2012年7月21日土曜日

札幌黄

岩見沢、坂野さんの玉ねぎ畑。

極早生の玉ねぎはもう倒伏していました。
あと1週間もしたら収穫だそうです。

とにかく、今は雨が欲しいそうです。

紫玉ねぎも育っています。

岩見沢はここ2年間、北海道の中でも特に気象状況が厳しい地域でした。

大雨による洪水、長雨、日照不足、酷暑、干ばつ、そして今年の異常な豪雪。
今年の2~3月の大雪では坂野さんのところでも、3.5mあるハウスのてっぺんまで雪が積もったよ、と言っていました。

それでも今年は、今のところ雨は少ないけれども、昨年までに比べたらまだましだそうです。


坂野さんは、病気に弱く、収穫量も少ないため今は殆ど作られていない在来種の玉ねぎ「札幌黄」(さっぽろき)の「種」を作っているたった一人の生産者。

札幌黄は、病気にも強く収量が多い「F1」(一代交配種)が登場してからは、一気に廃れていった品種です。

畑には「在来」と札が立っていました。

坂野さんは言います。
札幌黄は、加熱するととにかく甘く、とろっと柔らかくなるおいしい玉ねぎ。
でも生だと辛いからね。甘いのは加熱してからの話だよ。

種を作り続けてきた理由?
やっぱり美味しい物を作り続けて、残していきたいからだよね。

カレー、味噌汁、肉じゃが。
この3つのメニューで使ってみて。きっと違いが分かるから。
いろいろ味付けしたりしない、シンプルな料理で生きる玉ねぎだね。


病気に弱いので、この2年間はとてもとても少なかったのですが、このまま天気が良ければ、今年は期待できるようです。


産地には、伝えたいことがさりげなくもたくさん転がっています。

2 件のコメント:

  1. 在来種の美味しいものが、量産型の品種に変わって廃れていくんでしょうか。
    在来種とF1種の味の違いを未来の大人たちにうまく伝えられないもどかしさ。
    このまま量産型の味が普通の味として伝えられるんだろうか?
    と思いつつも在来種拡大に対価を出せないジレンマ。

    複雑です。

    Byハマのオヂサン

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  2. ハマのオヂサンさん
    切ないけれど、廃れるには相応の理由があると思います。
    でもそんな中で、残そうという意志に支えられるものには、やはり理由(価値)があるのだと思います。そこには、単なる感傷ではない、れっきとした理由があると思うのです。例えば、他にはない味を持つ、だとか。

    その意志を継いで丁寧に伝え続けるのは、私達の役割なのだとも思うのです。

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