2011年9月23日金曜日

季節の便り

紙面にりんごの箱を掲載するためりんごの5kg箱が必要になったので、大谷果樹組合の志藤さんに電話をして、送ってもらうことにしました。

りんごの収穫が忙しいさなか、分かってはいるけれど時々電話をするのですが、いつも快く快活に電話に出てくれる志藤さん。ありがたいです。

今回は、撮影のため、「箱」だけが必要だったのです。箱だけでよかったのです。

それなのに、届いたのは、重い箱。。。


開けると。。。


なんとなんと、ぎっしりと果物が入っているではありませんか。


秋姫プラム。


オーロラ。

どちらも立派なものでした。

気を使わせてしまいました。

でも、とっても嬉しかったです。


ギフトでおいしい果物が届くと嬉しくなる。それはきっと、それが美味しいから、だけじゃない。その後ろにあるいろいろが嬉しいのだと思いました。
届いた箱を開けた時、その気持ちが、よ~く分かりました。

収穫している風景。山々の秋が深まってきている様子。冴え冴えとした空気。きっと空は高いんだろうなぁ。

行ったことのあるところや、元住んでいた故郷であれば、なおさらパッと思い浮かびます。

そして、送ってくれた人の表情などに思いが及び、元気でやっているんだろうなぁと思う。


たぶんきっと、送った側も、喜ぶ僕たちのことを想像して、送ってくれたのだと思います。

言葉以上に、伝わるものってあるよなぁと思ったのでした。


志藤さん、ご馳走様でした。

オーロラがもう少し黄色く色づいたら、みんなで頂きますね。

2011年9月22日木曜日

遠くの里から、ようこそ。

台風をくぐりぬけ、センターへは今日も各地から続々と野菜・果物が届いています。

山形県朝日町の大谷果樹組合からは、サンつがる。
サンつがるの「サン」は、太陽のサン。袋をかけず太陽をいっぱい浴びて育ったりんごは、おいしい。やっぱり今年もおいしい。

宮城県角田の産直の豊水なし。
ぎりぎりまで熟度をあげてから収穫するので、おいしいです。同じ県内で、出荷先もはっきりしているから出来ることです。

福島からは産直センターふくしまの産直ピオーネ。
生産者の遠藤茂さんからのお手紙入りです。一品一品に思いものっています。

北海道名寄からはいしけんさんのとうもろこし。
最北端のとうもろこしです。北緯44度です。夏でも寒暖の差が激しいため、おいしいとうもろこしが出来るのです。澄んだ空気が懐かしいです。

地元仙台から、曲がりねぎ。生育途中で一回引っこ抜いて、もう一度斜めに植えなおすので、上に伸びようとして曲がるのです。B品ではありません。わざわざ手をかけ曲げています。甘くてやわらかくて、鍋に最適です。

北海道増毛から、パートレット。西洋梨です。
とってもデリケートな果物。ラ・フランスが始まる前の、秋の味覚先取りです。
増毛は、とても静かな町でした。

北海道東川からは、矢澤さんの産直大根。
ここのところ天候が厳しいのですが、よくぞ届いてくれました。土がふかふかで、さらには畑が広大で、パオパオの被覆作業が大変だったのをよく覚えています。

NZから、有機栽培のキウイ。
Mt.マンガヌイのふもとで見た朝日が懐かしく思い出されます。
あんなにきれいな朝日はあれから見ていません。

遠くの里から、近くの里から、宮城へようこそ。

食べてくれる人の手元まで、あともう少しですよ。


2011年9月20日火曜日

虹色



福岡県八女(やめ)。

鈴なりになっているのは、ただのキウイではありません。
「レインボーレッドキウイ」といって、中が赤いキウイです。

酸味がほとんどなく、とにかく甘い。
そして、普通のキウイにくらべ一回り小さい。

ここ「JAふくおか八女」では、普通のグリーンのキウイ(ヘイワードという品種)は、最低12度以上の糖度があるものしか出荷せず、糖度15度以上のものについては、特上クラスとして「博多甘熟娘(うれっこ)」として別枠を設けて出荷しているのですが、この「レインボーレッドキウイ」は、たいていのものが普通に糖度15度を越してしまうそうです。なかには17、8度までいくものも珍しくないとか。ちょっと甘すぎです。「15度以上」を出荷基準にしているわけではないのですが、まずほとんど甘いです。

はじめて食べたときは、びっくりしました。赤いし甘いし。
(写真はまだちょっと未熟な状態です)

