2013年8月31日土曜日

8月の北海道出張日記⑨ ちいさなでんすけ ~当麻~

この出張の初日、最初に立ち寄ったのは当麻でした。

道の駅と同じ敷地にある当麻のJA直売所に寄ったら、久しぶりの方にお会いしました。

僕のことを覚えていていただいたようで、嬉しかったです。

今年のでんすけはもう既に出荷が終了したそうです。

お土産に、手のひらに乗るほどのちいさなでんすけをいただきました。

近くの田圃では、8月だというのにもう稲刈りが始まっているところもありました。

北海道はもう秋に向けてまっしぐらです。



8月の北海道出張日記⑧ キタアカリ ~留寿都~

「食べる・たいせつ」を後にし、羊蹄山麓の留寿都に向かいました。

こちらも雨降りは同じで、ずっと続いています。

生産者の奥田さんは、僕らのために、今年はじめてキタアカリを掘ってくれました。



試しに掘った感じでは、大きさも芋のつきもまずまずでしたが、次のつるはちょっと小さい。

右が最初に掘ったので、左が次に掘ったもの。

まだまだなんとも言えません。

今年は全道でなんとも言えません。

この目で、といっても大した目ではありませんが、実際に見て、会って、先読みで、いろんなことを考え行動していきたいと思います。


みなさんよろしくお願いします。

8月の北海道出張日記⑦ アメリカスマイルって何?? ~食べる・たいせつフェス~

札幌で開催されたコープさっぽろさんの「食べる・たいせつフェスティバル」を覗いてきました。

このイベントは、楽しみながら「食べるたいせつ」を知って・見て・体験できるイベントとのことです。

すごい人で、駐車場は早くからいっぱいでした。

会場の中も早速賑わっていました。

会場では、さっぽろの農産バイヤーの早坂さんがエプロン姿で会場案内をしていました。
似合いすぎです。

今回は先月訪問した「たっこにんにく」の青森県田子町の方々が参加されているのでした。

たっこにんにくも出店している、エプロンさんのブースは人がいっぱいでした。
みなさん大繁盛で大忙しです。

そんな中みんなが我も我もと手を伸ばして受け取っていたのは、

美瑛の外山さんのじゃがいもを揚げたものでした。

でもただ揚げただけじゃない。

それに、たっこにんにく100%使用のにんにくパウダーをかけていたのでした。

これ、シンプルだけれど絶品です。

外山さんの芋がおいしいのはもちろんですが、にんにくパウダーがまたいい。

にんにく売り場には、JA八戸の橋本さんと山美さんが一生懸命売り込みしていました。
自分でもたっこにんにくを作っている、JA八戸の山美さん。

山美さんもまた底抜けに明るく朗らかな方で、久しぶりにお会いしたのですが、パワーがみなぎっていました。

僕もその雰囲気に負けないように「おはようございまあーす!お世話になってまあーす!」と力いっぱい声をかけたら、「あらあー!!いつもどーもねえー!!!」と、朝とは思えない元気っぷりで、僕なんか到底敵いませんでした。自分の小ささを思い知りました。今風に言えば「倍返しだ!」ってやつですかね。いや10倍返しくらいのパワーでしたね。

山美さんにカメラを向けたら「これ、アメリカスマイル!」と自分のスマイルをそう呼ぶのです。

アメリカスマイルってなんですか?と聞くと、

私達たっこだからアメリカスマイルって呼んでいるのよ!って明快な答えでした。

なーるほどですね!たっこだからアメリカねっ!なるほどなるほどと迫力に押されて納得しましたが、何のことやらさっぱり全くわかりません。すみません。

でも、それでいいのです。

山美さんに言われたら、なんか、なーるほど、だよね、アメリカスマイルだよねって感じしましたもの。

そう、だって、たっこだもの。


山美さんの倍返しに朝からクラクラしたところで、他にもちょっとまわってみると、先週訪問した茨城のJAなめがたのみなさんが焼き芋焼いていました。
先週お世話になった栗山さんに再会しました。

紅優甘の焼き芋、やっぱりおいしかったなぁ。
お陰様で少し立ち直りました。
ご馳走様でした。


じゃがいもも、にんにくも、さつまいももいよいよです。

倍返しで頑張りますので、みなさんどうかよろしくお願いします!

