告なのにぐんぐん入ってきて、読み終えた時にはなんだか猛烈に感動してしまい、繰り返し繰り返し読んでしまいました。

この本、この文、前に読んだことあるはずなのに、です。

アシックスの創業者、鬼塚喜八郎さんが亡くなったときのアシックスの新聞広告です。

ころんだら、起きればよい。
鬼塚喜八郎 「失敗の履歴書」

こんなタイトルでした。


感動とは、感情が動くということでしょう。

感情が動くときは、自分が感じやすいときなのだと思います。

そんなときってあるでしょう。

だから、同じ話を聞いても、時によって、心動かないときもある。かつて読んだ本を読んでも泣きそうになるときもある。芯まで染みる歌もある。

僕は、そのときの心のありかたを、大切にしたいと思うのです。


果たして、普段なら明るすぎるほどの中秋の名月は、あっという間に雲に隠されて見えなくなりました。

2012年9月29日土曜日

通風採光(つうふうさいこう)

「恥ずかしいことではない。聞かないことがもっと恥ずかしいことだ」

今回、いくつもラ・フランス畑をまわり、何人もの名人とお会いし、つくづく、そう思いました。


今日お会いした、山形県東根市神町のラ・フランス生産者、鈴木拓矢さん。

ギフトや通常企画で今年からお世話になる方です。

鈴木さんが作る果物は、どれも一級品だそうです。

案内してくれた方は、鈴木さんは本当に植物の生理を勉強している。どの果物も作り方が違うのに、みんな美味しく出来るのは、そういうところなんだろうなぁと言っていました。