そしてもう一つびっくりは、冷蔵庫に入れておいても、追熟してしまうこと。
グリーンのキウイは収穫したら結構なが~く貯蔵し、追熟をさせてから出荷しています。貯蔵が効くのです。
レインボーレッドは冷蔵庫に入れても追熟してしまうから貯蔵が効かないので、年間のほんのちょっとの間しか食べられないのです。
毎年10月だけに食べられる期間限定フルーツです。

あいにくの雨の中、キウイの棚の下で、これから台風さえあたらなければ今年は豊作だ、と産地の方は複雑な表情で言っていました。
ここ2年間、雨や酷暑にやられ、大変だったそうです。ようやく今年、ここまでたわわに実ったようです。



福岡を出た後、熊本長洲港からフェリーで島原半島へ向かいました。

気づいたら、さっきまで降っていた雨が上がっていました。

そして、空になんとも大きな虹がかかっていました。

久しぶりに見た、あんなに大きな虹でした。

虹は、夕闇に紛れ、ゆっくりと消えていきました。

2011年9月19日月曜日

黄昏に染まる

長崎県佐世保に来ました。

1ヶ月ぶりに訪れたのですが、先月から産地の状況は刻々変化していました。

全国的にそうですが、ここのところ日照りが強く、ここ長崎でもみかんの「日焼け」が発生しておりました。

色づいたのではありません。日焼け(ヤケ)です。
こうなったみかんは、もうおいしくありません。出荷できません。
ためしに食べてみたけれど、水気が少なくごそごそする感じでダメでした。

そうかと思えば産地によっては大雨が続いたり。
この時期の雨はみかんの食味がぼやける原因にもなるため、よろしくありません。
次から次へと生まれる台風も心配です。


今年は表年ですが、収穫量も、味も、心配事は尽きません。

でも、まじめにまじめに続けているところは、きっとその努力に報いてくれる。そう信じてみんながんばっています。僕も信じています。



みかん畑のむこうに、日が沈んでいきます。
暑い暑い一日がようやく暮れていきます。

黄昏のやわらかい光に、みかんたちも“ほっ”としているように見えました。

2011年9月18日日曜日

勇気100%


週間天気予報では雨の予測すらあったのですが、当日は真夏以上に暑くなりました。
車の外気計は35℃を指していました。

下の娘の幼稚園最後の運動会。

頭上の空は秋の高さなのに、遠くの雲は真夏の雲でした。

プログラム最後に園児総出で披露されたマスゲームは、「勇気100%」の音楽にのせて。
飛んだり跳ねたりしゃがんだり振り向いたり叫んだりしていました。

一日ずっとビデオカメラのファインダーから見ていました。
最後の最後、カメラから目を離し、少しだけ直接見ることが出来ました。

生まれて3日後に大きな手術をして、その後も頻繁に入退院を繰り返すほどだった彼女も、今ではクラスで2番目に大きくなりました。今回の地震も健気に乗り越えてきました。

しみじみと、いろんなことがあった6年間だったな、と思うのは親だけでしょう。

それでいいのです。


そうさ100%勇気 もうがんばるしかないさ
この世界中の元気 抱きしめながら
そうさ100%勇気 もうやりきるしかないさ
ぼくたちが持てる輝き 永遠に忘れないでね
(勇気100%)

2011年9月16日金曜日

食べ物は、誰かが作ってくれている。

9月11日(日)、産直センターふくしまでの、産直ツアーの昼食。

昼食はいつもの、婦人部のみなさんの心づくしの手料理。

昼食前にみんなで餅搗き。
老若男女、生産者。

みんないい笑顔でした。


みんなで搗いた搗きたての餅。

具沢山豚汁。

茄子炒り。

絶品漬物。

そのほかにも福島県産の米を使ったおにぎり、かぼちゃの煮付け、とれたてトマトなどなど。

見た目の豪華さはないかもしれないけれど、最高に豪華な昼食でした。

たぶん特別な思いで作られたのだと思います。

一つ一つがどれもおいしかった。

組合員さんからのごちそうさまの挨拶の中で、私たちが買い支えていきます、という言葉がありました。

食べ物を作る人がいなくなって一番困るのは私達。作っていただくことに感謝しながらこれからも買い支え、食べていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。今日はありがとうございました。ご馳走さまでした。

