2011年2月23日水曜日

青えんどうを煮て。

少し前の休みの日、青えんどう豆を砂糖で煮ました。
うぐいす豆です。

青えんどうを未熟な内に収穫したものが、「グリンピース」です。「むきピース」という名前でも売られています。
青えんどうを完熟させて煮た物が、うぐいす豆になります。

豆を煮ていつも思うことは、昔の人の知恵です。

今回煮た豆は、1年前のものでした。棚の奥底で、誰にも気付かれず静かに眠っていたのでした。すっかり忘れていました。男・中澤さん風に言うと、「され(=すっかり)忘れった!」っていうかんじです。

でも、水で戻してじっくり煮たら、ばっちりです。
家族にも大好評でした。

僕は「食文化」なんて全然語れませんが、寒さが厳しいとか、雨が少ないとか、雪が多いとか、海が遠いとか、交通手段がないとか、食料が偏っているとか、その土地の環境に合わせて、人々は柔軟に暮らしてきたことは、なんとなく想像出来ます。

僕の日々にレンジでチンは欠かせませんが、チンまでの1分30秒では、そこまで思い及びません。時間だけの問題ではないでしょうが。


明日から、全く環境の違う土地へ出張です。
そこで出来る物や、食べられている物、習慣に必然があるのならば、そんなことも感じてきたいと思っております。

2011年2月22日火曜日

2010年度、最後の委員会 

今日は、今年度最後の委員会でした。
みんなで2010年を振り返りました。

6月の初夏のメンバーのつどい。
テーマは「バナナ」。KIFAさん、ドールさん、住フルさん、日生協さんプレゼンツでした。
とても盛り上がりました。KIFA松本さんありがとうございました。

9月、委員さんのお一人のお誕生日会。
みなさん手作りの逸品をお持ち寄り。ささやかでも、気持ちのうれしいあたたかいお祝いでした。

10月の私の誕生日会。
びっくりサプライズで、みんな心のこもった手料理を持ってくれました。
鮭をご飯と一緒に炊き、醤油漬けしたいくらをのせた宮城県南部の郷土料理、はらこ飯。手作りデザートも絶品でした。
とてもとてもうれしく美味しかったです。
 

11月の秋のつどい。
カゴメさん、ホクトさんプレゼンツ。過去最高の参加者でした。
きのこ狩りも料理も、北村さんも最高でした。

12月のささやかな忘年会。
いらなくなった炊飯器で作った、玉ねぎまるごとポトフ。
みんな大絶賛。甘くてやわらかくて、しかも超簡単で。今年のアイデア大賞でした。
みんな本当に上手です。肥えてしまいます。


来年度の豊富がみんなからいっぱい出ました。

こんなことしたい、あんなことしたい、もっと委員さんを増やしたいね。
お楽しみもいろいろやろうよ。
私かぎ針覚えたいの。
なぁんだ、簡単だよ。教えてあげるから。目つぶっても出来るよ!
出来ない出来ない!(みんな全否定)

来月、新年度第1回目は、みんなで外に出る予定です。

きっと来年度も楽しくなりそうです。

みなさん、1年間ありがとうございました。
引き続きよろしくお願い致します。

2011年2月20日日曜日

窓際の柑橘たち

高層ビル28階の窓際。


遠く愛媛からやって来た柑橘たちが、下界を眺めながら、何か話しています。

「・・・・・。」
「・・・!」
「・・・・?」
「・・・。」「・・・・。」「・・・。」

じっと見ていると、だんだんそう見えてきます。

ありふれたものほど、再発見したときの驚きは意外で、新鮮です。

僕も、少しの間、彼らの会話に加わってみたのでした。

2011年2月19日土曜日

福島市場散歩

今日の夕方、私用で小学2年生の娘と福島中央卸売市場へ行きました。

娘はもちろん市場へ行くのは初めて。
ここに日本中から野菜や果物が集まって、ここからお店に行くんだよ、と説明すると感心していました。昨日の夜はっさくとネーブルを、今日はりんごを食べてきたので、とても身近に感じたようです。

さぁ、りんごの箱はどこにあるっ!
問題を出すと、くるくる場内を見渡し、中央に置かれたりんごの青い箱へ、勢い良く飛んでいきました。

今日は依頼していたものの引き取りでした。
あらかじめ訪問する旨を連絡しておいたので、福島丸果の佐藤さんはいつもの優しい笑顔で、僕達親子をあたたかく迎えてくれました。

