2010年11月25日木曜日

リレー

手元のノートに走り書きで書き留めたたくさんの断片は、生産者の思いの一部でした。

去年の7月、JAきたみらいの訓子府(くんねっぷ)地区で行われた「圃場巡回」に参加させていただきました。


「圃場巡回」とは、生産者みんなで、みんなの畑を見て回り、生育状況の確認や病気の発生などを発見、指摘したり、順調に進んでいるところの取り組みをみんなで共有したりする活動のこと。


聞く話によると、一般的に農家の方々はそれぞれに独自のノウハウを持っていて、なかなか他の人へは教えないそうです。でも、ここ訓子府のみなさんは、部会内でそれぞれの取り組みを交流し、部会全体でよりよいものを作ろうと力を合わせているのでした。

圃場巡回のことを聞いて、もっと玉ねぎ、じゃがいものことを、訓子府のことを、生産者の思いを知りたかった僕は、生産者の皆さんと膝つき合わせていろいろ話が出来る機会だ!と思い、一も二もなく「参加させてください!」とお願いし、参加させてもらったのでした。

圃場巡回が終わったあとは総勢80名くらいで大焼肉大会が開かれるのですが、ここぞとばかりに各鉄板をまわって、皆さんといっぱいお話をしました。
そして、聞いたことを忘れたくなくて、ノートにいろいろ書き付けておきました。

・川井さん(じゃがいも)
「減農薬をやり始めたのはたしか平成9年から。他の地区からは、出来ないと言われたんだ。初めは傷んで失敗もあった。でも、さきがけの10人がやりはじめ、出来ることを見せてくれたから、みんな出来ると思えたんだ。」

・佐々木さん(玉ねぎ。初代部会長?)
「減農薬の玉ねぎが出来た大きな理由は、人材が揃っていた。なんと言っても小中さん。訓子府はなんでも最初に取り組んだよ。消費地に期待すること?そうだね。産地でひょうが降ったら、「ひょうが降ったんだね」と分かってくれる消費地になってほしいな。ただの市場流通ではそうはいかないと思うから。」

・林さん(玉ねぎ)
「後継者がいるから責任がある。俺達はリレーだと思っているんだ。上から受け継いだものを、次へ受け継がなければいけない。農家には守るべきものが4つある。財産、土地、血筋、墓守。次へ受け継ぐのが俺達の責任だと思っている」

・斉藤さん(じゃがいも)
「私たちの部会は、自分たちで方針を決める。ルールを決める。自分たちで決めたルールだから、守る。選ばれる産地でありたい」

・林さん(玉ねぎ)
「農薬のカウント(散布回数)の少なさは本当に本当に厳しい。苦しい。でも、安全なものを届けたいんだ。安全なものを安定的な量で。これが大切だと思っているんだよ」


昨日、訓子府の産直じゃがいもの生産者2人(斉藤さん、得能さん)、産直玉ねぎの生産者6人(平田さん、太田さん、及川さん、山本さん、細川さん、須川さん)がわざわざ仙台に来てくれました。玉ねぎの平田部会長から、これからも末永くよろしくお願いします、と言っていただきました。
その言葉を聞いて、去年の7月、バーベキューの煙に包まれてみなさんから聞いたお話を思い出したのでした。

高い、安い。多い、少ない。今年のことだけでは語れない。来年もあるんだもの。そう平田さんはお話されました。ものの売り買い、やりとりだけでは、未来へは続かない。生産者のみなさんは、これからもずっと玉ねぎを、じゃがいもを作り続けていかれるのだと思います。リレーのバトン、しっかりつないでいきたいと思いました。
みなさん、ありがとうございました。

2 件のコメント:

  1. うちのリレーにも参加を宜しくお願いします。
    箱根駅伝のような長いレースですが・・・。

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  2. いしけんさん
    おはようございます。コメントありがとうございます。
    転んだり靴紐が切れたりしないよう頑張ります!
    こちらこそよろしくお願いします!

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