参加したみんなが、たくさんの感謝をしながら頂きました。

食べ物は、誰かが作ってくれている。
お金を出せばどこでも買える今だけれど、作ってくれている人がいることを忘れてはいけない。だって自分では作れないのだから。

そんな風に思ったのは僕だけではないはずです。

産直センターふくしまのみなさん。おいしくいただきました。ご馳走様でした。

2011年9月15日木曜日

つながっていれば 私たちは負けない

9月11日(日)福島市にある産直産地、「産直センターふくしま」で、毎年恒例の収穫体験ツアーが開催されました。

毎年恒例、ですが、今年は特別な年でした。

震災の影響で、今年の収穫体験ツアーは中止の予定でした。けれど、6月の提携協議会の時、産地から「もし出来ることなら、今年も交流ツアーを企画してほしい」という要望がありました。
(写真は6月29日協議会の時のもの)
それならば、と。もし参加者が一人でも二人でも、主旨に賛同してくれる人がいるならやろう!ということになりました。

とは言うものの、どれだけの人が応募してくれるかは不安でした。日に日に放射性物質汚染の話題は大きくなり、肉牛や稲わら、腐葉土にまで影響があると報道されていきました。

けれど、ふたを開けてみれば、予想以上の参加者が申込をしてくれたのです。参加者総勢48名。それだけで感動してしまいました。


当日朝は霧雨模様でしたが、次第に雨もあがりました。

午前中は遠藤茂さんのピオーネ畑で収穫&直売。
直売品は完売しました。
最高においしいピオーネでした。みんな最高の笑顔でした。
遠藤さんの晩酌の時のため息が、一つでも減ってくれるといいなと思いました。


昼食会場に着くと、そこで待っていたのは壁に掲げられたメッセージ。

「サンネット産直 ようこそふくしまへ つながっていれば 私たちは負けない!」
短い言葉に込められた思い。

消費者交流を最も大切にしている産直センターふくしまですが、今年は交流が全くない。唯一サンネットのこのツアーだけです。生産者みんな喜んでいます。今年のテーマ「つながっていれば 私たちは負けない」。本当にそうだと思います。今日ふくしまに来てくれて本当にありがとう、と理事長で梨生産者でもある阿部さんが挨拶で話されました。

事務局の服部さんからは、福島の厳しい現状をお話いただきました。

子ども達の県外への転校が増え、夏休みだけで1000人が転校したこと。子ども達はみな24時間線量計をつけていること。先行き不安な中それでも栽培を続ける生産者の思い。東電の対応について。苦労して育てた桃が5kgで250円にしかならないという、依然厳しい販売環境。
そんな中のこのツアー。こんなに来てくれた。本当に嬉しい。ありがとう。ありがとう。

涙をこらえながら、ときおり声を震わせながら話す服部さんの言葉は、一つ一つが重かった。


昼食をはさんで、午後は阿部哲也さんの梨園で収穫体験。
おいしい梨の見分け方や、上手な梨のとり方などを伝授されながら、大賑わいでした。
甘くて果汁たっぷりの梨は最高でした。そして、阿部さんのおばあちゃんのお漬物も最高でした。
写真中央のエプロンの方が阿部さんのおばあちゃん。作り方を教えてもらってホクホクです。

最後に、みんなで感謝と応援の思いを込めて寄せ書き。

笑顔いっぱい、感謝いっぱい、気持ちがいっぱいのツアーになりました。

産地のみなさん、参加されたみなさん、ありがとうございました。

2011年9月13日火曜日

十六夜月に照らされて

今夜は十六夜(いざよい)。

十五夜の翌夜に昇る月を十六夜月(いざよいづき)と呼びます。

月の出が十五夜よりも少し遅いので、月が昇るのをいざよう(ためらっている)ように見えることからこのように呼ばれたそうです。



今夜は少し帰るのが遅くなりました。

目の前にやるべきことがたくさんあるのは、きっと幸せなことなのだと思います。
今の僕は、いろんな分からないこともあるけれど、とにかく前へ進む時なのだと思います。

少し欠けた月が綺麗でした。



いつだって ほんの些細なことに勇気づけられた
昨日より 一つだけいいことがあればそれでいい

十六夜月に照らされて 地図を持たずに舟に乗る
愛し合いたい人がいる 町へと今日も舵を取る

(十六夜月に照らされて)

2011年9月10日土曜日

布田さん、やるね。

志津川の土のう作りの休憩時間に、ちょっと買い出しに出かけた時のこと。



現在、青果セットセンター長の全農みやぎ布田さん。
志津川へ取材に来ていたテレビクルーに、仙台弁で気さくに声をかけていました。

「どっから来たのっしゃぁ~?(どこから来たんですか?)」

返事はといえば。

「$※○▼※△☆▲※◎★●・・・・・・・・・・・・・!?」

???