2013年8月30日金曜日

8月の北海道出張日記⑥ 外山さんのじゃがいも ~美瑛~

美瑛に来ました。

美瑛馬鈴薯出荷グループの外山さんのお宅へ今年の状況伺いとご挨拶です。

僕達を迎えてくれたのは、やっぱりこの人。
外山さんの奥様、明美さんです。

相変わらずお名前のとおりです。作業着のハートがキュートです。

男爵とキタアカリの粉ふきいも。

僕達が来るタイミングで準備してくれていました。

うんまああいいいいい!!

特に男爵。

今の時期に、こんなにじゃが芋の味が「イモイモ」しているなんて、ほんと驚きです。

まじうまい。

ちょーうまい。

調子に乗って6個も食べてしまいました。お昼終わって満腹だったのにもかかわらずです。

食べ過ぎでしょって?

今日だけはいいのです。

今、美瑛を含め北海道はどこも雨だらけ。

一時の雨不足が信じられないほどです。

土が乾いていない畑で収穫しているから、上の写真のように土(泥)がたくさん付着し、 一つ一つ手で土を落とさなければいけません。

どうしても出荷しなければならないから、天気も悪く足場も悪い中、夜遅くまでの収穫作業となっているそうです。

さらには、ちょっと前の大干ばつの影響でじゃが芋が小さいから、いつもより選果作業が1.5倍くらいかかっているそうです。

普通なら1日で終わる出荷ケース数でも、芋が小さいからなかなか箱がいっぱいにならない。玉数は増える分、手間も増える。

いつもなら1日で終わる量が、1日半かかるよと外山さん。

明美さんが差し出してくれたのは、その小さいサイズ、Sサイズです。

さっき粉ふきにして出してくれたのと同じサイズです。

でも、小さくてもほんとに美味しかった。

9月後半に、小玉だけを集めた応援企画として、チラシにお目見えします。

多くの人に食べてもらいたいと思います。


帰りがけ、外山さんに案内してもらったのは、期待の新品種「はるか」の畑。

雪解けをイメージして「春の香り」から「はるか」と命名されたそうです。
なめらかな食感がポテトサラダに最適です。

上の畑の写真は、収穫するために、葉を落とした状態です。

降り止まない雨のせいで畑はぬかるみ、機械では畑に入れないので、手掘りするしかないね、だって注文に間に合わないからね、と外山さんは言います。

今年のはるか。

はじめて掘ったそうですが、玉のつきも大きさもまずまずでホッとしました。
でも、たまたまかもしれないので安心はできません。



これもまた、たくさんの人に食べてもらいたいです。

作っている人が分かるからこそ、そう思います。

僕がそう感じている気持ちも、たくさんの人に伝えたいと思います。

生産者のみなさん、おいしいじゃがいもを、今年もありがとうございます。



8月の北海道出張日記⑤ 今は「人農業」だと思うんです ~矢澤農園~

北海道は降り止まない雨と高温のWパンチで、とても厳しい状況です。

北海道と言っても広いので、地域ごとに差はあるでしょうが、大なり小なりどこも大変だと思います。
今の市場のものの動きがそれを裏付けています。

東川の矢澤農園で、その現実を目の当たりにしてきました。

ずーっと続いていた干ばつのあと、一転今度は降り止まない大雨と高温が襲い、人参は割れや変形が多発していました。

今日も雨です。

転がっている人参は、畑にすきこまれます。
畑によっては、正品として出荷できるのは3割くらいだそうです。

掘り上げられた人参の多くは、その場で出荷用の袋ではなく、畑へ投げられていました。

ブロッコリーも病気が発生して悲しい状況でした。

園地を案内してくれた矢澤教祐(ノリさん)さんは、常々考えていることを僕に話してくれました。


僕らは今まで、「ものつくり」にこだわっていたけれど、今は違うと思うんです。

今は「人農業(ひとのうぎょう)」だと思うんです。

人農業って?

