2013年1月2日水曜日

父、跳ねる。

実家の父が、孫達が喜ぶだろうと準備していてくれたおもちゃは、まんまと我が娘たちに大好評でした。

ラケットのスイッチを押すとボールがポンと跳ね、その跳ね上がったボールを、相手が自分のラケットで落とさないように受け取る。

いたってシンプルな遊具です。

とてもあたたかい元日だったので、娘たちと父の3人で、さっそく庭で遊んでいました。


ボールが跳ねる。

なんとか受け取る。

あさっての方へボールが飛ぶ。

追いつけない!

もう一度だ!


一番喜んでいたのは、たぶん、66歳の父でした。

一番跳ねていたのも、たぶん、父でした。


その光景を、僕は居間の日なたの窓際から見ていました。


そのおもちゃは、ひとつ100円。

2人分なので、200円です。


ささやかでいいのです。


家族がみんな揃っていて、珍しく暖かい正月で、餅やおせちでお腹がいっぱいになって、200円のおもちゃがあって、子どもたちが笑っていて、お年玉もしっかりもらって、冬の茶色い芝生の上で跳ねる父が底抜けに楽しそうで。


昨年まで積み上げてきて、今年さらに積み上げていく知識や経験は、そんなささやかな幸せを実現するための要素の一つであって。

大切なのは、むしろ、そんなささやかな、ありふれた喜びに気づける自分でいることだと思います。

油断すると、その全部は、すぐにただの当たり前になってしまいます。

あまりにささやかなだけに。


今年一年もいい年でありますように。

今年もよろしくお願い致します。

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