「ちょうど3つ不足していたので、収穫してもらえませんか」
JA鶴岡の「歴史メン(略してレキメン)」、今野さんはそう切り出したのです。
聞いてみれば、今日みやぎ、ふくしまへ出荷する「つる付き鶴姫レッドメロン4L化粧箱入り」が集荷場で3箱不足していたから、その分を今野さんが収穫するつもりだったそうなのですが、ちょうどよかった僕らに収穫させよう、と思いついてしまったのだとか。
むむむ。
むむむむむ。
むむむむむむむ。
自分が選んで収穫したものが届くのか、とちょっと怖気づきましたが、でも喜んで収穫させていただくことにしました。
畑、全面砂地です。海辺の砂浜と全く一緒。
下から砂が熱く、上からも灼熱。かなり暑い。
まずは品質のよいメロンの見分け方を、そして収穫時の注意点を教えてもらいました。
品質は、メロンのネット、そしてメロンの近くの葉が目安になるそうです。
ネットが細かいこと、ネットの盛り上がりがよいこと、メロンの花落ち部分がひび割れていること、
メロン近くの葉が充分実に栄養を送った痕跡があること、などなどなど、他色々。
こういったものは、きちんと育った証なのだそうで、ほぼ間違いなくいいメロンになっているそうです。へぇ~。
葉やつるが意外と鋭くトゲトゲしていて痛い。
ようやく一つ選びました。
また、つる付きなので、見栄えの良いつるの残し方や切り方もご教授いただきました。
谷口さんと二人で3個ずつ収穫し、その中から出荷してもらうものを選んでもらうことになりましたが、いやー、これがなかなか選べなかったな。
吟味する谷口さん。
収穫した後のお手入れ、玉みがきも教えてもらいました。
教えているのは、JA鶴岡のイケメン栗田さん。
普段はものを納めてもらう側で、収穫する瞬間のことへは思い及んでいません。
どんな暑い中で、どんな見極めをして、どんなハサミの使い方で、葉やつるのトゲトゲにさされながら、どんな風にメロンを磨き、どんな風にメロンを箱入れし運ぶのか。
何ヶ月もかかって収穫直前に台風や大雨、猛暑で全部だめになることだって、よく聞きます。
どこの産地のどんなものでも、そこにいる人の手がかかっている。
原料を入れたら出口から製品が完成して出てくる工業製品とは、全く違うのが青果物。
当たり前で頭では分かっていることでも、実際は頭だけなんだろうなぁ。
現場を歩き、体験すること、そこで感じること。そして、見たこと触ったこと感じたことを、活かすこと。
イケメン栗田さん、レキメン今野さん、ありがとうございました。