山形県朝日町のりんごの産直産地、大谷果樹組合では、今りんごの摘果作業の真っ最中でした。
「摘果」とはりんごの実をまだ小さいうちに摘むこと。
ひとつの花層(花のかたまり)には、おもに4~5輪の花が咲き実をつけるのですが、主にその中心の果実だけを残し、他のものは摘むのです。そうすることで、そのひとつに十分栄養も行き渡り、大きく、形がよく、味のよいりんごが出来るのです。りんごも選抜されていくのです。厳しい世の中です。
でも、摘果はその年のりんごのためだけの作業ではありません。
今年新しく伸びた枝にも実はなるのですが、それらはすべて摘まれてしまいます。新しい枝に出来る実は、枝が若いからでしょうか、小さいりんごにしかなりません。また今年実をならせるとそこには次の年のための「花芽」がつきません。だから、今年は、来年いいりんごを実らせるために、すべて摘んでしまうのです。
農家は常に次の年を、先を考えているんだよ。
その年だけがすべてじゃねんだよ。
そう言って、摘果をしながら笑う組合長の白田さん。
白田さんは、震災が起きた直後の3月15日、組合のみなさん7人で600個のおにぎりを握り、ご本人自らみやぎまで届けてくれました。電気、ガス、水道、食料がほとんどなく、だれもが困窮していたその時に、真っ先に助けてくれたのでした。
また、今月6月9日、10日には、山形共立社の組合員さんや職員のみなさんと一緒に、大谷果樹組合の生産者のみなさんも亘理や石巻まで炊き出しに来てくれました。
あれがあの時俺達ができた精一杯だったんだと照れ笑う白田さんは、こう続けました。
俺達は生協さんのおかげで食っていけるんだ。
生協さんが困っているなら、出来る限りのことをする。当たり前だよ。
俺達にはおいしいりんごをかせる(食べさせる)しかできねぇんだ。
協力するから、何でも言ってくれ。
うまいりんごを作るから。
ありがとうございます。
今年もおいしいりんご、待っています。
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