パリから来たフランス人だったそうです。

なんとなく通じたそうです(本人談)。
ほんとかなぁ。


フランスで放送されてしまうのでしょうか。布田さんの流暢なネイティブ仙台弁が。

布田さんでもいいのだけれど。

フランスにとって、世界にとって、ここにはそれよりも伝えてほしい情報がまだまだありますよ、と思ったのでした。

その気持ち


南三陸町はとても暑く、逃げようのない炎天の下、10時~15時の1000体の土のう作りは過酷でした。こまめに休みをとりつつも、ふうふう言いながらジャリジャリやりました。


牡蠣のいかだの重しにするための土のうは、砂利をたくさん詰めて作られているということを初めて知りました。というか、土のうを使うことすら、この前までは知りませんでした。

7月18日にお手伝いに来た時は、むしろ「お手伝い体験」でしたが、今日はなかなかホンモノでした。
大雪の日の配達が喜ばれるように、大変なことこそ喜ばれるもの。みんながんばりました。


今回、コープとうきょうの羽村センターから、わざわざ休みを利用して参加してくれた佐藤さん。

自分も何か出来ることがあればと思ってボランティア登録していたんです、とお話ししてくれました。

佐藤さんのお住まいは八王子。偶然ですが、八王子は僕が生まれた町でもあり、佐藤さんは、僕が2歳まで住んでいたところから自転車で10分のところにお住まいだそうです。東京都だけれど、結構遠いです。その遠さはよく分かります。何かしたいと思っていても、実際に行動はなかなか出来るものではありません。相当凄いなと思いました。

佐藤さんも炎天の下、みんなに混じって淡々と砂利詰めをしていました。みんな握力がなくなっていくほど厳しい作業だったのですが、佐藤さんは最後には「案外大丈夫でしたよ」と明るく笑っていました。翌日は石巻にある生協店舗へ、コンサート会場の設営作業をしに行く予定だそうです。

飾らない控えめな笑顔から、その気持ち、ホンモノだなぁと思いました。
稚拙な言葉だけれど、やっぱり凄いよ、と思いました。
出会えて良かったと思いました。

あの日から半年。
もう半年、まだ半年。

遠くで、近くで。

気持ちが行き交っていると感じます。



今日も、南三陸の海は穏やかでした。

2011年9月9日金曜日

「秘密」のおすそ分け

出張で産地をまわると、たくさんの「秘密」のおすそ分けをいただきます。

それぞれの土地で、その土地にあったやり方で、長年の研究と経験で培った秘技があり、時々それを教えていただくことがあります。



先週訪れたみかんの産地は、秘密がいっぱいでした。
みかんの産地はいくつも訪問していますが、ここで聞くことは初めてのことばかりでした。

むしろ、みかん栽培の王道とは真逆のことがいっぱいありました。
分かる人には、この樹の作り方でわかるそうです。

今回、この貴重なみかんも、すこしおすそ分けしていただくことになりました。
11月ころ、お目見えです。

おすそ分けされた「秘密」は、もちろん秘密です。
悪しからず。

2011年9月8日木曜日

木星も見ている



夜になるとひんやり冷たい風が吹いてきます。

日中は結構日差しがあるのですが。

9月に入ってから、夜毎少しずつ夏と秋が入れ替わっていくようです。


夜道を歩いていると、東の空、牡羊座の下あたりに、ひときわ明るく木星が輝いていました。
すすきの上にぽつんと光る星がそれです。

自分では気づかないけれど、いろんな人に支えられているんだなぁと感じる時があります。


秋の空は、一年で一番空気が透明な気がします。
普段は小さすぎて見えない星も、なんだかよく見える気がします。

気持ちのよい季節になってきました。

2011年9月6日火曜日

青い柿



まだ柿は青かったものの、台風の被害を免れたこともあり、量も大きさも今年の秋は期待できそうです。柿好きとしては嬉しい限りです。

ここ紀ノ川農協では、柿を農薬・化学肥料を半分以下に抑えて作っています。
もともとそれらの使用を抑えていたので、ハードルは低かったんですよ、とは、生産者の吉岡さん(写真左)と井上さん(同右)。
 

