指宿(いぶすき)、スナップえんどうの畑。
宮城では「スナックえんどう」という名前で売られていることが多いですが、どちらも同じ豆です。
スナップえんどうは品種名、スナックえんどうは商品名です。
土が礫質(れきしつ)で水はけがよく、水があまりいらない豆にとって適した土壌です。
そら豆畑。
どちらの畑からも、開聞岳(かいもんだけ)がはっきり見えます。
知覧から飛び立った20歳前後の若い特攻隊員は、この開聞岳を目指しふるさとや家族への別れを告げて、南の空へ向かったのだそうです。
以前見た特攻隊の記録に、すべてカタカナで書かれた、自分の幼い子ども達へあてた遺書を見たことがあります。
カタカナはその頃子ども達が最初に習う文字だったそうです。
「オトウサンハ 「マサノリ」「キヨコ」のオウマサンニハナレマセンケレドモ フタリナカヨクシナサイヨ。」
今見ているあの山と、その頃多くの若者が目指した山が、上手く頭の中で重なりません。
同じこの地で本当にあったことだとは思えないような、そんな平和な開聞岳の佇まいでした。
その土地その土地にそれぞれの物語があります。
そんな背景も知っておきたいと思うのです。
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