2012年3月10日土曜日

3月だというのに、外では勢いよく雪が降っています。

僕の住む地域は山の上なので、雪で真っ白になった家々の屋根が遠くまで見えます。

学生の頃に読んだ児童詩を思い出しました。

雪は、今この時、どんな境遇の人にも同じように降っています。

そういうことだなぁ、と思います。


今日の夜、近くの山で、2万発の花火が上がるそうです。


雪がコンコン降る。

人間は

その下で暮らしているのです。
(「雪」 山びこ学校)




2012年3月8日木曜日

はるかぜのたいこ


葉祥明(ようしょうめい)さんの絵は、不思議なほど、温度や手触りや奥行きを感じます。
大好きな作家です。

力いっぱいたたいて目を閉じると、暖かい春の野原にいるような、菜の花の香りのする風を感じるような気分になるたいこ。
「はるかぜのたいこ」は、そんな不思議なたいこの話です。


写真や絵を頭で見ようとすると、どうしてもいろんな、大人なことを考えてしまいます。
そんな時は、暖かさは感じません。

無防備な状態で見ると、素直に染みこんできて、温度や手触りを感じます。

葉祥明さんの絵は、見る人を無防備にさせるところがあるような気がします。
特に、気持ちがざわざわしている時なんかは。

淡く穏やかな色合いや、作品の多くに描かれている地平線がそうさせるのかもしれません。
でも、多分、絵の後ろにある哲学が、そう感じさせるのだと思います。

「表現のはじめに「詩」がある」。
葉祥明さんの言葉です。なるほどなぁ。

2次元の絵なのに、どこまでも続くような広がりを感じさせてくれるのは、そんなところにあるのだろうなと思います。

娘たち、2冊読んで、もう1回1冊目を読んで、ようやく寝てくれました。

安心している時の子供たちは驚くほどに無防備です。
そういう時に、感受性が育つのでしょう。

大人だってざわざわするこの頃です。
無防備でいられる時間を、できるだけたくさん作ってあげたいと思うのです。

2012年3月7日水曜日

幕張デンジャラス

千葉にある幕張メッセで、デンジャラスな人に再会しました。

その人こそ、JA鶴岡だだちゃ豆担当のデンジャラス神尾さんです。

幕張メッセで開催されている食品展示会FOODEXの出展対応職員として今日が初参戦。

鶴岡では知る人ぞ知る、デンジャラスな大胸筋の持ち主である神尾さん。
地元女子中学生から絶大な人気を誇るボディビルダーでもあります。
ボディビルの大会前には鶏のささみとだだちゃ豆が主食になるらしいです。

白いシャツのボタンが弾け飛びそうでした。

世界中から集まる食素材や新商品がひしめき並ぶ会場で、唯一人、食品展示会らしからぬ輝きを放っていました。

僕が責任を取るなら、ここでシャツ脱いでもいいっすよ、と言ってくれました。

今回のFOODEXのメインテーマは「女性目線」。

来場していた女子の皆さんの目線を独り占めするだろうなぁと思ったのですが、若干意味が違うような気もしたし、その時JA鶴岡のブースは充分人で賑わっていたので、今回のところは服を着ていてもらうことにしました。

今回はイケメン栗田さんも来ていました。

今日もイケメンでした。(写真は去年のイケメン写真)

栗田さんがブースに立つとみんな集まって来るんだけれど、私が立つとあまりお客さん近寄ってこない気がするんだよなぁ、と明るく話す神尾さん。

気のせいですよ。たぶん。


でも、やっぱり神尾さんは豆畑が似合いますね。


今度は、ぜひ仙台で。

2012年3月6日火曜日

真夜中の誘惑


名付けて、「真夜中の誘惑」。

ベトナム産の、あのどうしようもないフルーツが、見事な一品に。

チリソースっていうんでしょうか、ピリ辛のソースが、ぼんやりした甘さになんとも合う。これ、うまいっす。

僕と同い年の店長は、「あけび」と「夜のマレーシアのマーケット」をイメージして、この素材を料理してくれました。

連想と発想で、他にないものを作ってくれました。

彼は、ラーメンでも何でも、食べれば大体どんなものが味のもとになっているか分かるそうで、音楽でいう絶対音感と一緒だと思いました。「絶対味覚」とでもいうのでしょうか。

