江上文旦(えがみぶんたん)は、今から3年前に天皇、皇后両陛下が皇居東御苑に植樹された、5つの柑橘の一つということでした。
この前佐世保に行った時にもらってきたのが1個残っていました。
この文旦は、徳川4代将軍の時代から長崎県佐世保の江上地区で作られてきた、歴史のある果物なのだそうで、今はあまり作られていません。
皮が「長崎ざぼん漬け」になります。僕はこのざぼん漬け、あまりに砂糖の味しかしないので、かなり苦手です。
でも、果肉はまあまあ美味しかった。
果肉はきれいなピンク色で、味はと言うと、ほんっっのり甘くて、ほんっっっっのり酸味がある感じ。
果汁がほとんどなく、さのう(粒々)がパラパラとほぐれる感じ。
皮を剥くだけなら楽しいのですが、そして眺めている分には綺麗なのですが、1玉がけっこう大きいので、食べ進むに連れ順当に飽きてきました。
そこで、食べきれなかった残りをマーマレードにしてみました。
皮が気絶するほど苦く(大げさ)、1回だけ茹でた皮をかじると、苦味でしばらく口の中がじーんとしびれていました(本当)。
さらに苦味を取るために、茹でては湯を捨て、茹でては湯を捨てを6回も繰り返しました。それでもけっこう苦かったね。
出来上がりは、ビシッと苦味のきいた、大人なマーマーレードという感じでした。
たぶん子供たちがこれを口にしたらたちまち泣き出すことでしょう。苦くて。
さらにはもう僕の作る一切を口にすることはなくなることでしょう。
信用なんて、簡単に失ってしまうものなのです。
まあ、今回は彼女らにはお薦めはしないでおこうと思います。
その土地に根付くものを大切に残すことと、消費者の需要に応えること(もしくは先取りすること)は、必ずしも一致しないもの。珍しいだけでは長続きはしないもの。でも、無くしてはいけないもの。
キングオブ淡白なこの伝統の果物を食べながら、そんなことを思いました。
難しいところですね。
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