今年ラ・フランスは不作です。

いろんな理由がありますが、道すがら見たラ・フランス畑の中には、本当に痛々しい(つまり実のなっていない)樹がたくさんありました。
それも、押しなべてみんな小さい。

でも、鈴木さんの畑は、たわわに実っていました。
大きな実もたくさんありました。


「通風採光(つうふうさいこう)」。

鈴木さんから教えていただいた言葉です。


風通しを良くすることで、病気を防ぐ事にもなる。

日当たりを良くすることは何より大切。特にラ・フランスは日当たりが必要な果物で、日照が元気な花芽を作るのだそうです。

元気な花芽が、次の年の実を作る。


こんな不作の年にこそ違いが表れると、いくつも畑を回ることで目で見て分かりました。


でも、分かったとしても、それはほんの触りの、ほんの一部です。

分かったつもりになったら、それでおしまいです。


「恥ずかしいことではない。聞かないことがもっと恥ずかしいことだ」

原田さんがくれた言葉です。

同じように見えて、みんな違う。作り方も、セオリーも、考え方も。


まだまだです。

ありがとうございました。

2012年9月28日金曜日

バスに乗り遅れて

バスに乗り遅れてしまったので、ちょっと寄り道をすることにしました。

あるもんですね。

思いがけない出会い。


たまたま隣の席にいた方は、宮城県内にここ数年住んでいる人ならきっとみんな知っている、とても有名な気象予報士の方でした。

今年のぶどうの話から梨の不作の話、そしてその方のおじさんが作るトマトが絶品な話、今の農業の話。

その流れで、お天気の話にもなりました。


その方は、今年の冬は寒くなるよ、と言っていました。

おおおぅ、と思いきや、すかさず僕の逆隣にいるお客さんから、いやいやいやいや、どうかなぁ~だってさぁー、とにぎやかなヤジが。

どうやら夏前に、今年の夏は冷夏になる、と予測していたのだそうです。

冷夏ですか。。

ご本人も照れ笑い。

いつも必ず天気図は見ているんだけれど、最近は前ほどじっくり見られなくなったなぁと笑いながらこぼしていました。


ちょっとだけの寄り道が、すっかり意気投合。

またお天気のお話や、世の中のお話聞かせて下さい。


たまには、日常に乗り遅れてみるのもいいものです。


ありがとうございました。

2012年9月27日木曜日


新しくなった東京駅。

今日も何人も初めての人に会いました。


お電話ではずっと話していたのに、初めて会うってなかなかスリリングです。いろいろ緊張します。

先様もそうでしょうね。


声はまだ表情があるからいい。

メールはよく分からない。感情のひだは読めない。

以前上司にメールで感情は伝えない方がいい、とアドバイスを貰ったことがあります。

それ、よく分かります。


その声の持ち主は、想像していた通り爽やかで、想像していた以上にしっかりした芯を持っている方だなぁという印象でした。

会うって大切です。

みなさん、これからもよろしくお願いします。



2012年9月26日水曜日

小さくなる理由

長崎県佐世保。

極早生のみかんが、今日から収穫開始です。

今年はちょっと小さい。

時期によってはけっこう小さいかも。

でも、味はいい。


小玉になる理由はいくつもあります。

例えば今年なら。

梅雨明けが10日も遅れたこと。
梅雨明け後から8月のお盆まで、ずっと続いた高温が続いたこと。
同じく熱帯夜も続き、夜もみかんたちが休まる時がなかったこと。

ちなみに、天候以外でみかんが小玉になるとしたら、摘果(まだ小さいうちにみかんを摘むこと)の不足。

摘果をしきれないと、その年は小玉になる上、次の年にみかんがガクンと減ってしまう要因にもなってしまうのです。
なり数が多くなればなるほど、果実は小さくなります。なんでもです。



でも、ここJAながさき西海は、その「摘果」を、かなりしっかりやっています。

そんな産地でも小玉になってしまうのですから、今年はちょっとかなり大変な年です。

小玉になるということは、量(重さ・t)が減るということです。
箱に入る個数が増えるということ。そして、箱数が減るということ。

みかんそのもの(個数)は、去年より実っています。
でも出荷は重量。みかんの個数ではありません。

だから、多く実っていても出荷量が減ることもあるのです。


異常気象が通常気象だ、なんてここ数年言われますが、むしろ通常も異常もない、予測不能気象です。


そんな中で、なんとか今年も実ったみかんたち。


ほんと、美味しいです。


2012年9月23日日曜日

あこがれのこもちめんよう

いつか会いたいと願い憧れていたものに実際に出会うことって、なかなかありません。

それが叶った時は、それだけでうれしい。

677日ぶり(!)にお会いしたいしけんさんが、士別の菓子工房「美吉屋」さんの店主さんにわざわざ取置してくれていたのでした。

あこがれの「こもちめんよう」です。

足を揃え控えめに立つ姿からは、優しさと北の大地で育った雄々しさが見えます。
士別特産の羊「サフォーク種」です。

もなかの中に餅が入っていて、それぞれの相性が抜群でした。

あーおいしい!と思ったら、全国菓子博覧会名誉大賞を受賞されたことがあるそうな。
納得です。

さらに、
念願のじゃがいもパンです。

これは、いくつでもいけます。
パンの中にじゃがいもがごろんと入っています。

じゃがいもって美味しいんだなぁと改めて実感しました。

オニオンパンもおいしかった。
玉ねぎのシャキシャキ感が今までにないおいしさでした。


わざわざ店主の延青(のぶきよ)さんが出てきて挨拶してくださいました。
もちろんはじめましてでしたが、初めてあった気のしない柔らかな雰囲気の方でした。
二重に嬉しい。


いしけんさんには去年の地震のあとたくさんの励ましをいただいていたので、ご挨拶だけでも出来たらと思っていたらなんとなんとのこもちめんようでした。

前に仙台で百合根を買った日から、677日。(←いしけんさんが数えてくれました)
そんなに経っていたのか!ととても意外でした。


距離や時間を感じないことが、ときどきあります。

素敵な「ときどき」をありがとうございました。

またぜひよろしくお願いします!