一つの例を話しますね。


僕は、「畑の終わりをどうやって終わらせるか」が最も大切だと思っているんです。

つまり、収穫し終わった後の畑の手入れです。

病気がたくさん出た畑に次の年植えた作物は、必ず何か影響が出るんです。

目の前の人参のように、病気などで正品にならない人参が畑に捨てられるとする。でも一方でとにかく目の前のもの、次の畑のものを収穫し、出荷しないといけない。そうすると、収獲の終わった畑の手入れはどうしても後回しになってしまいます。


昔はそうでした。

でもその畑の終わり方がいかに大切か気づいた時に、これじゃいかんと、収獲が終わったらすぐに畑に残渣物をすきこむことにしました。

さらには、秋に堆肥を入れる。
春に入れるより、秋に入れたほうがずっと畑がよくなる。
出来るだけ早く早く、畑の手入れをする。

でもこれって相当大変です。
みんなに口で言ってもすぐに出来ないし、やりたがらない。

だから僕はまず自分でやることにしました。

時には夜中まで一人でこの作業をしました。

来る日も来る日も。

そうすると、少しずつ人がついてくるんですね。

人に伝わって、人がついてくる。自分の考えが、思いが、人に伝わっていく。

僕達の農園は面積が広いからたくさんの人達で作業をするけれど、ベテランの人がやめたり新しい人が来たりと人は入れ替わっていく。

だからこそ、「人」が大切だと思う。その瞬間のものづくりだけでは本当にいいものは作れないと思うんです。そこまでしてはじめて「ものつくり」と言えるんじゃないかな。

そういった意味で僕は「人農業」だと思っているんです。

野菜は収穫した瞬間から「カウンドダウン」が始まります。
収穫した後から鮮度が良くなることなんてないですよね。

カウントダウンが始まってから「0」になるまでの時間をどれだけ長くすることが出来るか、いい生産者は、その時間が長いということだと思います。

そうできるために、いろんなことをやっています。
今言ったこともその一つです。

でも、こんな異常気象が毎年続くから、本当に大変ですね。

ノリさんは、決して自分がしていることを凄いとか、誰よりもやっているなどとは言わず、まだまだやらなきゃいけないことはいっぱいありますと、人懐っこい笑顔で、謙虚に話してくれました。


