そしてよもや玄関の引き戸をガラッと開けて、まるで自宅のように片桐さんが家の中へ入って行きました。
ここは西塚家です。
おおう。。。
西塚さんに促されてお家へ上がると、家主のようにあぐらをかいて片桐さんが座っていました。
喉が渇いた!氷水が欲しいな!
そりゃあんだけ喋り続ければね。。。
山形市内はけっこう暑かったのですが、ここ銀山地区はとっても涼しい。
いつでも風が吹いているから、山形市内と比べると5℃位は違うそうです。納得です。
西塚さんが麦茶を入れてくれました。
片桐さんは「水でいいのに。。。悪いなぁ。。」と恐縮していました。
見た目の雰囲気とは裏腹な、遠慮深い片桐さんなのでした。
ちょっと休憩するんだと思っていました。
違いました。
ここからが本番だったのでした。
おつまみのような感じで最初に出されたのは。
アスパラのサラダと、アスパラのごま味噌和えでした。
サラダは梅のドレッシングで和えていました。
どちらもさっと茹でたアスパラに和えただけ。
う、うまっ!
アスパラと味噌って、合うなぁ。
突然のアスパラメニューに驚いていると。
山形の夏の味、「だし」。
それも、きゅうりのかわりに、アスパラを使った「だし」でした。
おいしい。。。
うなっている僕に、次から次へとやってくる。
アスパラのチヂミ。
これもうまい。
にらはにらでいいけれど、アスパラもいいな。
アスパラと牛肉の炒めたの。
アスパラを肉で巻いて揚げたの。
どちらもご飯に合う、なんとも悩ましい旨さです。
それにしてもアスパラの柔らかいこと。
どれも西塚家のおばあちゃんが考え、作ってくれていたのでした。
おばあちゃんはかなり有名人で、あの懐かしの食いしん坊バンザイから、最近はみのもんたのなんとかっていう番組にも出ているそうで、とにかく料理がすごい。
でも、今日のアスパラの極めつけはこれでした。
アスパラの味噌海苔巻き。
やっぱり、味噌とアスパラって合うなぁ。
そして、この海苔とのハーモニーですよ。
シンプルな中にも奥行きがあって。的な感じですよ。
止まりませんよ。
僕も。片桐さんも。
片桐さんは話も止まりません。
きざんだアスパラとなめこの汁物。
アスパラって何にでも合うんだなぁ。
おばあちゃんに直接聞くと、
若い人が朝から晩まで一生懸命作っているんだもの、なんとか無駄にしないで、おいしく食べて欲しいと思っていろいろ作ったんだよ。
無駄にしないで、全部食べて欲しい。頑張っているんだもの。
おばあちゃんの思いでした。
鮎ご飯。
香りがいい。
こんなのも出てきた。
カリカリしてほんのりあまくておやつみたいだ。
なんだと思うって聞かれても、3つ半食べても分からなかったなぁ。
最後の一口というところでヒントをもらってようやく分かりました。
そば粉を練ったのを揚げたものでした。
片桐さんは醤油をかけていて、娘に見られたら怒られるべなぁなんでも醤油かけてって、と言っていました。
うまいうまいって食べてたらまたサラダを持ってきてくれました。
料理はいかに簡単に作るか。
さっと作って食べられる。それが大事なんだよっておばあちゃんが教えてくれました。
ああそうだ。
このセリフ、美瑛の外山さんの奥さんもおんなじ事言ってた。
今日の最後に出されたのは、アスパラのデザートでした。
アスパラのフルーツサラダ。
アスパラを蜂蜜に浸けたものに、はっさくを和えて。
フルーツはなんでもいいそうです。
みかんの缶詰でも苺でも。
今回はどうしても写真を撮らせてもらえなかったおばあちゃんですが、次こそはと思っています。
だって、また来ると思うから。
その時はすみません、またご馳走になります。
大根についてもいろいろ教えてもらわなきゃないですからねふふふ。
野菜は、素材そのものをそのまま味わう果物と違って、食べ方、用途、使い方、切り方、煮方、季節の食材との組み合わせ、食べる時期と、いろんな要素が必要です。
特に今は、年がら年中、野菜は買えるし。
いつでも買えることが豊かなように見えて、実は必ずしもそうではない気がします。
肝心の「食べる時」が置き去りだと。
野菜の作り方とか品種とかももちろんとっても大切だけれど、実際にどうやって食べるかのほうが、実は生活者にとってはもっと大切。というか、切実。
今回の銀山では、そのどちらもを教えてもらったと思います。
そのまま、今の仕事に直結するなぁと思いました。
そういう意味で。
またご馳走になります。
すみませんあつかましくて。
とってもご馳走様でした。
ばあちゃんはTVの料理番組にも出てるんだよ。
返信削除ところで熊汁は食べたかい?
最高だよ!
ゴリラ
ゴリラさん
返信削除おばあちゃんの懐かしのアルバムたっぷり見せてもらいました。村野武範と一緒に写っていました。
ところで熊汁は食べてません。
楽しみは少しずつ、です。