転げ落ちそうな急斜面で作っています。
その急斜面のおかげで、日当り良好、水はけ良好、風通し良好。人に厳しい環境の分、おいしい柿が出来る好条件でもあります。

振り返れば有機栽培のキウイがあり、特別栽培の梅もある。

青い柿が色付くころ、またここへ来る予定です。
初めて来る人たちを案内する予定なのです。

厳しい坂を登り、一生懸命な人達と会い、秋の果実を食べる。
その時、みんなはどんなことを思うのだろう。

僕が初めてここを訪れた時のことを思い出し、ふとそんなことを思いました。

もっともっと産地へ来なければ。
何度も来たところでも、常に新しいことを聞き、目を養わなければ。
分かった気になってしまわないように。
いつも自分に言い聞かせているのですが、さてさてどうでしょうか。

青い柿はまだまだ青い柿のまんまです。

2011年9月5日月曜日

あすという日が

帰りの飛行機の中、ANAの機内音楽で合唱のチャンネルがあり、その中の1曲に、仙台市若林区八軒中学校の生徒が歌う歌がありました。

八軒中学の合唱部が全国コンクールに出るはずだった3月19日、震災の影響で出られなくなった生徒たちに発表の場をと、父兄の提案で学校の体育館でその日に歌うことになったそうです。

避難所になっていた体育館で、避難している人たちに音漏れしてしまうことを了解してもらおうと説明したところ、私達も聞きたい、という声が多く、避難所のみんなのために歌う、という主旨に変更、みんなに聞いてもらったということでした。

「あすという日が」という歌でした。


今 生きて いること
いっしょうけんめい 生きること
なんて なんて すばらしい
あすと いう日が あるかぎり
しあわせを 信じて
(あすという日が)


まだ台風の影響で揺れる飛行機の中、僕は高校の頃の吹奏楽部時代を思い出していました。
みんなで音楽を奏でるっていいな、音楽はいいなと思いました。

窓の外では、まもなく今日の太陽が沈もうとしていました。

2011年9月4日日曜日

産直提携協議会 in 紀ノ川農協

揺れながらも無事着陸した飛行機を降りた僕達は、空港までお迎えに来てくださった紀ノ川農協の松本専務の車で、一路紀ノ川農協を目指しました。

雲行きはあやしかったものの、不思議なほど穏やかな天気でした。
台風の進路予測が出た時点で、今のところ順調で豊作傾向だった柿の生産者たちは、「今年はもう終わりだ」と諦めていたそうですが、紀ノ川農協のある紀の川市は台風の直撃を免れました。しかし、上流にある池が決壊したため、「紀の川」は氾濫寸前の水量でした。
同じ和歌山県内でも甚大な被害があったところもあるだけに手放しでは喜べない状況でした。


特別栽培の梅、柿、はっさく、有機栽培のキウイなどシーズンを通していくつもの品目を頂いている紀ノ川農協さん。
台風の最中参加頂いた宇田組合長、松本専務、キウイ部会長の井上さん、柿の役員をされている辻本さんのみなさんから、生産者が本当に思っていること、紀ノ川農協で抱えている課題、交流事業の次のステップについて、産地だけでは出来ないので、一緒に取り組みをしていきましょう、と提起がありました。

宇田組合長の「産地の再生と東北の復興。共通している課題があるとも思っています。同じ方向をむいて取り組みをすすめていきましょう」という言葉に、今年来年にとどまらない未来への思いを深く感じました。

表面には見えにくい部分にこそ、大切なことがあると思いました。

2011年9月3日土曜日

嵐の中へ

9月3日(土)、産直提携協議会のため和歌山県紀の川市の「紀ノ川農協」へ行く予定となっていました。

台風12号が上陸しようとしていて、四国や岡山や三重で大きな被害を出し、和歌山でも川が氾濫しているという情報の最中、ANAのホームページ上でも、仙台発大阪伊丹行の飛行機は当然欠航し始めました。

でも、僕達の便は欠航の文字はありません。
半信半疑のまま家を出て、仙台空港へとりあえず向かいました。


空港に着いてみると、不思議なことに、僕達の飛行機だけ飛ぶようなのです。いつまで待っても欠航になりません。前後の便はすでに欠航が決まっていました。

予定通り行けて嬉しいと思いつつも、正直なところマジで飛ぶんすか大丈夫すか的な感じもありました。そんなはずはない、とも思いました。

でもやっぱり飛ぶようです。どうしても飛ぶようです。

いつものように、機内に案内され、優しいCAのお姉さんのシートベルトを締めてねというお願いと、脱出の方法について説明がありましたが、この日ほどリアルに聞こえた日はありませんでした。

もしかしたら仙台へ引き返すかも、とも言われました。

離陸が始まりました。心なしか機体がいつもより揺れるようです。気のせいだと思います。


日本を覆うほど大きな台風の中へ、いざ突入です。