「子規の愛した菓子パン」。
松山空港で売っていました。
つぶあんのアンパンを一つ買いました。
松山の俳人、正岡子規が随筆に残していた菓子パンを、昔のままの作り方で復刻させたのだそうです。当時はイーストがなかったので、米と米麹を発酵させた「酒種」というものを使ってパンを発酵させていたそうです。
ほんのり上品なお酒の香りがする、と言われればするような気もする。
これが、明治の香りなのか。
嗅いだことがないのでよく分からないけれど、そう聞くとなんかそんな気がしてきます。相変わらず単純ですみません。
その気になってアンパンをちぎったら、ふいに、なんとも唐突に、宮城県の県北に昔のまま残っている古い住宅地のことを思い出しました。
栗原市鶯沢(うぐいすざわ)というところにある、かつて鉱山で働いていた人たちが暮らしていた、佐野住宅という住宅地です。
そこは、昭和の香りがむんむんでした。
街並みがあまりにきれいに残っていたので、「東京タワー ~オカンとぼくと、時々、オトン~」という映画のロケ地になりました。
写真は2年前に訪れた時のもの。最後の写真はオカンの部屋だそうです。
今は地震の影響があって住宅街の敷地内に立ち入りできないようです。
平成は、、、まだ香りではなく「匂い」ですね。
明治の香り。昭和の香り。
過ぎ去った時代はなんとなくやさしい。
だから安心するのでしょう。むしろ、安心したいのでしょう。
時代の香りの中に無意識に探しているのは、もう会えないいつかの誰かなのかも知れないな、と思いました。
オジサンの世代はまさしく3丁目の夕日そのものでした。
返信削除紙芝居屋さんが広場にくると、こどもたちが群がってみていました。ソースせんべい・水飴・ニッキ飴などなど遠い記憶の彼方に去っていった幻かもしれません。
佐野住宅を見学に行ったとき、家から祖母が出てきそうな雰囲気だったのを覚えています。
昭和の香りはどこか古本屋の香りににて懐かしい香りです。
平成の香りは何もかも人工的な香料に感じます。
チョイワルオヤジさん
返信削除佐野住宅、いいですよね。古本屋の香りもいい。
五感って、忘れないものですね。