2012年2月13日月曜日

ブラバン



少し前、高校のブラバン時代の友人と会いました。
彼はトランペット吹きでした。僕はチューバ吹きでした。

仕事が忙しくてたまらないはずなのに、久しぶりだからと、わざわざ時間をとってくれました。

数年前までは浮き草のような暮らしをしていた奴で、でもいろいろとそれなりに忙しい日々を送っていたけれど、その頃の僕には、なんだか真剣のベクトルがあさっての方向を向いているように見えて、なんとなく、もったいないなぁと感じていました。

今は仕事も変り、精神的にもかなりハードのようですが、浮き草時代に比べればずーっと生き生きしているように見えました。

だから、話も弾みました。

もちろん話題は、37歳の僕らの、今現在のことです。そう言えば今回は昔話なんてしなかったな。たぶん、昔話がまぶしくてしょうがない時は、今の話題に乏しい時なのかも知れないなぁなどと思いました。


20年前に高校3年生が目前だったブラバンの仲間たちは、今、男子も女子もみんな平等に37歳になっていて、結婚したり独身だったり子どもが生まれたり離婚したり再婚したり仕事を変えたりしています。

17,8の僕らには、37歳になる日が来るなんて1mmも想像していませんでした。
今僕が、20年後に57歳になっていることが全く想像できないように。

小学校でリコーダーのテストがあるらしく、あの頃同じ講堂でクラリネットを吹いていた僕の嫁さんが、あーでもないこーでもないと、9歳の娘に教えていました。6歳の娘は横で踊っていました。
彼女も平等に37歳ですが、この前久しぶりにあったブラバンの2年下のクラとホルンの後輩に「全然変わっていませんね!」と言われご機嫌なので助かっています。

でも考えてみれば、その後輩も35かぁ。同じ時の流れに乗ると、時間は止まるのだなぁと思いました。


小説「ブラバン」は、34人の登場人物が、全くバラバラの個性で、40歳になった今と高校生の頃が絡まりながらストーリーが進む、永遠の高校生が主人公の話。

友人と久しぶりに会ったこともあって、まるで自分たちの物語を読んでいるような気持ちになり、いろんなことを思い出したり考えたりしてしまいました。


これからも僕達は、こんな風に、あちこちぶつかりながら、不器用な高校生のまま未熟のまま、歩いて行くんだろうなぁと思いました。

全然明るくなくて、ハッピーエンドでもなくて、山も谷もなくて、爽やかさの欠片もなくて、切なく苦くやるせなくて、最高に愛すべき青春小説でした。

2 件のコメント:

  1. ノアさん、一緒に親父になって行きましょう!
    それも超爽やかな親父に・・・。

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  2. いしけんさん
    超爽やかな親父、いいですね!
    そうなるために、今夜も歩こうと思います。
    娘や嫁さんにあっち行ってと言われないように頑張ります。
    色々と自覚しながら…。

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