この黄色い果物はね、切るとちょっと変わった色なんだよ。紅まどか、っていうんだ。どんな色か、あとで見せてあげるよ。
これはね、日本で一番小さいみかんだよ。名前は黄金柑。
こっちは、頭の大きさくらいあるねぇ。一番大きいみかんだね。晩白柚っていうんだよ。随分大きさちがうでしょ。持ってごらん。

3人娘のお父さんでもある佐藤さん。さすが慣れています。8歳の娘を見て懐かしいねと言っていました。上の娘さんはもう26歳になるそうです。あっという間らしいです。

娘に聞くと、「市場(いちば)」という漢字は2年生で習ったそうです。
先生が漢字を教えてくれる時、「市場」は、野菜や果物が集まる場所だよと意味を教えてくれたそうですが、今日実際に来てみて、そういうことなのか、とよく分かったのだそうです。

本当は依頼品の引取りだけの予定だったのですが、なんと野菜ソムリエ佐藤さんと新関さんのご厚意で、娘のためにプチ試食学習会をしていただきました。
彼女は、紅まどかと、

ブラッドオレンジがお気に入りでした。

黄金柑もおいしかったそうです。甘平にいたく感動していました。全部愛媛県産です。この4種類を食べた小学2年生は、東北地方ではまだあまりいないのではないでしょうか。超贅沢者です。

スーパーに当たり前の顔で並んでいるものも、誰かが作り、誰かが運んで、誰かが袋詰めをしているのです。でも、普段の暮らしの中では、こういうことは思いも寄らないことなのです。誰にとってもそうです。

子供の頃の体験は、きっとかけがえのない一生の財産になるでしょう。

佐藤さん、新関さん、ほんとうにありがとうございました。

2011年2月17日木曜日

遠山さんのバナナ


僕が生えているバナナを初めて見たのは、宮崎県でした。
もう4年も前です。写真はその時のものです。

生産者の遠山さんは、昔農大で植えてあったバナナを見て、いつか自分もと夢に思っていたそうです。それまではきゅうりやなすなどを植えたりしながら、その夢を抱きながら10年近くの歳月をかけ、独学で温室バナナの栽培を成功させたのでした。

フィリピン産のバナナや、沖縄の島バナナとは違う品種で、小ぶりで、食味はもっちりとしたおいしいバナナでした。数量がとても少ないことから、当時、共同購入では福島エリアのみでの扱いでした。


今日事務所に来られた守屋青果の阿部さんから、とても辛いお話を聞かされました。

遠山さん、今、バナナどころではないんです、と。

今日はじめて知ったのですが、遠山さんは畜産も手がけていらしたそうです。
去年宮崎を襲った口蹄疫は、例外なく、遠山さんの牛も襲ったそうです。

とても優良な牛だったそうです。

今も宮崎には多くの困難が降りかかっていて、宮崎の皆さんはすっかり疲弊していると、阿部さんはお話されていました。

あったかい遠山さんの笑顔が浮かびました。

遠山さんがまたバナナ作りを再開できるような、宮崎のみなさんが安心して何かに打ち込める安寧な日々が一日も早く来ることを祈っています。

2011年2月15日火曜日

木漏れ日 もう一つ

その日、和歌山は11年ぶりの積雪だったそうです。

そうだなぁ、見た感じ、積雪は2cmくらいでしょうか。
この2cmで、高速道路は通行止めになりました。

畑へ行く道すがら、幼い姉妹が解けて消えそうな雪をあつめて、小さな小さな雪だるまを作っていました。彼女たちにとっては、地元で見る生まれて初めての積雪だったのでしょう。もしかしたら初めての雪だるま作りだったのかも知れません。


今回の出張では、原田さんにとても多くのヒントをいただきました。
その中で特に印象的だったのは、「果専店が今も繁盛している理由」でした。

果物に対しての要望で、一番多いもの。
それは、「おいしい果物の見分け方を知りたい」というものだそうです。
以下、「試食をさせて欲しい」「果物の保存方法を知りたい」「食べごろを知りたい」「旬を知りたい」と続きます。

ここから分かること。
それは、それだけおいしくない果物が世の中に溢れ、売られているということ。原田さんはそれを「その店のロイヤリティ(信頼度)がない」と表現されていました。
失敗したくないから、試食や見分け方を知りたいのです。
だから、高級果専店が、繁盛するのです。
思い返して見れば、スーパー内に果専店がテナントとして入っていることは珍しくありません。青果コーナーで果物があるのに、です。


