2013年8月23日金曜日

土地を選び、技をみがき、心でつくる ~なめがた~

はじめて茨城の行方(なめがた)に来ました。

何度も来ようとしては日程が合わずに来られず、今回もなんと日帰りの強行でした。
仙台から片道350km以上と、なかなかでした。

それでも、やはり来て良かったです。

今回の目的はさつまいも。
事前に少しだけ予習をしていったのですが、JAなめがたのホームページが気合満点でした。
さつまいもそのものについて、ではなく、とにかく「焼き芋」に特化した話題が濃い、濃い。相当濃い。

その名も「焼き芋の話」。

でも、ホームページに載っているのは実は「焼き芋の話」の一部でした。

産地でお話を聞いたら、なんと部外秘の「焼き芋の話」本が作成されているのでした。それによると、「なめがた産サツマイモを美味しい焼き芋にするための取り組み」として、県農業研究所と一緒に何度も焼き芋の焼き方を試験し、「焼き芋マニュアル」まで作っているのです。

品種ごとの、さらには「8~10月の焼き方(新芋)」「11~3月の焼き方(短期貯蔵芋)」「「4~8月の焼き方(長期貯蔵芋)」と、季節別の焼き時間まで記載されていました。

他にもいろんな秘密が満載です。

これはもう、焼き芋のバイブルです。


実はこのJAの取組が、294名いるさつまいも生産者の信頼を勝ち得ている秘密のひとつでもあるのです。

JAなめがたの3地区の甘藷部会の連絡協議会の会長を努めている、さつまいも生産者の渋谷信行さんにお会いすることが出来ました。
とても穏やかでとても熱い方でした。

渋谷さんは何度も、「取り組み」という言葉を口にしていました。

おいしい焼き芋の研究も、新しい焼き芋の食べ方も、「でんぷんマップ」の作成も、最新の貯蔵庫、キュアリング方法なども、すべて、渋谷さんは農協の「取り組み」と表現していました。

よく農協は農協組合員のための、生産者のための組織だと聞きますが、まさにそういうことだなぁと思いました。

だから渋谷さんも真剣で、生産者の中で出荷時期など決められたことが守られていないことが分かると、294名の生産者全員の前で本気で怒るのだそうです。あんな穏やかな方だけど、怒ると怖いんだよと農協の栗山さんがこっそり教えてくれました。

渋谷信一郎さんと奥様の理恵さん。
渋谷さんの息子さん夫婦です。

なんと奥様、山形県川西町のご出身だそうで、ご実家でも僕達が作っているチラシを見ているそうです。この写真チラシに載せますよ!と言ったら嬉しそうに「実家に言わないで驚かそう!」とノリノリでした。

ここJAなめがたは、貯蔵技術も優れていて、昨年の芋が「熟成品」として、まだ普通に販売されています。
昨年10月17日収獲のもの。
もう、超熟成です。

一方では今年の新物も出荷中。
美しい。

早速今年の新物「紅優甘(べにゆうか)」を焼き芋で頂きました。
焼きたてで熱すぎなので絵がブレています。

この時期でこんなに甘いとは、ゆくゆく楽しみです。

この紅優甘、冷めても美味しい。
芋のまわりがこの時期で既に黄金色です。

ここJAなめがたでは、品種名べにはるかを「紅優甘」と名づけています。

このあたりも、渋谷さんが言う「取り組み」のひとつです。

JAなめがたのモットーは「土地を選び、技をみがき、心でつくる」。

今回の訪問で、それにほんの少し触れられたような気がしました。


今年は焼き芋についてしっかり勉強しようと思います。

部外秘の焼き芋バイブルを片手に。

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