NZ未来日記② それはけん玉でした。

出国も、搭乗も、飛行機内でも何も問題はなく、順調でした。

ただニュージーランドは入国の審査、特に持ち込む物品について非常に厳しく、果物や植物、肉類などが荷物に入っていると大変なことになります。

ここが第一関門です。

なにせ、ここで足止めをくらうと、次のニュージーランド国内便への乗り継ぎに間に合わないかもしれないから。

だから、荷物に食べ物は入れないでねとみんなに強く言っていました。

それで問題はないはずでした。


それなのに。


出国時のX線検査で、１名、ひっかかったのです。

隊列の一番最後を受け持っていた、僕が。

。。。

X線の画面を見ていた入国審査のおばちゃんが、画面を見て固まりました。

？

？？？

僕にもその画面は見えました。

そして彼女が何に気になったのかも。

画面には●←こんな形の黒丸な影が。

ん？
開けろって？

スーツケースを開けると彼女、まっさきにそれを取り出しました。

現地の高校生へのおみやげにと持っていった、それは木で出来た立派な「けん玉」でした。


けん玉を手にしたおばちゃん、完全に戸惑っていました。

これは、なんだ・・・？？？

頭上に？マークが８個くらいぽぽぽぽ～んと浮かんでいるのが目に見えるようでした。


「じゃ、じゃぱにーず　とらでぃしょなる　とい！」

ひらがな英語で言ってみたら、なんとなく納得してくれたようで、申し訳程度に他の衣類などをチェックした後、ほどなく解放してくれました。


少し手に汗をかいたのは、ニュージーランドが真夏だから、だけではありませんでした。。。


いろんなことがあったこのツアーは、そんな情けない幕開けからスタートしたのでした。