果物の絶対条件は「おいしさ」だよ。
そして大切なのは、「おいしさ」以外に、他にはない何かがひとつある、ということ。
たくさんはいらない。ひとつでいい。
覚えておきなさい。


まるで高級なバターのような果物の樹を見上げると、木の間からまぶしい光が射していました。

それ以外の何かひとつ。

「おいしさ」以外に、何か、ひとつ。

これから見つけたり作ったりしていければと思います。

2011年2月14日月曜日

「初恋の香り」と「あまおう」

「初恋の香り」は、白いいちごです。
熟しても赤くなりません。でも、ちゃんといちごの味だそうです。
超貴重品です。

「あまおう」は、言わずと知れた福岡オリジナルの大粒のいちご。
あかい、まるい、おおきい、うまいの頭文字をとって「あまおう」です。
果専店で、1粒420円で販売しているのを見たことがあります。
びっくりです。


今日朝、アシスタントの須藤さんから、この「初恋の香り」と「あまおう」をセットでいただきました。

それもなんと「特撰」です。


ごちそうさまでした!



2011年2月12日土曜日

木漏れ日

とある産地のとあるみかん農家を訪問しました。

写真は、そこで初めて見た風景です。
おいしいみかんが出来る秘密の一つがここにあります。
今まで正しいと思っていたこととは真逆のことでした。

教えていただいたキーワードは2つ。

「自然のままに」。
農薬や肥料を与えない、ということではありません。全くそういうことではないのです。

「僕達がみかんをつくるんじゃない。僕たちは手伝いをするだけなんだ。みかんは樹がつくるんだよ。自然とそうなっていくんだ。決してそれを忘れてはいけない。」


僕の父の実家は、20頭くらいの仙台牛になる肉牛を飼育しています。小さい頃はよく牛の餌やりを手伝いました。みんな同じ餌を食べているようで、一頭一頭、日々の体調に合わせ飼料の配合を変えていました。この牛は疲れ気味だから。。。この牛はお腹の調子が悪いから。。。この牛は食欲がないから。。。

こちらの皆さんとお話ししていて、おんなじだ、と思いました。
皆さんにとっては、樹は1本1本が違うのです。
だから、日によって、牛に例えれば餌のやり方(肥料のやり方・手のかけ方)が違うのです。

皆さん、お話ししている時の表情は、とてもキラキラしていました。
まるで、キラリ木漏れ日のようでした。

今から、秋が楽しみで仕方ありません。

2011年2月11日金曜日

流行のスープ


とうもろこしとさつま芋のスープです。
冷製スープです。

とてもおいしい。
自然な甘みとまろやかさがいい。さらっと飲むにはもったいない、奥の深い味がしました。

Soup-Stock-Tokyo(スープ・ストック・トーキョー)という、今最高に流行っているスープ屋さんのスープです。女性に人気なのだそうです。仙台駅にも出来ました。

北海道産のとうもろこしをもぎたてでペーストにしているそうです。
ベニアズマは甘みのある皮ごと煮こんで、最後に取り出すそうです。ブイヨンも、砂糖も使っていないそうです。自然解凍するだけでOKのお手軽さ。

月1会議で定例の「1分間プレゼン」で、冷食分類のイケメン鈴木商務が元気よく紹介したもので、共同購入で春頃企画予定だそうです。僕も1票入れました。

とてもとてもおいしいけれど、1袋(1食180g)480円。とてもとてもいいお値段です。

「ヘルシーだから」「なんかおしゃれだから」「野菜がとれるから」「安らぐから」
女性に人気の理由は、そんなことのようです。
480円、OLさんは、買えるよなぁ。


確かにおいしい。おいしい。

でも。

自分で作ると、もっとおいしいよ。






2011年2月10日木曜日

きっと、今も旬。 ~2月の安納芋~

ネロっとしてうなるほど甘い。
ネロあまです。

むしろ、スプーンですくって食べるのがいい。

種子島の安納芋を焼きました。

これはもう、上等なスイーツです。

あまりの糖度だからでしょうか、水飴状の蜜が皮ににじみ出て手がベタつくほどです。



平べったい種子島の上空を越えて、東から西から吹く海風が、豊富なミネラルを含んだ海水を島全体へ降らす。古代から続くその環境が、他では作れないこの味を作るのです。

秋に収穫されたものを静かに貯蔵。
デンプンが糖化され、さらに甘くなります。デンプンが糖に変わるため、食感はしっとり。いや、もはやねろねろです。

旬とは、出初めのはしりの時期、出荷や漁獲がピークの時期、そして一番美味しい時期。

どうしても出初めのときに大きな声で旬、旬と言いたくなりますが、はしりの時期が一番おいしいとは限りません。さつまいもやじゃがいも、かぼちゃなんかはその最たるものでしょう。魚でも初鰹より戻り鰹のほうが脂がのっておいしい、と男・中澤さんから教えてもらいました。