2012年9月22日土曜日

東川行き

伝えたいことがあって、北海道東川に来ました。


僕が伝えたいことがあるように、きっと、僕へ伝えたいこともたくさんあるだろうと、思ったのです。

そしてそれはまさに今のタイミングだろうと。


口に出さないと、思っていることは発酵してしまうこともあるんじゃないだろうか。

そんな気がするのです。


今年、もう一度来ます。

何度でも来ようと思います。


ここ東川には、訪れる理由がたくさんあるのです。

ずっとずっと、続いてきたのです。

きっとこれからも、続いていくのです。

2012年9月21日金曜日

出来秋の訓子府(くんねっぷ)


JAきたみらい、訓子府町のじゃがいも生産者、得能(とくのう)さん。

産直じゃがいもの部会長さんです。

いつもこの笑顔であたたかく迎えてくれます。

そして、毎年仙台にも来てくれます。

今年から新しく部会長になった得能さん、カメラを向けると「慣れてないからね~」。
写真は人柄も写すんだなぁと思いました。

得能さん、じゃがいもの収穫真っ最中でした。
丁寧に鉄のコンテナへじゃがいもを入れていました。

見事なもんです。

今収穫していた芋は「こなふぶき」というでんぷん用の品種。
その名の通り、かなりのでんぷんっぷりだそうですが、食べたら美味しいんだよとのこと。

なんと北海道で一番多く作られている品種だそうな。「男爵」は2番目なのだそうです。へぇ。


ここ数年の中では、じゃがいもも、玉ねぎも順調なようで安心しました。
収穫を待つ玉ねぎたち。

まあ、普段暮らしているみんなは、じゃがいもや玉ねぎが不作かどうかなんて、あまり意識しないかもしれませんが。最近はけっこう大変なんです。実は。


今年も11月に、JAきたみらいのじゃがいも生産者、玉ねぎ生産者のみなさんで来てくれることになりました。

もうしばらく来てくれないんじゃないかなと思っていたので、とても嬉しいです。

全力でお迎えしたいと思います。

今年もよろしくお願いします。

2012年9月20日木曜日

北緯44度の白い貴婦人

白いとうもろこしは、今までもありました。

でも、収穫期間が短いとかなんとか、いろんな問題があり、扱うにはちょっと大変でした。

正直あまりいい思い出がありません。

でも、おいしいのです。

そう思っていたら。


北緯44度の大地、名寄で、超期待の新品種に出会ったのでした。

その名も「ホワイトレディ」。
白い貴婦人です。

今まで知っていたホワイトに比べたら、味もくどくなく、でもしっかり甘い。

食感は、なんといいますか、とっても軽い感じ。

粒立ちもきれい。


よくホワイトは「生でも食べられる」と言われますが、「確かに食べられる」だけであって、やっぱり火を通したほうが断然おいしい。

このホワイトレディは食感が軽くあっさりしているから、生でもイケます。

でもおいしいのは火を通した方ですけれど。


ここ、名寄はとうもろこしの出来るほぼ北限。

ぎりぎりの環境で育ったものは、おいしい。

さらには収穫時間は朝8時までと決まっていて、涼しい時にしか収穫しないから甘さが逃げない。

おいしいのは、品種、だけじゃないのかも。


「JA道北なよろ ホワイトレディ」。


待っているだけでは、出逢えないことがあります。

それは、とうもろこしも、人も、同じです。

片想い


北海道美深(びふか)。

僕の大好きなかぼちゃ、「あまほく」の畑です。

2年ぶりに来てみて、いろんなことが分かりました。


日常には、そしてお付き合いには、いろんな片想いがあります。

もしかしたら、日常は基本的に片想いの連続の中で、どうしたらそのお互いの片想いを近づけることが出来るか、そのためにコミュニケーションをはかっているのかもしれません。

そして、そのコミュニケーションを怠れば、想いは大概行き違うのでしょう。

時に、歯噛みするのです。


まずは話を聞くことです。

じっくりと。

分かっていると思っている人とこそ。


このかぼちゃは、品種はあまほくなのですが、「りょうおもい」という名前で流通されています。

収穫してからじっくり寝かせた頃に、最高においしいかぼちゃになります。

もうすぐです。

2012年9月17日月曜日

笑みがこぼれるとき


産直センターふくしまのピオーネと、


豊水です。


僕が和歌山へ行っている一方で、産直センターふくしまのツアーが今年も開催され、多くの方が産地を訪れてくれました。

当日は僕の仲間たちが一生懸命対応してくれたようで、寄せられたアンケートは、よかったおいしかった大満足ですまた来ますがんばって応援しますといった、うれしいうれしい声で溢れていました。

