北の空でひときわ目立つおおぐま座の尻尾、北斗七星のひしゃくの柄から、全天で3番目に明るいうしかい座の赤い星アルクトゥルス、全天で2番目に大きい星座おとめ座の青白い星スピカ。それらを結ぶ曲線を、「春の大曲線」と呼びます。
壮大です。
アルクトゥルスとスピカ、それに獅子座の尻尾デネボラを結ぶと、「春の大三角」が出来ます。
鋭く輝いていた冬の大三角に比べると、少しぼんやりです。
人類が星に興味を抱くようになったきっかけは、農業だったそうです。
農作物の栽培や収穫の時期を知るため、古代の人々は、太陽や月や星を観察して、その位置によって季節の変化を予測するようになったそうです。
そのようにして得た知識を後世に残すため、文字を持たなかった人々は、自分たちの神話に登場する人物や動物を星の位置と関連付けて、「星座」として夜空に描いたのだそうです。
稲穂を手に持つ、春の星座おとめ座は農業の女神。
稲穂にあたる部分がスピカ、和名は真珠星です。
九州、四国など、南のほうは、すでに春らんまんでしょうか。
仙台もだんだんと暖かくなってきました。
でも、もっと北の方は、まだまだ冬なんだろうなぁ。先週の弘前のりんご畑はまだ雪の中だったもんなぁ。
もう、東の空の低いところには、夏の星座さそり座の上半分が見えていました。
それを恐れて、さそりに命を奪われたオリオン座は西の地平へ逃げ隠れて行きます。
古代から続く、終わらない追いかけっこです。
季節は今年も、それぞれの土地に、気づかないほど静かに、当たり前のように巡ってきます。
それを迎えられるということは実はとても幸せなことなのだなと、星空を見て思うのでした。
幸せは途切れながらも 続くのです
(スピカ)
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