通り過ぎた、この前まで大根が植わっていた畑は、すでにすき込まれ整理された後でした。

情熱と謙虚さとストイックさと責任感のかたまりだなぁと思いました。

ノリさん、火傷しそうなほどに熱い男でした。

こんな思いの一つ一つが集まり重なって1袋の人参が手元に届くことを、ものの後ろにいる人の想いを添えて、多くの人に伝えていきたいと思いました。

やっぱりそれも、「人」なんだなぁ。

2013年8月29日木曜日

8月の北海道出張日記④ 旬の原木しいたけ ~愛別~

愛別に来ました。

笑顔満点の愛別きのこネット三浦社長に案内されたのは、黒いハウス。

向こうまでおよそ100m。

中にあるのは、
原木しいたけのほだ木です。

このハウスだけでなんと2万本。

主に北海道産のミズナラを使っています。

原木のしいたけは、9月頃に新しいほだ木、いわゆる「新ほだ」に変わります。

そのほだ木は、前年の秋、紅葉がはじまり樹が下から水分を吸わなくなって来た頃に樹を切り始め、3月頃まで切り続けます。

切られて運ばれた樹たちは、1~4月頃まで順番に菌を植えられていきます。植菌です。1日100本くらいしか出来ない、大変な作業です。

植菌されたほだ木(新ほだ)からの発生が始まるのが、いよいよこれからなのです。

でも、本当に大切なのは、植菌してから発生までの「ほだ木」作りだそうです。

生産者の三島さんは言います。
今回写真を撮り忘れてしまったので、去年9月の写真ですみません。

植菌してから、いかにほだ木に上手にまんべんなく均等に菌をまわらせるか。
どれだけいいほだ木を作るか。
それでしいたけの品質や、収穫量がほとんど決まると言います。

特に温度管理、湿度管理が重要なのだそうです。 

同じ場所でも、上と下では温度が違います。
温度を一定にするために、この2万本の木を、一本一本、すべて手で置き換えます。

上の木を、下へ置いていく「天地返し」という作業です。

僕もやらせてもらいました。1本だけ。。。

これはもう、相当大変です。

2万本やるのに、20日はかかるそうです。


そうやって、いいほだ木を作ってきたら、しいたけが出始めてくるこの9月ころから、ようやく発生です。

樹に刺激を与えるために、水に浸けます。
数時間浸けたら、

水からあげて、1日くらい置きます。
「芽出し」というのだそうです。

そうしてようやく、棚に並べます。
今の時期なら、5日くらいで収穫できるまでに大きくなるそうです。
寒い時期なら10日くらいかかるそうです。

収獲が終わったら1ヶ月休養させて、また浸水させて、発生。

そんな風にして、1年間に10回ほど収獲したのち、ほだ木達はしいたけの発生を終え、薪になります。


「新ほだ」から出る、今からの原木しいたけは、色が明るく、香りが良く、肉厚になりやすいため歯ごたえもいい。

生産者の三島さんは、特別な食べ方なんてしていないけれど、好きなのはやっぱり「焼き」だね。かさを下にして、焼く。裏返しにはしないで、じっくり焼く。醤油をかける。
それだけで充分だし、それが一番だね。
そんな風に話してくれました。

再び満天笑顔の三浦社長。
西日がいい感じです。

9月ころから出る「新ほだ」の椎茸はいいよー。

つまりしいたけの「旬」ってことだよね。

そう言って、三浦社長は本日一番のきのこスマイルをくれました。

笑顔の雰囲気がゆるキャライケメンです。

三浦社長こそ、その活き活きした感じ、いつでも旬な気がしますよ。

舞茸ともども、よろしくお願いします。


8月の北海道出張日記③ 優しき番人の「ええ、安定してますね」 ~名寄~


「ええ、安定してますね」

次から次へと生産者が持ち込むとうもろこしの品質点検を行うのは、JA道北なよろのゴッドハンドこと、検査員の山本さん。

JAの菊地さんが言うには、山本さんの「安定してますね」、は最高の評価なのだそうです。

ここJA道北なよろでは、朝獲りのものを午前11時までに農協へ納めることと決められています。
さらには「真空予冷」で品温を急速に下げます。
どちらも徹底的に鮮度を落とさないためです。
とうもろこしは自ら発熱するので、品温管理が最重要なのです。

僕はしばらくその傍らに立ち、作業を見ていました。

生産者が予め箱に入れずに持参した2本のとうもろこしを受取り、さらにトラックに積んできた箱を無作為につかみ、さらに箱の中から2本取り出す。
2本取り出した代わりに、最初に受け取った2本を箱へ入れ、再度封かんする。