写真は、みんながおみやげに持って返ってきてくれた産直の果物たち。


本当においしい果物は、なんともだらしないほど、笑みがこぼれてしまいます。

なんなんでしょうね。

たぶん、当日の参加者も、みんな似たような表情だったのでしょう。
僕ほどだらしなくはないでしょうが。

産地のみなさん、参加してくれたみなさん、対応してくれたみんな、ありがとうございました。

2012年9月16日日曜日

走れ!


幼稚園に通う甥っ子の初めての運動会。

9月半ばだというのに30℃超え。ふう。

ビデオ失敗したら(一生言われる)・・・と思うと緊張して、3回もトイレ行きましたよと笑う義弟(甥っ子のお父さん)。

我が家の娘の運動会にはいつも来てくれた彼ですが、自分の子どもの運動会は今回が初めて。

よーく分かるよその気持ち。


子ども達は惜しげも無く僕達に元気をくれます。

一生懸命は眩しいです。

子どもも親も、みんな一生懸命です。

スタートの合図です。


みんながんばれ!

2012年9月15日土曜日

soramado

伊丹空港から仙台空港へ向かう飛行機の中。

久し振りに窓際の席に座りました。
東側の席です。

雲間に富士山が見えました。

虹が見えました。
煙っているように見えるのは、多分雨でしょう。

雨が降っているところにだけ、虹が見えました。

東の空へ向かって光?影?しゅーっと伸びていました。
雲の隙間をぬって、西日がさしているようです。

眼下に見えるのは、猪苗代湖。
こんなに大きいとは思わなかった。
窓に収まりきりません。

猪苗代湖は日本で4番目に大きい湖です。
ここから始まる川は、日本海と太平洋の両方に流れています。


初めて飛行機に乗った時のように、なんとなく、ずっと窓の外を見ていました。

2012年9月14日金曜日

産直提携協議会 in 紀ノ川農協 ~繋ぐ~

和歌山県紀ノ川農協には、「産直ジュニア」という言葉があります。

紀ノ川農協は1976年に発足、35年以上の産直の歴史があります。
紀ノ川農協を立ちあげた方々の次の世代が、今主力になってきています。

その世代が「産直ジュニア」。

キウイ部会長の吉岡さんもその一人。

今年もみんなで吉岡さんの畑を訪問しました。
今年は10才になる息子さん、辰樹くんも僕らを迎えてくれました。

僕じゃなくて果物を撮りなよ、と照れながらぶっきらぼうな返事をする辰樹くん。
いかにも10才という感じで、とってもいい。
親子並んでもらってカメラを向けても、左上を見るあたりが、やっぱりいかにも。

彼に、ちょっと聞いてみました。


お父さんの手伝いするの?

しない!

えぇっ?!

将来やるよ!

おおおぉっ!!!


吉岡さんに聞くと、キウイの選果を手伝ってくれているそうです。
目利きは・・・どうかな、と笑うお父さん。

でもやっぱり嬉しそうでした。


柿も作っているけれど、実ははっさくの部会長の岡さん。

彼も産直ジュニア。

僕が柑橘ではっさくが一番好きなんですというと、すっと右手を差し出してきました。

彼もはっさくが大好きなのだそうです。


あの『チラ苦い』のがいいねぇ。

『チラ苦い』?

そう、チラッと苦い感じ。

あぁ~分かる分かる。その感じ。


同い年ということも分かり、一気に意気投合です。


元祖産直世代と、産直ジュニア世代。

作る側はしっかりつながっています。


じゃあ、食べる側は?

