ゆず。
傷の数で値段がシビアに決まる果実です。
なぜなら、皮にこそ価値があるからです。
ゆずはヘタのある方が「裏」で、果実のお尻の方が「表」と呼ばれていることを初めて知りました。
だから、化粧箱に入っているゆずはお尻の方が上を向いているのです。この写真がまさにそうです。
選別の基準も、「表」に傷が何個で、「裏」に傷が何個までがどの等級、と厳密に決まっていました。
傷の多くついたものはすぐに皮むきされ、皮と果汁に分けられていました。
そのむかれた皮も、傷の多数で等級が分けられるのです。
皮にも「A」と「B」があって、価格はAとBでは大違いでした。
そもそも皮に値段が付いていることにびっくりでした。
むかれた皮はすぐに箱詰めされ、冷凍加工されるのです。
果汁も使い道はたっぷりです。
さらには、種から油も取れるそうで、捨てるのは中の薄皮だけだそうです。
他の果実では見たことのない風景でした。
ものの価値は、人が見出すものなのだと実感しました。
日の長い安芸にも、そろそろ夕闇が降りてきました。
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