2011年6月4日土曜日

石巻の産直きゅうり 再スタートのために

休みを利用して、石巻の産直きゅうり生産者、阿部さんのお宅へ、ビニールハウス内の泥除け作業をお手伝いに行きました。
男・中澤さん、トラベル東さんも一緒に行きました。

石巻は、今回の震災で、津波による甚大な被害を受けた地域のひとつです。
今回の津波によってもたらされた瓦礫は、通常1年間に石巻で出されるゴミの100倍。100年分の瓦礫です。この量は、石巻地区だけで、今回の震災で発生した岩手県全体の瓦礫量を上回る量というからその被害の甚大さがわかります。

阿部さんのお宅とその前にあるきゅうりのハウスは、海から2kmも離れているのに、2m以上の高さの津波が襲いました。阿部さんのご家族は2階に逃げて無事でした。2階からボートで救助されたそうです。

津波がハウス内へ運んできたゴミ、海砂、汚泥を取り除く作業をしました。大きな瓦礫はすでに全国から来たボランティアによって出されていました。
土の表面には、海の砂がいっぱい。それらを深めに削り、一輪車でひたすらハウス外へ搬出しました。腰にきました。土を削っていくと、下から濡れてひび割れたサザンの「稲村ジェーン」のCDが出てきました。どこかの誰かのものでしょう。よく分からない部品やガラスの破片等もいくつも出てきました。

農家のみなさんへ「こだわりはなんですか」と聞くと、ほとんどの方が「土づくりです」「土がすべてです」と話されます。もちろん、こちらの阿部さんもでしょう。
でも今は、その土一面がこれ以上ないほど汚されていました。海水も深く染み込んでいます。
僕には、掛ける言葉が見つかりませんでした。
だから、ひたすら削り、ひたすら運びました。みんな同じでした。

ハウス内のひと通りの作業を終えると、最後に阿部さんは、「いつになるかわからないけれど、必ずまた産直きゅうりを作ります。これからもご支援よろしくお願いします」とお話されました。
明るく振舞う阿部さんのおかげで、今日参加したみんなも、最後には明るい気持ちで作業ができました。

右は紙面編集長の陣内さん。生産者ではありません。
左はグロサリのアシスタントの清水さん。ふたりとも顔を真っ赤にしながら頑張りました。

ずいぶんきれいになったハウス内です。
津波は、ハウス内に張られているビニールの高さまで上がったそうです。

再スタートのために、みんなで支えていきたいと思いました。

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