旬を知らない。
皮をむくのが面倒。
スイーツのほうがいい。

いろいろあるでしょうが。

食べる側も、つないでいかないといけません。みんなで。
いろんなものを失わないために。

中谷早生柿。

おいしい。


まだまだ暑い日は続きますが、夜の空や虫の声に、チラッと秋も見え隠れしています。

チラ秋です。


紀ノ川農協のみなさん、ありがとうございました。

2012年9月12日水曜日

つくるひと


本しめじの炭焼き。


食べ物を作る人が一番えらい。

誰かのお母さんが言っていた言葉です。誰だか忘れました。

僕もそう思います。

今食卓にのぼる全部を作ろうと思ったらそれはよく分かります。


そして、それら素材をより美味しく供してくれる人もまた、やっぱりえらい。
これまた、自分じゃ出来ませんから。


素材を渡すと、プレッシャーだなとニヒルに口の端で笑いながら、なんやかんや色々考えてくれる店があります。

その表情はまるで挑戦状を受けたようです。

そして出てきた料理は、どれも抜群。まじで。

喜ぶ僕らを、どやどやと気持ち小鼻膨らましかげんで見る店長。

えー2品だけなのーと言ってみると。

うるせーから作ってやったよと、もう一品。

またどや顔。


爽やかに悔しい感じで、それもいいもんです。


ごちそうさまでした。

2012年9月10日月曜日

原田大学


僕がぐずぐずしているものだから、わざわざ神戸から原田さんが来てくれました。

原田さんと話しをしていて、いつもいつも思うことがあります。それは、山形の片桐さんや、多くの諸先輩方と話していても同じように感じます。

思いを受け止め、期待に応えられるように頑張りたいと思います。

今日はかなりかなりかなり珍しいリンゴを持って来てくれました。

日本にたった60ケースしか入って来ていないという、貴重なリンゴです。
ニュージーランド産。

いつでも新しいこと。
常に遊びゴコロ。

原田さんはまるごとアンチエイジングです。


僕はとても恵まれています。

ありがとうございました。


2012年9月9日日曜日

HASSAKU BOY (はっさくボーイ)

箱を開けるとそこには。

行儀よくおさまったHASSAKU BOY(はっさくボーイ)達が、こちらを見上げているではありませんか。


はっさく発祥の地、因島のはっさくゼリー。

普段からとてもお世話になっている方からの戴き物です。

とってもおいしいゼリーなんだけど、箱の絵が最高にシュールなの!と興奮気味に言うので、最高にシュールってどんなかなと、自分の知っているシュールな絵を頭に描いていたのですが、そんなほいほい描けるような、生半可なシュールさではありませんでした。

たぶん、これを目の前にしたら、大抵の人は何かを思うでしょう。

でも、何を思えばいいのか、よく分からない感じでもあります。

2秒くらい、時間も止まってしまうかも知れません。

気持ちの底のほうが、ちょっと不安になるような、少し落ち着かなくなるような感じです。

箱のなかには、彼のシールも入っていました。


シール集めが大好きな我が家の9才と7才の娘たちは、彼をシール帳に貼ってくれるのでしょうか。

彼女の友達たちは、それ交換して!と言ってくるのでしょうか。


ゼリーの味?

いやこれが、最高においしい。

ちょっと苦味のあるはっさくが食べやすい大きさにカットされていて、少し固めの、寒天に近いような食感のゼリーも上品な甘さで、実においしい。


僕は無類のはっさく好きなので最高に嬉しかったのですが、後味が苦かったのは、はっさくのせいだけではなかったような気がします。

ちょっと角度を変えて見ると、彼、はっさくボーイは、そこはかとなく微笑んでいるようにも見えて、やっぱりシュールです。


ごちそうさまでした。

2012年9月8日土曜日

セレベスの小径


縄文時代に中国から伝わったイネ(米)よりも昔から、日本に伝えられ作られている野菜があります。

里芋です。

原産地は東南アジア。亜熱帯から熱帯にかけて育つ植物です。

日本では、山野で自生する自然薯を「山芋」と呼び、里で栽培されるこの芋を「里芋」と呼ぶようになったそうです。

イネが登場するまでは、ずっと主食だった里芋。
さつまいもがやってくる江戸時代までは、芋といったら里芋。

中秋の名月にはお月見をする風習がありますが、そこにお供えされる月見だんごももともとは里芋だったそうな。今でも里芋をお供えする地域はあるようで、「芋名月」と呼ばれるゆえんです。お月見は収穫を祝う行事です。

