収獲真っ盛りです。
ここの玉ねぎは特に味も品質もいいと評判です。
今年は生育が順調で、特に数日前に一雨ふた雨あって、ぐんと玉の肥大がすすみ、おかげで収穫量が増える見込みです。
立派なもんです。
明日からまたちょっと雨が落ちるかもという予想もあり、そうなるとさらに玉は大きくなるんじゃないか、ということです。
そして、その状況を教えてくれた方の口から出たのは、ため息でした。
本当はこの状況を喜びたいんです。
特に去年は大不作だったから、なおさら。
でも。
今年は今のところ、豊作を喜べないのです。
なぜなら、不思議なほどに、玉ねぎが売れていないから。
それは、全国的な現象のようです。
ここの産地はそんなに極端に量が増えたわけじゃありません。
理由はいろいろあると思います。
南の産地が量が多いのか、北の産地の量がまだ相当あるからか。
はたまた、大不作だった年に入荷が増えた、海の向こうとの事情なのか。
そもそも、食べる量が減っている?
そんな目に見える単純な理由ではないのかもしれません。
ただ、こちらの玉ねぎは、世の相場とはちょっと距離をおいているので、こんな年こそ、つまりこんなに相場が安い時こそ、集荷する方は踏ん張りどきなのです。
今年だけの話ではないからです。
安い年だって高い年だって、玉ねぎの味は変わりません。
むしろ安い年こそ、品質がよいことの方が多いです。
熱心に特別栽培に取り組んでいる高橋さん。
ここでは、一つ一つ全部手作業です。
店頭にいつもと同じ顔で並んでいる、平凡な玉ねぎ1袋の後ろには、いつもたくさんの誰かがいるのです。
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