その方は、特別な思いを抱えて仙台に来られました。
あの地震のあと、「頑張るよ」と言って頑張れなかった仙台の友人のことを思って。
頑張れなかった理由を、知りたくて、知りたくなくて。
僕は聞かれました。
「なぜ、君は頑張れたんだ?」と。
その方の友人は、家族も皆無事で、仕事もあったそうです。
なのに、なぜ。
友人がいなくなってしまった去年の6月から、ずっと、その「なぜ」がぐるぐると心の中を回っているようでした。
理由が知りたいんだ。
でも、知るのが怖いんだ。
まもなく還暦を迎ようとしているその方は、振り絞るように胸のうちを明かしてくれました。
翌日、何箇所か、被災地を案内しました。
何か納得できるような手がかりを見つけたのか、別れ際には、幾分静かで穏やかな表情をされていたのが印象的でした。
遠く離れていたって深く傷ついている。
遠く離れているからこそ、傷が深まることもある。
そう思いました。
その方から、今日素敵な贈物が届きました。
同梱されていた手紙には「またお会いできる事を信じ、楽しみにしています」とありました。
ありがとうございました。
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