北緯44度のまち、美深(びふか)。
かぼちゃとチョウザメの町です。
かぼちゃをもっと知るためにここへ来ました。
始まりは、去年の9月20日の訪問です。
その時に、いろんなことが分かり、対応していただいたJAきたはるかの丸山さんにいいことそうでないこと、丁寧にお話してもらったのでした。
丸山さんは決してけっしてそんなことは言っていないのですが、僕はもう一回チャンスを頂いた、と感じました。
美深は北緯44度で、昼夜の寒暖差が大きく、日本一の記録をもっているほどです。
そりゃぁおいしいかぼちゃが出来ます。
でも、ここでおいしく品質のいいかぼちゃが出来るのは、環境だけではありません。
むしろ、それ以外の部分での研究と努力なのだと思います。
秘訣はいくつもありますが、その中でもおいしいかぼちゃを作る真髄は「葉を大切にする」ということ。
徹底して、養分を作る「葉」を守る。
かぼちゃはある程度放任でもそこそこのかぼちゃが出来るそうです。
でも、そこそこです。
ここ美深はかぼちゃがメインの産地。
いいかぼちゃ、食味がよく貯蔵性の優れたかぼちゃを作るためには、「葉」を守る。
そのために、樹を作る、そのために土を作る。
今までいろんなかぼちゃ畑を見ましたが、ここの畑のかぼちゃの葉は、ちょっと違いました。
葉が這っていず、立っている。
多くのかぼちゃの畑で発生しやすい、葉が白くなるうどんこ病がほとんど出ておらず、葉の色も濃い。
そして葉がとにかく大きい。
すごいでしょ。
そして、まだ出荷していない、早生の品種「黄栗(おうぐり)」を試食させて頂きました。
かぼちゃは収穫してから置いておくとデンプンが糖化して甘くなるのですが、これはとってほとんど置かれていないものだったにもかかわらず、かぼちゃの味がしました。
この夏、地元のかぼちゃを食べましたが、ホクホクさは良かったものの、かぼちゃの味はほとんどしない、風味も甘さもない、僕にとっては、残念なものでした。かぼちゃの色と形をしたでんぷんと言ってもいいかもなんて、ちょっと腹を立てて思ったくらいです。
それをホクホク感が最高で今年のかぼちゃは本当に美味しかったって絶賛する人もいて、ああ、おいしいかぼちゃの基準がここでは違うんだと、はっきり分かりました。
味付けして(かなり砂糖を入れましたね)煮たそのかぼちゃを娘に食べさせたら、「おいしいけれど味がないね」と言っていました。
ああ、そういうことだよねって思いました。
まあそれはそれでしょうがない部分もあると分かっているのですが。
この、美深の黄栗は違いました。
すでに味がありました。
すでに風味がありました。
もっと美味しくなりそうな、そんなポテンシャルを感じました。
かぼちゃの「味」ってあります。
みかんもりんごも、枝豆もとうもろこしも、じゃがいもも人参も、みんなそうです。よく指標となる「甘さ」は美味しさの一部であって、美味しさの全てではありません。
むしろその青果物固有の「味」「風味」を大切にしたいと思っています。
今この時期で葉が元気いっぱいなかぼちゃ達。
秋の楽しみです。
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