そう言えば、正月には餅を食べますが、里芋も欠かせません。

昔から、日本人は里芋には特別な思いがあったようです。
主食の里芋にと言うより、食べ物に、その食べ物を育ててくれるいろいろに感謝、ということなのでしょう。


写真は宮崎県都城市、セレベスの畑です。
すぐ近くに、収穫中の石川早生、まだちょっと先の土垂も植わっていました。

今年は雨が多過ぎて困った、と、全く雨の降らない東北とは真逆の悩みを、産地の方は話していました。東北ではみんな雨乞いしているよと言ったら大層驚いていました。


中秋の名月、今年は9月30日(日)。


セレベスの畝間は小径となって、ずっと先まで続いていました。

2012年9月7日金曜日

陽は西から昇る


一度沈んだ太陽でしたが、離陸した飛行機が高度を上げていくに連れ、もう一度姿を現しはじめました。

まるで陽が西から昇ってきたようでした。

まだまだ沈んじゃいないのです。


明日は新燃岳を望む町へ行きます。


そしてまた陽は西から昇る 誰にも気付かれぬように
(陽は西から昇る)

2012年9月4日火曜日

片桐学校


もうラ・フランス?

いえ、中身は「オーロラ」という洋なしです。

山形の片桐さんのもとへ行った際、ラ・フランスのパッケージイメージとして準備してくれていました。

ここ数年、ラ・フランスは品質との戦いで、とても扱いが難しく、いろいろとしんどい果物でした。
正直なところ、積極的な扱いはしたくない、とまで思っていました。

そんな相談を片桐さんにしたところ、ニコニコ?渋々?生き生き?嫌々?ながら、どわーっといろんなことを教えてくれました。

そして、今日最後に片桐さんに、山形県人として「積極的な扱いはしたくない」と言われたら、こんなに哀しいことはないよ、と言われました。


諦める前にすることはまだまだあるということ。

自分のふるさとに誇りを持つということ。


いつもいろんなことを教えていただいています。ありがたいことです。

9月末にまた行きます。

今年は新しいことが出来そうです。

2012年9月2日日曜日

青空雨



福島県郡山市。

空は青いのに、パラパラときにバタバタと雨が落ちてきました。


気づくと、言い訳の上塗りをしているということがあります。

慣れたり分かってきたりする頃に、たぶん陥るような気がします。


それに気がついたら、動くしかないのでしょう。


雨が止むまで車でじっとしていようとも思いましたが、ずっと待ってもいられません。

少し濡れるだけですから。

濡れるだけで済むうちに、えいやっと外に出ようと思いました。


青空が見えています。

2012年9月1日土曜日

マイクロトマト


大塩仮設住宅の方が自宅の玄関脇に置いたプランターで育てている、マイクロトマト。

小指の爪ほどの大きさです。

4粒、おすそわけいただきました。

ずっとこの苗を探していたそうで、僕達が企画している苗特集で見つけて注文してくれたそうです。

今日、私用でちょっとおじゃました時に教えてもらったのでした。


こちらの自治会長さんが言っていました。

この仮設住宅で暮らすみんなはとっても明るく元気いっぱいですねと、ここに来てくれた方からよく言われます。
そう。みんなとても明るいんです。

でも裏返せば、明るく元気にしていないといられない、ということなんです。

3年もすれば、みんなここからいなくなる。出ていかなきゃならない。
ここの住宅は、仮想の住宅なんです。
でも、出て行ったとしても、どこに行くかは、今は、何も決まっていない。分からないんです。

だから、今は、元気に明るくしていたいんです。


半年通っているけれど、初めて聞く話でした。


いくつかの玄関脇で、プランターを置いて野菜を作っているところを見かけました。

頂いたマイクロトマトは、とても小さくて、そして少し酸味があったけれど、味が濃くて美味しかったです。