2010年9月11日土曜日

「米作って、めしが食えねぇ」


今日は今年2度目の産地見学会。
配達の担当者30名と組合員さん5人で、田尻へ行きました。
田尻は宮城県のやや北部の田園地帯。全国的にも有名な我がみやぎの誇り、男・中澤さんの故郷でもあります。

今回学習するのは、葉物野菜、豚、そして米でした。
移動の車中で日本の食料自給率について学習し、極端な低関税が原因の輸入拡大や、食生活の欧米化による米消費の減少、そしてそれに伴なう農家収入の大幅な減少について、産直推進本部の斉藤部長の熱い講義を受けました。みやぎのコメ農家の時給は200円という現実に、皆言葉を失っていました。
農業人口も劇的に減っており、県内の耕作放棄地は6000haと、岩沼市(仙台空港のある市)と同じ面積に匹敵する巨大な面積ということも知りました。


そして、今朝の「宮城のひとめぼれ、ささにしきの概算金8700円。前年より3600円安の過去最低。両銘柄初の1万円割れ」の記事。

まさに「米作って、めしがくえねぇ」です。

戸別所得補償で農家収入は前年並になるそうですが、来年以降は全く分かりません。生産者の一人伊藤さんは、草刈でへとへとになっているなか、訪問した我々には笑顔を見せてくれたものの、空を見上げて嘆いていました。

今日の参加者は「農家の苦労を知って、もっと産直の良さを伝えようと思った」と口々に言っていました。私は農家ではありません(父の実家が古川の米、牛農家ですが)。だからあまり分かったようなことは言えませんが、今回の訪問は、概算金の現実の前で、生産者のやるせなさと切なさ、いかほどかと思いました。


仕事で農産に関わるようになってから、世の中で一番偉い人は「食べ物をつくる人」だと思うようになりました。
日頃お世話になっている北海道の農協の部長でもあり、敬愛するいしけんさんという方がブログで「何でも安売りで、採算が合わないからやめるのである。自分の食べ物を一度自分で作ってみるとよい!その苦労がわかりますよ」とお書きになっていました。

今年の春キャベツの時みたいに、本当に困ってみんなようやく騒ぐのです。(そしてもうきっと春のことなんか忘れているはず)。

みんな、自分が食べているものの裏側を知らなすぎます。自分も含めて。



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