生産者がなんとも言えない(自信あり?不安?)表情で見守る中、山本さんは取り出した2本を丁寧に丁寧に検査します。


不稔状態を見る。いろんな角度から粒を見る。しなびがないかをよく見る。粒の色を見る。重さを測る。糖度を測る。品温を測る。

そして常に穏やかに生産者へ声をかけます。

粒の状態によっては、「いつまで収穫しますか?」と生産者に聞いていました。
取り遅れ気味、過熟気味の方へ、過熟になるから早く収穫してくださいねという呼び掛けです。

生産者みなさんの性格などもしっかり押さえていて、どうやら人によって声のかけ方も変わっているようです。

山本さんに過熟になりそうなとうもろこしの見方を教えてもらいました。
横から見て粒がデコボコしているものは過熟になりかけているのだそうです。

分かったような気もしますが、全く自信がありません。


無作為の2本で、山本さんの見極めで、生産者がその日持ち込んだ荷台に積んできた全てのとうもろこしの等階級が決まるのです。

等階級が決まるということはストレートに生産者の収入に関わることです。

一方では、「JA道北なよろ」のとうもろこし全体の評価を決めるということでもあります。

もしここで等階級の評価が緩かったら、出荷後に「秀品」って買いてあるけど品質よくないよって、JA道北なよろのとうもろこし全体の評価を下げてしまうことになるからです。

だから、番人なのです。

「品質」をつくるのは、人なのです。





8月の北海道出張日記② 美深の白樺、知恵文のひまわり ~美深・知恵文~

美深から名寄へ向かう道のりで。

美深の白樺。

知恵文(ちえぶん)のひまわり。


隣の市への移動なのに、そこら中に、北海道がいっぱいです。


2013年8月28日水曜日

8月の北海道出張日記① かぼちゃこそ「葉」が命 ~美深~

北緯44度のまち、美深(びふか)。
かぼちゃとチョウザメの町です。

かぼちゃをもっと知るためにここへ来ました。

始まりは、去年の9月20日の訪問です。

その時に、いろんなことが分かり、対応していただいたJAきたはるかの丸山さんにいいことそうでないこと、丁寧にお話してもらったのでした。

丸山さんは決してけっしてそんなことは言っていないのですが、僕はもう一回チャンスを頂いた、と感じました。

美深は北緯44度で、昼夜の寒暖差が大きく、日本一の記録をもっているほどです。
そりゃぁおいしいかぼちゃが出来ます。

でも、ここでおいしく品質のいいかぼちゃが出来るのは、環境だけではありません。
むしろ、それ以外の部分での研究と努力なのだと思います。

秘訣はいくつもありますが、その中でもおいしいかぼちゃを作る真髄は「葉を大切にする」ということ。

徹底して、養分を作る「葉」を守る。

かぼちゃはある程度放任でもそこそこのかぼちゃが出来るそうです。

でも、そこそこです。

ここ美深はかぼちゃがメインの産地。

いいかぼちゃ、食味がよく貯蔵性の優れたかぼちゃを作るためには、「葉」を守る。

そのために、樹を作る、そのために土を作る。

今までいろんなかぼちゃ畑を見ましたが、ここの畑のかぼちゃの葉は、ちょっと違いました。

葉が這っていず、立っている。

多くのかぼちゃの畑で発生しやすい、葉が白くなるうどんこ病がほとんど出ておらず、葉の色も濃い。

そして葉がとにかく大きい。
すごいでしょ。

そして、まだ出荷していない、早生の品種「黄栗(おうぐり)」を試食させて頂きました。
かぼちゃは収穫してから置いておくとデンプンが糖化して甘くなるのですが、これはとってほとんど置かれていないものだったにもかかわらず、かぼちゃの味がしました。


この夏、地元のかぼちゃを食べましたが、ホクホクさは良かったものの、かぼちゃの味はほとんどしない、風味も甘さもない、僕にとっては、残念なものでした。かぼちゃの色と形をしたでんぷんと言ってもいいかもなんて、ちょっと腹を立てて思ったくらいです。
それをホクホク感が最高で今年のかぼちゃは本当に美味しかったって絶賛する人もいて、ああ、おいしいかぼちゃの基準がここでは違うんだと、はっきり分かりました。