でも、何を使っているのか分るだけでは、きっと何にもならない。それだけじゃただの評論家になってしまう。

肝心なのは、それを活かす連想と発想と「腕」なのでしょう。
あと、遊び心か。
そうそう、相当な負けず嫌いも見えましたね。

たぶん、仕事抜きで、「味」が好きなんだなぁと感じました。

でも、今に全然満足していない気持ちも、ビシビシ伝わって来ました。


“我流”牛の煮込み。

超うまい。

“我流”に込められた自負とプライドがなんともいい。

的場浩司といっこく堂を足して2で割ったようなイケメン店長。
ぶっきらぼうで客に媚びないところがまた憎らしくもいい。

さりげなく書かれたお品書きの後ろにある彼の意気込みを勝手に想像しながら、次はどの“我流”を試そうか考える、そんな新しい楽しみを見つけた夜でした。

2012年3月5日月曜日

振り子

ふと、祖父の家の居間にあった振り子時計を思い出しました。

しばらく前にその時計は役目を終えて外されたのですが、最後に見たのがいつか、よく覚えていません。

まだ僕が小学生だった頃、遊び相手の従姉妹たちが不在の時は、掘りごたつに足を突っ込んで、祖父母たちとお茶っこ飲みながら、塩辛い胡瓜の漬物を手のひらに載せてはかじって、暇を持て余しながら、右に左に揺れる振り子をぼーっと見ていました。

今は振り子時計どころかその家も地震で大きく傾いたため、すべて取り壊してしまいました。


普段そんなに意識していないのだけれど、やはりその日が近づくにつれ、どんどん膨らんできます。

誰でもみんなそれぞれ、自分だけの振り子を持っているのだと思います。

同じ物を見ても、綺麗に見えたり、とても醜く見えたりすることがあります。

そんな時、振り子、揺れているなぁと思います。

知らず知らずのうちに、栄養不足になっているのかも知れません。


今日、宮崎から思いがけず葉書が届きました。
コープみやざきの日高さんからでした。

とてもあたたかく、じんわり嬉しい内容でした。

ありがとうございました。


2012年3月3日土曜日

アドバルーンが風に

近所にスーパーが新しく建ちました。

空に浮かんだアドバルーンが2つ、風に穏やかになびいていました。

とても賑わっていて、まわりでは渋滞が出来ていました。

何かが始まるときは、どこか気持ちが浮つき、そわそわするものです。

500円玉を握りしめた長女の表情もふわふわしていました。

熱を出して寝込んでいる妹のために、「はるか」を一袋買って帰りました。

娘たちが飾り付けした雛人形が、部屋の隅に鎮座していました。

明るい春になって下さい。

2012年3月2日金曜日

讃岐の国から

その方は、特別な思いを抱えて仙台に来られました。

あの地震のあと、「頑張るよ」と言って頑張れなかった仙台の友人のことを思って。

頑張れなかった理由を、知りたくて、知りたくなくて。

僕は聞かれました。

「なぜ、君は頑張れたんだ?」と。

その方の友人は、家族も皆無事で、仕事もあったそうです。
なのに、なぜ。

友人がいなくなってしまった去年の6月から、ずっと、その「なぜ」がぐるぐると心の中を回っているようでした。

理由が知りたいんだ。
でも、知るのが怖いんだ。

まもなく還暦を迎ようとしているその方は、振り絞るように胸のうちを明かしてくれました。


翌日、何箇所か、被災地を案内しました。

何か納得できるような手がかりを見つけたのか、別れ際には、幾分静かで穏やかな表情をされていたのが印象的でした。


遠く離れていたって深く傷ついている。
遠く離れているからこそ、傷が深まることもある。

そう思いました。


その方から、今日素敵な贈物が届きました。


同梱されていた手紙には「またお会いできる事を信じ、楽しみにしています」とありました。

ありがとうございました。