2014年3月29日土曜日

新玉ねぎの後ろ側 ~佐賀~

今日は佐賀白石地区。

5月以降の新玉ねぎでお世話になります。

でも、なんともう、少しですが出荷が始まっていました。
佐賀でこの時期の出荷はとても早いのです。

あいにくのけっこう本降りな雨で、畑で写真を撮ろうと思ったのですが、半ば諦めていました。

けれども、今日初めてお会いした生産者を前にして、これは撮らねばならんと思いました。

一村隆さん。

たぶんこのグループでは最年少だそうです。

男前です。

まるで高校球児のようでした。


よく聞かれることで、「産地ではどんなふうにして食べているのですか?」というのあります。

だから一村さんに聞いてみました。

一村さんはとても困ってしまいました。

スライスしてそのままかなぁ。

あとは?

うーん。

あ、味噌汁には毎朝入りますね。

正直毎日だと飽きますか?

いや、味噌汁は全然OKです。おいしいですね。

新玉ねぎって水にさらしますか?

さらしますね。
でも、今のこの早い時期だとあんまり辛くないから、さっと通す程度ですね。
もっとあとだと品種も極早生から早生、中生に変わっていくのでけっこうさらしますね。

少しはにかみながら、まっすぐ誠実に答えてくれました。


食べる人にとって、産地はどれくらい気になるものでしょう。

たぶんですが、たぶん、食べるときには多くの人が気にしていないと思います。

もしかしたら北海道の玉ねぎと、新玉ねぎですら、「玉ねぎ」とひとくくりにしている人もいるでしょう。

でもきっと、それが普通の感覚なのだと思います。


だからって、僕らまで「普通はそうだよ」と開き直って(冷めて、諦めて)はだめなのです。

8割の人が何の気にも留めていなくても、僕らはこだわり続けていたいのです。

それが僕らの「責任」なのだと思います。

何も考えなくても安心して美味しく食べられる事こそ、幸せなのです。


3、4、5月の3ヶ月で長崎から佐賀に産地が移り、品種も極早生、早生、中生、晩生と変わっていきます。

玉ねぎの性質も違えば、生産者も違い、その思いもいろいろです。

雨の中だったのですが、雨脚が少しだけ弱くなったので、その隙に玉ねぎ畑でもう一枚、ハニカミをパチリといただきました。

目の前の1個の玉ねぎにあるそれぞれの背景を、関わる僕らは、いつも忘れないでいたいと思うのです。







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