2012年5月25日金曜日

日川白鳳

日川白鳳。

白鳳の中でも、はじめに出てくる品種です。

今年は春が遅かったので、生育がとっても遅れていると聞いていましたが、花が咲いてからの気温がぐんぐん暖かく、結局去年とほぼ同じところまで生育が追いついたのだそうです。


今見えているここから、なんと多くてもせいぜい1個しか残さないそうです。

ここ、山梨の春日居地区では、徹底的に実を選び、選りすぐりのものだけを残し、他はほとんど摘んでしまいます。「摘果」と言います。選んで選び抜いたものを、大切に育てています。

そもそも、摘果の前に、摘蕾(てきらい)を徹底するのだそうです。
摘蕾とは、蕾(つぼみ)の段階で花芽を摘んでしまうのだそうです。余計な花を咲かせないために。

でも葉になる芽(葉芽)は決して摘んではいけません。

やはり、葉が命だからです。

ちなみにこの摘蕾作業は寒さ厳しい2月ころ。
2月の厳寒期に桃畑で脚立を立てているのは、同じ地域の他地区でもあまり見られないのだそうです。

やるべき時期に、やるべきことを、きちんとやる。

そう、とてもシンプルなことです。

なんでシンプルなことって難しいんだろう。
シンプルであればあるほど、難しい。

逆に、難しく見せることほど簡単なことはないよな、なんてぼんやり考えたりしました。


徹底した摘蕾、摘果を行うから、春日居の桃は他と比べても実の付きが少なく見えます。

そして、実の付きが少なく見えるということは、一つの実に対して、葉の枚数が多い、ということでもあります。

たくさんの葉で作った養分を、徹底して選り抜かれた数少ない実にたっぷり送る。

だからいい桃が出来るのだそうです。

なるほど、やっぱり、ここでも「葉」なんだな。

弘前の中田さんのりんご畑を思い出しました。
山形の滝口さんのさくらんぼ畑を思い出しました。

それでも、収穫直前に雨に降られると、残念ながら味は落ちてしまうそうです。
品質も不安定になってしまいます。

収穫2週間前になったら、もう雨は降らないで欲しいそうです。


摘果作業の済んだ隣の木では、選ばれた桃に袋がかけられていました。

あと1ヶ月と少しで、収穫です。

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