同じものが、食べる時期が変わるだけでおいしさが変わる。

知ることは、それだけで、とっても豊かになるのだなぁ。

アツアツのネロネロをハフハフ言いながら、ありがたくいただきました。

2011年2月9日水曜日

かんぺいちゃんがやって来た。

愛媛から、事務所にかんぺいちゃんがやって来ました。

漢字で書くと「甘平」。

「寛平」ちゃんではありません。

箱を開けると。
おおう。

食べると。
おおおおう。

甘平は、「デコポン」と「西之香」のかけ合わせで出来た新しい品種です。
甘くて平べったいから「甘平」。そのままそのままそのままです。

デコポンが親なだけあって、手で皮もむけるしじょうのう(内袋)もうすくそのまま食べられる。種もない。
そして何より甘~い。酸味もほどほどあり、まずうまい。
また「さのう」(粒々)も大きく、シャキッ!と食べ応えもあるのです。1月末から2月ころ出荷です。

そして、とってもお高いのです。
やって来たサイズは4L。1玉1000円~1200円くらいでしょうか。ちょっとした果物専門店だと、もうちょっとしたお値段がつくことでしょう。

表皮が薄いので、栽培中に皮の破けが多いことから栽培が難しく、まだまだ全体数数量が少ない貴重品です。産地は先日「宇和ゴールド」で訪問した「JAえひめ南」産。難しい品種にチャレンジしています。今日は清家 多美雄さんのものでした。

いくらどんなにおいしくても、庶民の買えないものはなかなか普及していかないと思います。
多くの生産者のチャレンジがみのり、数量が増えれば、今よりももっと買いやすくなり、広がると思います。高い理由も分かるけれど、果物は多くの人に食べてもらって喜ばれてナンボだと思います。知らないなんて、もったいない。

とはいえ、今はまだとってもセレブな果物、甘平。
気安く、かんぺいちゃん!なんて言えませんね。


気安くは言えません。

2011年2月8日火曜日

バスを待つ間

今日の帰路は路線バスです。

気温は1℃。

バス停までは、事務所から歩いて20分くらい。
風が吹いているから、もっと寒く感じます。

バスが来るまで15分ある。
バス停は橋の上にあるから、川から上がる冷気でなお寒い。

寒さで体が縮んでいくようです。
ポケットの中で強く握った手だけが汗ばんでいます。

iPhoneで音楽を聞きながら、行き交う車をぼんやり眺めていました。


ふりかえる事もたまにある 照れながら思い出す
遠くて近い つかめない どんな色か分らない
ゆっくり消える虹みてて トリコじかけになる
(虹)

とりとめもない日常のいろんなことが浮かんで、消えていきました。

弟も仕事がなかなか大変そうなこと。
県北の友人に電話をしていないこと。
もっともっと寒い北の大地のこと。
娘がオーディションを受けたこと。
お世話になっている方の体調のこと。
今年の4月、母が還暦を迎えること。

あ。
バスが来ました。

2011年2月6日日曜日

「うにの間」で朝食を

日本一の清見オレンジ(愛媛では清見タンゴールと呼びます)の産地、愛媛県三崎へ行きました。

愛媛県の西の先っぽ、矢印のところです。
14km先はすぐ大分県。三崎で途切れた陸上の国道197号線は、海の上の見えない道路で対岸の大分県大分市につながり、また陸上の国道197号線になります。船の航路が国道の一部という、珍しい国道が走る町でもあります。

今年の清見や、甘夏の枝変わりで出来た果実、サンフルーツ(新甘夏)のお話をさせて頂きました。サンフルーツは初めて食べたのですが、さっぱりしておいしかった。特に皮を向いた瞬間の風味がいい。甘夏よりも酸っぱくなく、甘みがありました。マーマレードにも最適。手作りマーマレードをいただきました。最高においしい。

オレンジのような太陽が豊後水道へちゃぽんと沈む頃、僕たちは本日の宿へ向かいました。
なんでも、四国最西端の宿ということ。「大岩」という名前です。どうやら民宿のようです。
そして部屋へ。

「ぐれの間」。

ぐれ?

