2011年2月4日金曜日

どっちが偏っている?

昨日から、和歌山の紀ノ川農協に来ていました。

話題はTPPのことになり、東北の生協は反対の立場を明確にし、署名活動や学習会などを始めています、とお話しすると、紀ノ川農協の松本さんはとても感動されていました。
そして、松本さんはまったく逆のことを話し始めたのです。
それは、とても悲しい話でした。

ある生協での話です。
生産者が集まる会議のなかで、組合員の代表の方がTPPについて考えをお話されたそうです。それぞれ置かれている環境もあるからいろいろな考えがあってもいいと思いますが、そこで出たお話の主旨は「うちの主人は輸出入の関係に務めているからTPPには賛成だ」という話だったそうです。この場で、その立場で、多くの生産者を前にして言うべき発言か?そんな極個人的な話を?と愕然としたそうです。それぞれの立場があるから、それはわかる。でもここでそんな・・・。
また、TPPに関する資料をそういう場で出した時の反応、「生協は偏りすぎている」というものにも悲しくなると。いつもその反応は出るそうです。

でも、どっちが偏っている?

僕も不勉強ですが、大新聞もテレビも、TPPのいいことしか言わず、日本人の食や里山のことなどに触れている新聞はほとんどありません。
今食べている食料の多くが輸入品になった時、みんな気づくのでしょう。国産信奉がここまで強い日本人なのに、先が見えていないみたいだ、と言ったら、松本さんは一言、「マスコミが作る世論にみんな負けているんだ」。

TPP以外にも、いくつもお話をしてくれました。いずれも腹の底に残るような、悲しいお話でした。

だから東北の生協のとりくみに、松本さんは感動されたようです。
その生協は、まだTPPに対してどのような立場をとるか、明確にしていない(できない)ようで、これからだそうです。
生協にかける、産地の期待はとても大きいと感じています。


和歌山城の向こうから、今日も一日がやって来ました。


明日も同じ一日が来ると思ったら、大間違いかも知れません。

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