予算は300円。
絶妙な金額です。
100円でもなく500円でもなく、1000円でもない。
300円。
一生懸命考えています。
熊本出張だったからくまモングッズか、とも思ったけれど、ちょっとベタすぎるし。
贈り物ほどセンスが問われるものはないので困っています。
出張中、駅や港や空港で時間が空くと、つい300円300円と目が300円のものを探してしまいました。
でもまだ見つかっていません。
僕の大好きな作家に小山薫堂さんという人がいて、「おくりびと」の脚本を書いたり「料理の鉄人」という番組を作ったりしている人なのですが、その人はプレゼントがとても上手な人で。
サプライズを考えることがとても好きなのだそうです。
何冊も著書を読んだのですが、そんなことがビシビシ伝わる内容のものが多かったです。
そうそう、「くまモン」の生みの親でもあるのです。
九州新幹線が博多から鹿児島まで開通したら、熊本は素通りされるんじゃないかということを危惧した熊本県からの依頼で、小山薫堂さんは「くまもとサプライズ!」という企画をたちあげて、その中で新たに作ったキャラクターが「くまモン」だったそうです。
企画は大当たりでなんとくまモン、ゆるキャラグランプリで1位になるまでに。
すごいっす。
あぁ300円、どうしようかなぁと福岡空港の搭乗口でもまだうじうじ悩んでいると、僕達のまわりがちょっと賑やかなことに気が付きました。見れば、「撮影中」なんていう腕章をつけたテレビ局風の人がカメラを構えたりしていました。
誰か有名人でもいるのかなと後ろの席を振り返ると、なんとそこにいたのは。
小山薫堂さんその人でした。
おおぅ。
なんてこったい。
そうか、彼は天草出身だから天草に向かう飛行機を待っているのかもしれない。ちょうどそろそろ天草行きが搭乗開始のようで、天気が悪いのでそれが遅れているようでした。
よっぽど。
よっぽど聞こうかと思いました。
小山さんなら300円で、何を買いますか、と。
でも、いきなり見ず知らずの人間が「あなたなら300円で何を買う?」なんてことを聞いてきたら「そうだね僕ならね」なんて言わないだろうし、そんなことを聞いて空港係員に連れて行かれるのもいやだったので、そして生来の小心っぷりが、僕をなんとか押しとどめました。
仙台行きの飛行機搭乗の時間だったので、最後に振り向くと、目があった気がしました。
遠路ようやく帰宅すると、居間のテーブルにくまモンがいました。
何かのおまけのようです。
もうちょっと考えてみます。
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