味付けして(かなり砂糖を入れましたね)煮たそのかぼちゃを娘に食べさせたら、「おいしいけれど味がないね」と言っていました。
ああ、そういうことだよねって思いました。
まあそれはそれでしょうがない部分もあると分かっているのですが。


この、美深の黄栗は違いました。

すでに味がありました。

すでに風味がありました。

もっと美味しくなりそうな、そんなポテンシャルを感じました。

かぼちゃの「味」ってあります。

みかんもりんごも、枝豆もとうもろこしも、じゃがいもも人参も、みんなそうです。よく指標となる「甘さ」は美味しさの一部であって、美味しさの全てではありません。

むしろその青果物固有の「味」「風味」を大切にしたいと思っています。


今この時期で葉が元気いっぱいなかぼちゃ達。

秋の楽しみです。



朝空

北へ向かいます。

最初の目的地は北はるかです。

飛行機の窓から、朝の三陸海岸が見えます。

南は台風の脅威が、北は大雨の不安があります。

今のところ、三陸の朝の空と海は穏やかです。


2013年8月26日月曜日

風の中で思う

今日は月に1度の委員会。

今日はいつもよりも少人数だったにもかかわらず、いつにもまして大笑いの2時間だったのですが。

初めて聞く話もありまして、初めて聞くのは、実は僕だけじゃありませんでした。

同じ仮設住宅で暮らすみなさんでも、震災前にどこで暮らしていたかなど震災前のことはお互い積極的にお話していないようです。

ご家族の状況なども。

僕からは当然聞けないので、聞いたこともありませんが、みなさんそれぞれもそうなのだなぁ、と初めて知りました。

今は同じ場所でも、以前は同じ東松島市の中でも全然地区の違うところで暮らしていた方々です。

昔からの知り合いのようで、そうではないのですね。

毎日川へサーフィンしをしに行っている若い方がいてその話になったのでした。

「私あの河口の一番前に家あったんだよ」
「そうだったの。じゃあ津波直撃だったんだ」
「そうなのよ、一番初めに来たよ。あのとき旦那に家にばあちゃん見に行ってって言ったこと思い出すとぞっとするよね」
「え、それじゃおばあちゃんは・・・」
「高台に逃げて無事だったんだけどさ」
「よかったねぇ」

それでも湿っぽくならないのですが、生来の明るさが底にあるとしても、きっと努めてそうしているだと思います。

あれからまもなく2年半が経ちます。


今日の東松島の気温は33℃。

なかなか暑いですが、でも風は爽やか。

広がる田んぼの向こうは、海です。

2013年8月25日日曜日

なつのおもいで

子どもたちの夏休みも今日でおしまい。

宿題の追い込みに必死なのは、母親でした。。

明日から学校です。

楽しい夏休みだったのなら、何よりです。






2013年8月24日土曜日

ちいさな夏祭り

焼きそば屋さんは日が沈む頃になって大入りでした。
ぎっしり入って1パック150円。お買い得です。
委員だった妻は焼きあがる焼きそばをせっせとパック詰めしていました。

娘はコロッケ売りをしていました。
最初のお客さんが20個も買っていって、そのあともお客さんがたくさん来てあっという間に売り切れたよと言っていました。
僕は買いっぱぐれました。

特設ステージでは盆踊りや小学生のソーラン節、町内の腕自慢の出し物が次々と披露され、賑やかに華やかに和やかに祭りは過ぎて行きました。

今年進学したばかりっぽい中学生たちが、俺達中学生だぜって感じで気分よく意気がっていました。まだまだ可愛げがありますね。

町内のお父さんたちが組んでいるバンドの演奏で、老若男女、みんな大盛り上がりでした。

日本のどこにでもある町の、ありふれた、小さくて優しいお祭りです。


今日僕の街では
ながい夏の日々が
ゆっくりと 見送られていった
(夏祭り)