でも肝心なのはこれからです。
ということで、再び鳥取市福部町へやって来ました。
砂丘らっきょうの収獲真っ盛りでした。
右見ても、
左見ても、収獲真っ最中です。
掘り上げられたらっきょう達。
すぐ隣りの鳥取砂丘と同じ、きめ細かい極小粒の土気のない最高の砂がいっぱいついています。
この砂が、日本一の、「巻き」のしっかりした、あのシャキシャキのらっきょうを作るのです。
畑ではとにかく掘る掘る掘る掘る掘る掘る掘る掘るそしてまた掘る。
それを各農家の作業場へ運ぶ。
驚いたのは掘りあげたらきょうの運搬に使う車。
ほとんどレンタカーなのだそうですが、中国地方のレンタカーがもうほとんどここに集まるんじゃないかっていうくらい、らっきょう農家さんが借りるのだそうです。
あちらこちらにありました、広島ナンバー、岡山ナンバーが。
早いうちじゃないと売り切れ(貸し切れ?)てしまうそうです。
収穫したものを切子(きりこ)さんが根と先っぽを切って、
洗いらっきょうの原料の出来上がり。
洗いらっきょうにする切り方は、「太鼓切り」という、鳥取伝統の切り方。
5月末から6月いっぱいまでは本当に戦争のような忙しさで、らっきょうの園主さんは30人から多い人では100人以上もの切子さんを雇って作業をするのだそうです。
早い人では朝5時から夜遅くまで、ずっとずっと切り続けるのだそうです。
お給料は歩合で、沢山切れた人がたくさん稼げるのだとか。時間じゃないのです。
根を切り過ぎると「芯」が抜けやすくなり漬け上がりくにゃっとなってしまいダメ。
根を残しすぎると皮が剥がしにくくなることと、根が残っている分芽が出やすくなってしまうのだそうです。
ちょうどいい加減が大切で、とっても難しい。でもゆっくりもしてられない。
どれもこれも、獲りだめのできないらっきょうだからこそ。
スピードが肝心なのです。
これから加工場で洗われて、いくつかの工程を経て、
大きさを分けられて、袋に入れられて出来上がり。
洗いらっきょう、完成です。
一方根付きで販売するらっきょうは切り方がちょっと違う。
根は1cmくらい残します。先っぽも少し長めに残す。
これらはすべて、これから人の目と手だけで大きいもの小さいもの、いいもの良くないものに選別されます。
熟練の、手と、目で。
ここが心臓部だと聞きました。
人が心臓なのです。
根付きらっきょう、完成です。
もともと僕はらっきょうはあまり(というか全く)好きではありませんでした。
でも、単純なものですね。
自分で言うのも恥ずかしくなるほど、今ではおいしく食べられるようになりました。
数年前、事務所でらっきょう漬けをした方から手作りらっきょうを分けてもらったことがあるのですが、それが最初のきっかけでした。
そして、3月と今回がさらに僕をらっきょう漬けにしてくれたのでした。
今回あちらこちらでらっきょうをたくさん食べたのですが、いろいろ食べると分かりますね。何がおいしくて何がおいしくないのか。
よーくよーく分かりました。
らっきょうだけじゃない、何にでも言えることですね。
食べるのこそ仕事だし、勉強なのです。
今は、人生の土づくり中だと思っています。
らっきょうは、今からさらに完熟していき、しっかりした「巻き」のシャキシャキらっきょうになっていく時期です。
今年はあえて、ゆっくりその完熟時期をしっかりと待ってからお届けすることにしました。
すべては、3月にJA鳥取いなばの今崎さんから聞いた「1年間おいしく食べて欲しいから」です。
満を持して、再来週からお届けです。
いよいよです。