これがぐれ。

この民宿の部屋は、すべて魚介類の名前なのでした。

すずきの間。さわらの間。2階にはさばの間、あじの間がありました。かんぱちの間、はまちの間もありました。
シブすぎです。

翌朝の朝食の部屋は「うにの間」でした。

「ティファニーで朝食を」という映画がありました。オードリー・ヘプバーンが主演した、ニューヨークを舞台に自由奔放に生きる女性を描いた、素敵でおしゃれなラブストーリーです。名作です。

「うにの間で朝食を」だったら、どんな素敵な女性が演じても、あまり素敵でおしゃれなラブストーリーは生まれなさそうです。

朝食の伊勢海老の味噌汁をいただきながら、三崎、侮れん、と思ったのでした。

2011年2月5日土曜日

知らないだけなのさ

今年は、劇的に国産柑橘が少ない。どの品種もおしなべて少ない。
どれも前年の60~80%くらいの数量だそうです。みんなが大好きなデコポンはいつもより1ヶ月くらい早くなくなるかも。
原因は、去年の春の低温と、夏の猛暑、干ばつ、秋の極端な干ばつ、12月の雨・・・。
おまけに、輸入のグレープフルーツも大玉がとても少なく、不作傾向です。

5月、6月と厳しい状況になりそうなので、なるべく早く動こうと考えました。
そして、意外なおいしさに出会ったのでした。
そう、これがまさか、こんなにおいしいとは思いませんでした。
前に食べたときは、皮はきたないし、種は多いし、甘いわけでもないし、さしておいしくないし、と思っていました。

でも。

松山市から130km離れたところに位置する愛媛県愛南町では、その果実の収穫は4月後半から始まります。
だから、今日食べたそれは、実際はまだまだ未熟者。確かにちょっと酸っぱかった。でも、充分食べられました。いや、おいしかった。なんといっても、皮を向いた瞬間の風味がいい。そして、種が全然ない。聞くと、これはもともと種のない果実で、種が入る場合は近くの別な果実の花粉がついた時だそうです。

その食味から、「和製グレープフルーツ」とも言われています。

その土地では、その果実は「宇和ゴールド」と呼ばれています。
旧・御荘(みしょう)町にある出荷組合では、町の地名の音に字をあて、「美生柑(みしょうかん)」の商標で出荷されています。
熊本では「ジューシーオレンジ」「ジューシーフルーツ」と呼ばれています。

いずれも同じ品種。品種名は「河内晩柑(かわちばんかん)」。

他の国産柑橘がなくなっても、7月上旬まで出荷される貴重な柑橘類です。
たわわです。なりかたもグレープフルーツに似ています。
さっぱりしていて、甘すぎない。苦味もない。きっと初夏の熱い空気の中で、キンキンに冷やしたこの果実はぴったりだと思いました。なんだ、輸入がなくてもいけるじゃんか。そう思ってしまいます。いや、グレープフルーツはそれで好きなので必要ですが。
石井さんもその意外なおいしさに驚き、思わずパチリ。

去年出荷が終わったあとにNHKで特集され、問い合わせ殺到、フィーバーしたそうです。でももう既にないのに。。。

柑橘の厳しいこんな年だから、今年はなおこの柑橘が注目されるかも知れません。
僕も、みんなも。知らないだけ。
そういうことって、きっとまだまだあります。
これうめっ!て思った驚きを、多くの人に知ってもらいたいと思いました。


生産者であり、農協の委員長(トップ)でもある濱本さん。なんと園地までの運転手までして下さいました。
飾らない笑顔が爽やかに弾けていました。

2011年2月4日金曜日

どっちが偏っている?

昨日から、和歌山の紀ノ川農協に来ていました。

話題はTPPのことになり、東北の生協は反対の立場を明確にし、署名活動や学習会などを始めています、とお話しすると、紀ノ川農協の松本さんはとても感動されていました。
そして、松本さんはまったく逆のことを話し始めたのです。
それは、とても悲しい話でした。

ある生協での話です。
生産者が集まる会議のなかで、組合員の代表の方がTPPについて考えをお話されたそうです。それぞれ置かれている環境もあるからいろいろな考えがあってもいいと思いますが、そこで出たお話の主旨は「うちの主人は輸出入の関係に務めているからTPPには賛成だ」という話だったそうです。この場で、その立場で、多くの生産者を前にして言うべき発言か?そんな極個人的な話を?と愕然としたそうです。それぞれの立場があるから、それはわかる。でもここでそんな・・・。
また、TPPに関する資料をそういう場で出した時の反応、「生協は偏りすぎている」というものにも悲しくなると。いつもその反応は出るそうです。

でも、どっちが偏っている?

僕も不勉強ですが、大新聞もテレビも、TPPのいいことしか言わず、日本人の食や里山のことなどに触れている新聞はほとんどありません。
今食べている食料の多くが輸入品になった時、みんな気づくのでしょう。国産信奉がここまで強い日本人なのに、先が見えていないみたいだ、と言ったら、松本さんは一言、「マスコミが作る世論にみんな負けているんだ」。

TPP以外にも、いくつもお話をしてくれました。いずれも腹の底に残るような、悲しいお話でした。

だから東北の生協のとりくみに、松本さんは感動されたようです。
その生協は、まだTPPに対してどのような立場をとるか、明確にしていない(できない)ようで、これからだそうです。
生協にかける、産地の期待はとても大きいと感じています。


和歌山城の向こうから、今日も一日がやって来ました。


明日も同じ一日が来ると思ったら、大間違いかも知れません。

2011年2月2日水曜日

昔話

神戸の原田さんから果物が届きました。

原田さんにお会いしたことは一度もなく、昨日3年ぶりくらいにおそるおそるお電話をかけてみるとなんと僕のことを覚えていて下さいました。

菅原統括あてに届いた柑橘についてのお電話だったのですが、とんとんと話がすすみ、これまたなんと今日僕あてに果物が届いたのでした。

清見オレンジ、デコポン、せとか、その他写真には写っていないちょっと素敵なもろもろでした。

そして、原田さんと近くお会いすることになりました。原田さんは、電話のむこうで僕の知らない昔話をしていました。その中の登場人物の一人は僕もよく知っているみやぎ生協の大先輩でした。今は農産から離れ別の部署となっていますが、今でもたくさんお世話になっている方で、他の生協へ行っても今でも名前が上がるほどすごい人で、僕の中では昔の横綱みたいな人なのです。彼とはいろいろやったねぇ、と原田さんはとても楽しそうでした。

たまたま別件でその方へ連絡することがあり、原田さんへお会いする旨伝えると、
「原田さんから学ぶことは「超」がつくほど多くあります。ハングリーにガツガツと分からないことは何でも学んできてください」とメッセージを頂きました。

もしかしたらお二人はしばらく顔を合わせていないのかも知れません。でも、それぞれお互いのことを言葉にする根底に、いろんなものを超えた深い深い信頼が流れているのを感じました。話題が昔の話しなだけなんだなと思いました。

新弟子検査で引っかかっている場合ではない、と大横綱の会話に挟まれた僕は、改めて思うのでした。

2011年2月1日火曜日

万象学

月に一度の委員会。

委員さん(組合員さん)の中に、「万象学」が趣味な方がいらっしゃいました。

万象学って何ですか?

万象学はね、その人の生年月日からその人の生まれ持つエネルギーを見るものなのよ。

占い?

占いではなく、とても科学的なもので、4000年前から中国で使われてきたの。いろんな占いの基礎にもなっているのよ。たとえばエネルギーが低い人は、自分にむかないことを無理に続けることはよくないの。自分の好きなことをコツコツすすむのが、その人にピッタリなの。無理をすると精神的に不安定になるみたい。
逆にこのエネルギーが高すぎる人は、そのエネルギーを発散させなくちゃいけない。エネルギーが高すぎる人が引きこもったりすると、家庭内暴力なんかが起きちゃうの。
でも、エネルギーは高い、低いに良し悪しは全然ないの。低くても、高くても、中くらいでもいいの。
これは例えば自分の子どものエネルギーを知ることで、その子にあった育て方が見つかるというように、大げさに言えば生きていく目安になるのよ。

へぇ~。じゃ、やってみてください。
私も(挙手)、私も(挙手)、私も!(挙手)


というわけで、委員会のみなさんが見てもらいました。そして1ヶ月後。難しい数表にいろいろ書いてくれ、計算してくれました。
僕はかなりエネルギーが高かったようです。
それも「守備面」が際立って高い。守備の高い人の特長は、平和主義で家庭的でロマンチストでコツコツこなすタイプで順応性が高いそうです。看護婦さんにむいているそうです。
逆に「攻撃面」がとても低かった。ダイナミックさがなくスピードがない。動乱の時代に花を咲かせない。会社創業者にむいていない。

書いていて情けなくなってきました。。。

人には向き不向きがあるということですね。

子どもや奥さんのことも見てもらうことにしました。